【学校紹介】広島県立広島高等学校(その②)

(追記:9/21に特色枠に関する内容を追加しました。)

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

6月は各高校の塾対象の入試説明会がある時期です。各高校から送られてくる資料に目を通しながら、今年度の説明会はどこにいこうかと色々と考えております。

市立福山は、ここ数年行きたくても諸事情があって行けていなかったのですが、今年度はようやく説明会への申し込みが出来ました! 盈進高校は昨年度伺ったので、今年度はいいかな・・・。尾道高校は学食の試食会も兼ねた説明会があったので、ブログにしやすそうだなと思いつつ、気づけば説明会の申し込み期限が過ぎていました。昨年度、一昨年度と受験者がいたにも関わらず一度も説明会に行けていない英数学館と岡山龍谷は少し検討中です。弓削商船も、名前を挙げてくれる生徒さんがいたのでホームページをちょくちょく確認するようにはしたいと思っています。

そんな中、今年度最初の学校紹介です!説明会に参加してから2週間ほど経ってしまいました。

お待たせして申し訳ありませんでした。その分、原稿用紙で言うと20枚分以上・・・というよりほぼ30枚分くらいのものすごい量のブログになってしまいました・・・この高校に興味がある人は、一度に読み切れなければ少しずつ読み進めていってください。

では、いきましょう!

広島県立広島高等学校

HP:http://www.hcyuko.hiroshima-c.ed.jp/

男女:共学

アクセス:JR西高屋駅から徒歩10分

学科・コース:普通科

全県模試受験者平均偏差値:62.6

R4卒業生の主な進学実績:※()内は、過年度生

東京大学5名(1)、京都大学3名(1)、北海道大学2名、東北大学2名、大阪大学7名(2)、九州大学10名(2)、広島大学52名(7)、国立大学医学部医学科2名、早稲田大学11名(2)、慶應義塾大学4名(1)

 

昨年度の説明会の様子はこちらです。

【学校紹介】広島県立広島高等学校(その①)

昨年度の入試では、まさかの大定員割れを起こしてしまった県広に行ってきました!

↑ 校訓は「高い知性 豊かな感性 強い意志」

↑ 玄関脇の展示スペースはこんな感じ

↑ 説明会会場(多目的教室)はこんな感じでした!

授業見学!&校内の様子!

県広に到着してからしばらくは、校舎内を移動して授業見学をすることが許可されました。

これが実はとても嬉しかったです!私が地元に帰ってきて、高校見学を始めたのが塾を開く前の2018年の秋頃からでした。開校した2019年は春から色々な説明会に参加しましたが、それでもまだまだ行けていない学校はいくつかありましたし、授業見学にはそこまで価値を感じていませんでした。

2020年はもっといろんな学校に行くぞ!・・・と意気込んでいた矢先にコロナが直撃しました。コロナの影響で、説明会自体が開かれないこともありましたし、ましてや生徒がいる教室の近くに部外者である塾関係者が行けるはずもなく、授業見学というのはここ3年くらいほとんど出来ていませんでした。だから、とても新鮮な気持ちで授業風景を見させてもらいました。

ということで、以下私が県広の授業見学をして感じたことを書いてみたいと思います。

まず、コロナ前の授業風景との大きな違いが、これは他の公立の中学校や高等学校もそうだと思うのですが、生徒たちがみんな自分用のノートパソコンやタブレットを持っていて、それを机の上に置いて授業を受けていることでしょうか。「教科書・ノート・筆記用具・タブレット」が授業の4点セット、という感じです。

中には、普通に黒板を使用して授業をしている先生もいらっしゃいましたが、見学した授業のうちほぼ半分が、ノートパソコンやタブレットを使用する授業でした。

流石に生徒さんたちの様子を撮影するのはプライバシーの観点から問題だと思うので、学校の準備室や生徒の休憩スペース、寮の写真を撮影してみたので、そちらをご覧ください。 理科室の前にはこのように、ウイルスや薬関係の掲示物が掲示されていました。もうしばらくはこんな掲示物が続くんでしょうね。 社会の準備室前はこんな感じでした。

こういう掲示物をどうしてわざわざ撮影したのかというと、生徒さんたちにぜひ伝えておきたいからです。

大人になって思うんですよ。こういう掲示物にどうして学生時代に興味を持たなかったんだろうって・・・。教科書や授業で教わる内容って、高校生だった当時の私にとっては、テストのための勉強って感じがして、自分が楽しみながら覚えたものがあまり多くないんですよね。だから、入試が終わるとどんどん頭から抜け落ちていって、今では生徒さんたちに教えていること以外はほとんど頭に残っていません。だから、こういう美術館・博物館などを上手く利用して、もっと楽しみながら勉強をすれば良かったなと思ってしまうことがあります。

部活動「だけ」を精一杯頑張ることだって、もちろんそれはそれで素晴らしいことだと思いますが、思い切って学校の外に飛び出して、自分の世界を広げる活動をすることや、高校生だからこそ出来るような色々な活動をすることも、色々なことを学べると思います。

みなさんも、こういう「遠回り」によって、自分が学校で勉強していることが好きになっていったり、世の中のことに興味・関心がわいてくるくことも多いと思うので、ぜひぜひ学校の何気ない掲示物にも興味を持ってみてください! ちなみに、軟式野球部は部員もマネージャーも募集中のようです!

校内には色々な新聞社の新聞が置かれているので、朝早くに学校に登校して、自分が気になっているニュースに関して、複数の新聞を読み比べることだって出来ますね。新聞によって、書かれる内容に違いがあるという話は先日の中3の国語の授業で話しましたね。

校舎がまだ新しいため、全体的に清潔感があります。

また、各学校でこのような異文化理解をコンセプトにしたような展示スペースがありますね。これは盈進高校の方がスペースが大きかったような気がします。

校舎の向かいにある生徒さんたちの寮、「凌雲寮」も見ることが出来ました。中1・中2は4人部屋、中3・高1は2人部屋、高2・高3は1人部屋で、限られた期間だけ寮に下宿する「短期入寮」は6人部屋なのだそうです。学校は違いますが、私も高校時代の3年間は、3人部屋や2人部屋で寮生活をしていたので、懐かしく感じました。

・・・ということで、授業見学の感想に戻ります。

どの教室で何年生が何の教科の授業をやっているのかは、特に教えてもらえなかったので、学年は少しあやふやですが、中学校1年生の生徒さんたちが英語で自己紹介をしていたり、情報・理科・世界史など、色々な授業で、学校の先生がタブレットを片手にプロジェクターで映し出された画面を使って授業を行っていたり、机を4つくっつけてグループで話し合うグループワークをやっていたり、小論文の対策をしていたり、色々な授業を見ることが出来ました。県広の英数国の授業は、習熟度別でクラスに分かれているので、同じ内容の授業を別の教室でやっているのも確認できました。

中には、少しお年を召した先生もいらっしゃったので、気になって学校の先生に確認をしたところ、60歳以上でも「講師」として、授業を担当されている先生もいらっしゃるとのことでした。これはいいですね! 私は高校時代から勝手に、「講師」として高校英語や高校数学をバリバリ教えていらっしゃる年配の先生方のことを「引退校長系教師」と呼んでいました。実際に校長先生を経験されている方かは分かりませんが、そういう引退校長系の先生って、教科の知識量がずば抜けていたり、計算力がものすごくて数学科の他のどの先生よりも暗算が早かったり、わざわざ教師として学校で授業をすることを決断された先生方ですから、授業の質が高い先生が多いというのが私の印象です。県広の英語の先生も笑顔で授業をされているのが印象的でした。

また、コロナ明けを感じさせてくれたのが、マスクをしていない先生・生徒が思ったよりも多かったことでしょうか。うちの塾でも、マスクを外している生徒さんがちらほら出始めましたが、まだまだ8~9割の生徒さんはマスクをしているので、これも実際に学校の様子を見ないと気付けないことでした。

説明会の様子

授業見学の後は、最初に案内された多目的教室に戻って、学校説明を伺っておりました。

学校紹介の掲示物

その話をする前に、昨年同様に、多目的教室前に掲示されていた掲示物をご紹介します。見にくいとは思いますが、受験を検討されている生徒さんはぜひ、拡大して見てみてください。

国公立大学推薦合格の秘訣(?):卒業論文

また、説明会の申し込みをした際に、「質問があれば記入してください」と書かれていたので、いくつか質問をさせていただき、それに関して広島中学校の教頭先生から直接ご回答をいただきました。

まず、「国公立大学の推薦合格に向けて、どのような取り組みをされているのか?」と質問に対しては、「特に変わったことはしていない」というお答えでした。以前、うちには県広の生徒さんが通ってくれていて、学校の先生が「広島県内で東京大学の推薦合格者を出した高校はうち(県広)だけって先生がよく言ってます。」とおっしゃっていたと教えてくれました。内部ではそうおっしゃっているくらいだから、何か特別なことをされているのかと気になっていましたが、(私ごときには教えてくれなかっただけなのかもしれませんが、)特別なことはされていないそうです。

ただし、教頭先生がおっしゃっていたのが、「もしかしたら卒業論文が推薦入試の助けになっているかもしれない。」とのことでした。まず県広の卒業論文がどのようなものかは、昨年の私のブログの引用も含めて説明します。

尾道北や福山誠之館のような「単位制総合学科」と呼ばれる学科には、自分が高校で調べ学習をしたことをまとめる「卒業研究」がありますが、県広にも同様のものがあるようです。

県広の高校生たちは、「深い学び」を目標として、タブレットを活用しながら、生徒1人1人が興味関心のあることを研究していき、高3になったらその研究内容を論文にまとめるんだそうです。卒論のテーマは様々、つまりそれぞれが好きなことを研究出来ます。実際、昨年度の卒論には、「西条の酒造り唄と伝統技法の継承に関する研究」、「多文化共生社会の研究」、「ミクログリアの研究」、「チョークの粉がまうのを防ぐ研究」など、色々なものがあったそうです。

尾道北や誠之館などの単位制総合学科に卒業研究があるのは知っていましたが、普通科で卒業論文があるのは割と珍しいのではないかと思っています。しかも県広は、ただ論文を書かせるのではなくて、広島大学の大学院生の方が、卒論を書くサポートもしてくれるようで、実際に大学に入ってから、レポートや論文を書く際にかなり役立っているそうです。

そして、今回の大学入試でも、県広からは東京大学に2名の生徒さんが推薦合格をされているそうなのですが、そのうちの1人の生徒さんが、実際に書かれた卒業論文をまとめたポスターを見せて頂きました。そのテーマは・・・「『知的障害者の健康問題から学ぶ健康格差是正に向けた健康政策評価方法の提案』と今後の課題」です!

私も大学生のときには卒業論文を書きましたが、本当に大学生の書いたものと見劣りしないくらいしっかりした内容だと思いました。まず感心したのが、研究の動機・研究の目的・「知的障害者」や「健康」などの言葉の定義・現状分析・現状の課題・今後の展望などが、章立ててしっかりと書かれていたところです。

定義をきちんと調べるってところで、大学の卒業論文っぽさが一段と上がります。何か研究をするときには、自分が使う言葉を正確に使わなければいけないので、自分が知っている言葉であっても、その意味を正確に理解するために、まずは辞書で意味調べを行うことから始めることもあるんです。図書館に行って、日本最大の国語辞典である「日本国語大辞典」を何度か引いたのを思い出します。(日本国語大辞典というのは、百科事典のような分厚さで全20巻もあります!)

卒業論文って、高校3年生の貴重な時間を割かなければならず、受験勉強の邪魔だと感じて、テキトーにやってしまう生徒も少なからずいるんだろうなと勝手に想像していますが、自分が大学でどんな研究をしたいのか、その問題意識の種を作るという意味では、実はかなり重要な作業だと思います。「自分のやりたい研究の先行研究を行っている先生が、〇〇大学にいるから、その先生の研究室で学びたい!」なんてことが、推薦入試で話せれば、絶対に大学の先生たちからの評価も高いと思うんですよね。

そう考えると、「大学で勉強したいこと」、・・・と、そこまでは言えなくても、「自分が関心を持っているニュースや日常生活の中での疑問」、普段の生活から「なんでだろう?」「どうしてなんだろう?」という問題意識を持っている生徒さんにとっては、この卒業論文を書く機会というのは、非常に充実した経験になるのではないかと思います。(これは尾道北・誠之館にも同様のことが言えると思います。)

その他の回答:「習熟度別クラス」と「数学研究会」について

この質問以外に、習熟度別クラスに関して、高校では英数国の3教科に関して、レベルに応じて2クラス分の生徒さんたちをを3つに分けて授業を展開しているとのことです。(尾道北と同じようなクラス分けでした。)

また、新設された「数学研究会」についても、その活動を伺ったところ、広島大学理学部の先生を招いて、大学での勉強を踏まえたセミナーを実施したり、夏休みにはオンラインで活動したり、数学オリンピック出場に向けて勉強会を開催したりしたそうです。その取り組みの結果、数学オリンピックは見事に本選出場が出来たということで、数学好きな生徒さんたちにとっては、この部活動も良さそうですね。

中入生と高入生の差は「ない」が公式回答

また、今回した質問ではありませんが、「中学から入学した生徒たちと高校から入学した生徒たちの間で、大学の進学実績に差があるのか」という質問について、気になる方もいらっしゃると思いますが、昨年度の説明会で伺った話とほぼ同じ内容でしたので、昨年の説明会の際の回答を引用しておきます。(※自分の文章が分かりにくかったので微修正しました。)

「中学から入学した生徒たちと高校から入学した生徒たちの間で、大学の進学実績に差があるのか」というのは、個人的にものすごく気になっていましたが、こちらに関しても回答がありました!

(中略)

中学から入った中入生と高校からの高入生の生徒比が、中入160人:高入80人で、およそ「2:1」。また、難関大学+広島大への過去5年間の合格者の比率が、中入の合格者244人:高入の合格者124人で、こちらもおよそ「2:1」。

つまり、中学から入学した生徒さんと高校から入学した生徒さんの間で、大学の進学実績には大きな差は無いそうです。

そして、中入と高入の生徒たちは、すでに1学期が終わるころには打ち解けているとのこと。ですので、難関大学を目指している生徒さんにとっては、競うライバルがたくさんいる県広というのは、目指すべき学校の1つであると言えるでしょう。

中高一貫型の学校は、中学から入った中入生と、高校から入る高入生が何年生でクラスが一緒になるのか、あるいは3年間一度もならないのかは、志望している方たちにはしっかりと把握しておいてもらいたい情報です。近隣だと近大福山が3年間一度も高入生と中入生が合流しないくらいで、その他の学校は高校1年生から高入生と中入生を合わせたクラス編成になったはずです。(みなさんも自分で確認してみてください。)

そして、大学の進学実績に関しても、良さそうに見えても、実はそれは中学から入学して先取りで勉強をしていた中入生の実績がほとんどで、高入生の進学実績はそれほどではない学校もあります。(近大福山はその傾向が強いです。むしろ、それを中学入試のメリットとしてアピールしています。)

県広に関しては、そういった差は「ほぼ無い」ということを実際のデータを示して説明してくれています。ただし、超高倍率の公立中高一貫入試を突破した生徒たちですから、中学校からいる子たちの中には、ものすごく出来る子たちがいることは覚悟しておきましょう。

学校説明に関して

さて、ここからは説明会で県広の先生方が話してくださった内容です。

まず、校長先生から「もっと受験者を増やしていきたい」という決意表明がありました。「教育実践についてはどこにも負けない。今年度は、文化祭を全面開放しているので、受験を検討している生徒さんには来てほしい。」というお話がありました。

申し訳ありません。案内が遅くなってしまったので、すでに文化祭は、みなさんが運動会を頑張っていた当日に終わってしまっています・・・。

受験者を増やすために、オープンスクールなどの学校イベントでは、学校の取り組みを先生や生徒さんたちがしっかりと語ってくれると思いますので、受験を検討されているみなさんは、ぜひ説明会に参加しましょう!

そこから、登壇者が説明会担当の先生に代わって、学校紹介をしてくださいました。県広が育成したい生徒さんは、SDGsに貢献できるグローバルリーダー、知性・感性・意志のバランスの取れた生徒、将来への志にあふれた生徒、だそうです。

中学校の「ことば科」の授業では中1でスキット(寸劇)、中2で日本語ディベート、中3で英語ディベートを行い、キャリアスタートウィークという職場体験も行われます。また、高校の方はSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定されており、海外の高校生との探究活動を行ったり、卒業研究に向けてプロフェッショナル探究・総合探究などの授業が行われています。

クラスメートと話し合う際にはICTも活用されており、主体的に参加する生徒さんは9割以上だそうです。また、担任との面談の回数は決まっていないため、進路に関する話し合いは随時行われているようです。前述した卒業論文も含めて、学校の活動が非常に充実しており、学校での活動に前向きに参加出来る生徒さんにとっては充実した学校生活が送れるように感じました。

その結果、東大が主催する「社会イノベーション選手権」に参加する生徒さんがいたり、スタンフォード大学が主催する英語のプレゼン大会で最も優れた発表をした高校生3名に贈られる「Stanford e-Japan Award」を受賞した生徒さんもいらっしゃったそうです!

その他、気になる活動に関しては、ぜひオープンスクールで通っている生徒さんたちから色々な話しを聞いてみましょう!

入試に関して

最後に入試制度に関してです。

一昨年度までの県広は、「広島県の公立の選抜Ⅰ」、「広大附属福山」、「市立福山」と試験日程が重なっており、県広とこれらの学校を一緒に受けることは不可能でした。しかし、広島県立高校の入試改革により、受験日は2/27~29となり、県立高校の一次選抜と同日になりました。つまり、広大福山と県広を同時に受験が出来るということです。(もちろん、呉高専も日程が異なるので3つを同時に受験できます。)

これは県東部で少しでもレベルの高い高校を受験したい生徒さんにとっては、朗報かもしれませんし、広大福山にわずかに届かなかった子が、県広も受験するかもしれないと考えると、県広第一志望の生徒さんにとっては大変かもしれません。特に、昨年度は倍率が大きく下がりましたから、倍率が下がった次の年は倍率が上がるのが普通です。勝手に今年度も倍率が低そうだと高をくくらずに、しっかりと勉強しておきましょう。

入試制度が変更されたことで、県広は安全圏だけど広大福山はチャレンジだから、広大福山は諦めて県広にしようかな・・・と思っていた生徒さんが、果敢に広大福山に挑戦できるようになります。そうすれば、岡山から越境して広大福山を受験する生徒さんと、さらに戦えるようになるかもしれません。例年なら県広を受験する予定だった県西部の生徒さんが、基町や国泰寺などの広島市内の人気高校に流れれば、県東部の生徒さんは県広にさらに合格しやすくなります。

入試に関しては、正式発表は県広のホームページや広島県教育委員会のホームページの発表を待ちましょう。(英数国3教科の受験日が2/27、自己表現が2/28、何かあったときの予備日が2/29です。)

例年のままだとすると、1日目に行うのが英・数・国の3教科の自校作成問題です。公立高校の入試問題とは異なるため、過去問を解いて、しっかりと対策をしておくことが必要です。一般枠は他の公立高校と同様に、学力検査・自己表現・調査書の割合は「6:2:2」で、特色枠はありません塾対象説明会の時には、説明はなかったのですが、今年度から特色枠が追加されるようです。

特色枠に関しては、「学力検査:調査書:自己表現」の割合が「4:4:2」になります。つまり、内申重視!学校の定期テストの勉強をしっかりと頑張っていて、それでも少し模試の実力が・・・という生徒さんにもチャンスが出来そうです。入試を受験した生徒さんの学力検査・調査書・自己表現の点数をまずは特色枠の割合で算出し、そこから点数が高い生徒さんに定員の50%まで合格を出し、その後に一般枠の割合に計算し直して、残った人の中から点数が高い順に残り50%の合格者を出すということです。

一般枠に関しては、当日のテスト結果が非常に重要です。自己表現に関しても、「中学で頑張ってきたことを話せば大丈夫だから、テストに向けた勉強を頑張ってください」とおっしゃっていました。自己表現はあまり気にせず、とにかく3教科の勉強をしっかりやっておいてください、ということです。

最後に各教科の入試に関する説明がありました。県広のこの説明では、「受験をする生徒さんには、こういう力を身に付けておいてほしい」という注文がつくので、その部分は色を変えて目立つようにしてあります。

国語の受験時間は50分です。漢字の読み書きなどの基礎基本は定着しているが、文字は丁寧にきちんと書いてほしいとのお話がありました。字が雑で、先生から注意されたことのある生徒さんは、普段から速く・読める字を書く練習をしておきましょう。説明的文章では、選択問題は良く出来ているが記述問題の正答率は低かったそうです。素材文・設問の内容を的確に捉え、それを的確に説明する能力に課題が見られるため、抽象的な文章を読みとく力、文章構造や表現の特徴を理解する力、読み取った文章を自分で文章にして表現する力を鍛えておいてほしいとのことでした。文学的文章では内容や心情についての理解を問う選択問題は高かったものの、記述の正答率は低かったそうです。問題文の指示をよく読んで、設問で問われていることを要素ごとに分解し、それぞれを短い言葉で表現し、決められた字数に調えることが必要とのことでした。

普段から意識してほしい勉強として、①具体的「誰が」「何が」「何のために」行うのかという、5W1Hを意識しながら、根拠を明確にして学習すること、②未知の言葉に出会ったら辞書を引くこと、③ニュースや身近な問題について家族や友達と話し合うこと、④言葉に対する知的好奇心を抱き続けることを挙げられました。

数学は60分と他の教科よりも10分長いです。大問は全部で5題あり、「数と式」(文字式・方程式・平方根など)、「図形」(空間図形・平面図形)、「関数」、「データの活用」(確率・箱ひげ図・標本調査など)の4つの分野から出題されます。昨年度は、大問1は4つの基礎問題、大問2はデータの活用、大問3は図形と関数の融合問題、大問4は数と式の問題、大問5は図形の問題が出題されました。例年と比べて、全体的に総得点は上がったが、問題ごとの正答率には差があり、基礎的な知識・計算を正解する生徒さんが多い一方で、応用には課題がある生徒さんが多かったそうです。特に大問3~5の後半の問題では、分かっていることを図やグラフに書き加えること、問題文に書かれている条件を正しく読み取り証明問題をしっかり書くこと、答えだけではなく計算過程をきちんと記述することをもっと重視して勉強してほしいとのことでした。

このあたりは、普段の授業でも話していますし、数学の応用問題に挑戦できるように、中3の希望者のみなさんには応用の問題集も渡してあります。ぜひ、しっかりと数学で点数を少しでも取れるように、応用力を鍛えておきましょう!

英語は50分です。大問1はリスニングで、三部構成です。Ⅰ部:対話に続く応答を答える、Ⅱ部:説明に対する応答を答える、Ⅲ部:概要を理解して自分の考えを述べる、という形式で、特に大問Ⅲはメモを取りながら文全体を理解して答えないミスをするような内容になるそうです。大問2は対話文で、記述問題の正答率が低く、適切な箇所を読み取り説明する能力が課題だったそうです。大問3は説明文で大問2同様に記述問題に課題があったそうです。また、最後まで解ききれていない受験生もいるようで、しっかりと「速読力」を身に付けておいてほしいとのお話もありました。大問4は英作文で、自分の考えや気持ちを読み手に正しく英文で伝わるようにしっかりと練習をしておいてほしいとのことでした。全体を通してのアドバイスとして、英文を読んで素早く内容を理解し、日本語で説明を出来るようにし、さらに自分の考えを適切な英語で書けるようにする能力が必要とのことでした。

このアドバイスから、塾として言えることは・・・

国語に関しては、少し時間をかけてもいいので、しっかりと解答の根拠を考えながら問題を解くことです。選択肢の問題では、「エ」が答えだと思ったなら、他のア~ウはどこがまずいのか、きちんと説明を出来るようにしているかを毎回確認するようにしましょう。

また、記述問題であれば、解答の文字数が15~20字増えるごとに、解答に必要な要素が1つ増えると考えましょう。例えば、「五十字以内で書け」という問題であれば、採点者がチェックするポイントが3つ(問題によっては2つ)あり、その3つの内容がそろっていて、誤字脱字がなく、自然な日本語であれば〇がもらえる、そうでなければ減点されると考えればいいです。

普段から考えるクセをつけるために、ニュースや日常のことを少しつっこんで考えてみて誰かと考えを共有することも有効だし、分からない言葉は積極的に辞書を引いておくことも大切だという話でした。そういう勉強はぜひ、定期試験前の勉強で、気のすむまでガンガンやっておいてほしいですね。

数学に関しては、まずは塾・学校の授業にしっかりとついていって、基本的な計算に関しては確実に正解出来るようにしておくことです。そして、中学校の範囲の勉強が終われば、色々な応用問題・入試レベルの問題にしっかりと取り組んでおきたいところです。渡している応用問題のテキストを定期試験前でも模試の前でも構わないので、少しずつ進めるようにしておきましょう!

英語に関しては、塾での勉強は、夏休み中には文法事項は全て終わります。そこから、長文読解や英作文などの練習を少しずつおこなっていくので、焦らずにもう少しついてきてください。

受験期には、ある程度のレベルの生徒さんたちには、色々な高校の入試問題を解いてもらいますが、解き終わった後に、ぜひ「全訳」に挑戦してほしいです。県広の先生の話にもあった「速読」に関して、「速読」をするためには、「精読」という、じっくり丁寧に読む練習が欠かせません。時間をかければちゃんと読める能力があるからこそ、時間をかけずにパッパッと読んで、分からなくなったら「精読」に切り替えることで、スピードを出して読めるようになるんです。

不定詞・動名詞・進行形・受動態・現在完了・関係代名詞・分詞・・・・と、文章のどの部分にどの文法事項が使われているのかを理解しながらじっくり読む練習を重ねておけば、入試本番で英文を読んでいても、頭の中に文法事項がすぐに浮かんで、スラスラと読めるようになります。一見遠回りに感じるような時間のかかる勉強でも、これが一番力がつきます。

英作文は、どんどん先生に添削してもらうのが一番なので、ぜひたくさん添削をさせてもらえればと思います!

最後に

ということで、今年度最初の高校紹介であり、今年度は県広の受験を検討している生徒さんたちがいるので、少し丁寧に書いてみました。

尾道から県広に通うことを考えている生徒さんは、寮生活についても真剣に検討しておくべきかと思います。県広のある西高屋駅と尾道駅(東尾道駅)の間の区間は、三原駅や糸崎駅で電車の乗りかえをする必要がある場合も多いです。そのため、電車の待ち時間は思ったよりも長くなってしまうはずです。

部活をやって疲れてクタクタな中、電車の時間で1時間以上取られる可能性がある訳ですね。その時間を本を読んだり、単語帳を勉強したり、有効活用できるようならばいいのですが、それが出来ないのならば、少し考えましょう。そこで、寮を利用することを検討するのもいいと思います。学校のすぐ近くで、通学のわずらわしさがないし、ずーっと修学旅行気分で、楽しいと感じる生徒さんもいる反面、団体行動のストレスを感じる生徒さんや人間関係でトラブルになる生徒さんもいると思います。

ちなみに西川先生は前者の方で、寮生活は大変なこともありましたが楽しかったですね。夏のセミも冬のテントウムシも、学習室に登場する「G」も大変でしたが、通学生たちから回ってくる「週刊少年ジャンプ」は癒しでしたし、修学旅行前にした「彼女を作ってから楽しい修学旅行を迎えよう大作戦」も忘れられません。笑

勉強面でも寮生活の話でも、何か気になることがあれば、ぜひ相談してください! そして、県広を目指す生徒さんは、目の前の定期テストを本気の本気で頑張ってください! 応援しています!

 

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