【高校紹介】弓削商船高等専門学校(その①)(後編)

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

教室は毎日開いておりますので、期末試験に向けて勉強を頑張りましょう!

オンライン教材も積極的に活用してください!使ってくれている子は週末の土日だけで4時間以上オンラインで勉強してくれています。理社や副教科は特に使いやすいそうなので、活用しましょう!

さて、一昨日公開した弓削商船紹介の続き・後編です!

前回のものはこちらです。

【高校紹介】弓削商船高等専門学校(その①)(前半)

さて、今回も書いてみると前編以上に長くなってしまいましたので、前置きはおいておいて、さっそく続きからいきましょう!

電子機械工学科・情報工学科について

製造業や機械系メーカーへの就職を目指す、残り2つの学科について一気に紹介をしていきます。

電子機械工学科は「環境工学」、「ロボット工学」、「エネルギー」というのがキーワードです。設計・製図をして回路を作ったり、3Dプリンタで造形をつくったり、ロボットを組み立てたりするのが主な活動のようです。課外活動として高専ロボットコンテストへの出場を目指してロボットを作る活動もあるようです。医療でも商業施設でも工場でも輸送であっても、今やロボットというものは私たちの生活に不可欠ですから、幅広い就職先があると思います。

一方で、「プログラミング」、「AI」、「情報セキュリティ」というのがキーワードになるのが情報工学科です。電子機械工学科がロボットの外見や骨格、心臓の部分を作るイメージだとすれば、情報工学科は頭脳の部分を作るイメージだと思います。こちらの生徒さんたちも課外活動としてプログラミングコンテストという大会を目指して頑張っている生徒さんたちもいるようです。こちらも電子機械工学科同様に、様々な就職先がありそうです。

卒業後の進路に関して

高専を卒業後は主に2つの選択肢があります。それが「就職」と「進学」です。この部分のお話は他の高専も共通している話も多いかと思います。

就職に関しては、毎年3月・4月頃には多くの生徒さんたちの進路が確定するそうです。今年度も6月の前半時点で、まだ進路が決まっていない生徒さんは2人しかいないとおっしゃっていました。5年生の生徒さんが約120名いるのに対し、毎年500社以上の求人募集が来るということですから、引く手あまたですね。そして、多くの生徒さんが一発で合格を勝ち取るという話ですからすごいですよね。

前編にて、高専の先生方は先生本人が希望を出さない限り、異動がありませんとお伝えしました。そのため、5年間面倒を見てくれた先生たちがその生徒の個性・適性を理解した上で進路先を決めてくれるようなので、それも一発合格が多い原因なんでしょうね。

また、「進学」に関しては弓削商船にある「専攻科」という上のコースに進むか、他の大学の3年生に編入をするかのどちらかになります。専攻科であれば、成績が半分以上あれば推薦で進学出来るようです。そして各クラス上位5名くらいに入れれば、他大学への編入も可能になるようです。過去6年間の他大学の進学先を見ていると、商船学科は神戸大学・東京海洋大学、電子機械工学科は愛媛大学・千葉大学・豊橋技術科学大学、情報工学科は九州大学・佐賀大学・筑波大学と、様々な編入先があるようですので、実践的な作業だけではなく、学問としてより深く学びたい生徒さんたちは、進学を選ぶことも可能です。

進学をする生徒さんの比率は学科ごとに異なっており、商船学科が10~15%、電子機械工学科が15~20%、情報工学科が25%くらいのようです。

入試制度について

では、最後に入試に関してです。

ここまでの説明をお読みくださっている方は、かなり高専への受験に前向きな方だと思うのですが、そもそも、高等『専門』学校なので、まずは専門分野に興味があることが大前提かと思います。

数学や理科が嫌い!・・・なのに高専を目指すというのは入学してからの勉強が相当大変だと思いますし、商船学科に行くつもりなのに、船や海が嫌い!というのも苦労すると思います。寮生活についても、一人で黙々とスマホをいじるタイプの生徒さんよりは、周りと積極的にコミュニケーションが取れる生徒さんの方が楽しいのではないかと思います。親元を離れることに不安を感じる生徒さんも要注意かもしれませんね。

また、商船学科に関しては、長期間船に乗る生活に耐えられるかどうかを見るために健康診断証明書が必要になります。船員になった際に、仕事に大きな支障が出るような色覚の異常や病気の有無、視力などを検査して提出する必要があります。不安な方は早めに高専に問い合わせておきましょう。

そして、通うとなると、中学校時代と比べて大きな環境の変化になるはずなので、まずは、オープンキャンパスに参加して、どういった場所で、どんな先生たちに学びながら、どんな勉強をしていくのかを見てから決めましょう!

入試に関しては、基本的には①推薦入試、②学力検査入試の2種類のみです。入学辞退者が出て、定員割れをしてしまった場合のみ、例外的に二次募集がおこなわれる可能性がありますが、基本的にはありません。また、学力検査入試では、弓削商船と広島商船、そして山口県の周防大島にある大島商船の3校で「複数校志願受験制度」という制度もあるので、そちらもご紹介したいと思います。

①推薦入試(R7入試は12/20金までに出願、試験日は1/11土)

弓削商船を第一志望にしている生徒さんは、絶対にこの推薦入試から受験をしてください! というのも商船学科、電子機械工学科、情報工学科のどの学科も、推薦入試の募集人数は定員の8割(32名)ですから、ほとんどの生徒さんが推薦で合否が決まります。商船学科に関しては、上に書いた一定の身体基準が必要ですが、それ以外は特に基準は設けられていないので、中学校長の推薦があれば誰でも受験が出来ます。

当日は弓削商船での面接試験のみです。面接では志望理由などとともに、口頭で英数国の基本的な知識を聞かれます。渡された英文を読んで発音が正しいかを見たり、基本的な計算問題をその場で解いて答えたり、漢字の読みや品詞を問うものだそうなので、気になる人はオープンキャンパスで実際にどんな問題が出されたのかを学生さんに聞いてみるのも良いですね。

内申と当日の面接の得点比率はおおむね7:3の割合ということなので、内申がかなり重視されます。

合格目安の内申は学科により異なりますが、5段階評価の内申が平均3.0~3.2くらいだそうなので、中1・中2の内申がALL3という生徒さんは、合格可能性をあげるためにはもうひと頑張り! 内申を見ていると、3よりも4の方が多いという人は、合格の目安には達している状態なので、その調子で頑張れば合格の可能性はより一層高まります。

②学力検査入試(R7入試は1/28火までに出願、試験日は2/9日)

弓削商船を第二志望以下にしている、つまり他の公立や国私立との合否を見てから進学するかを検討したいという生徒さん。あるいは、推薦入試に落ちてしまったけれど、どうしても弓削商船に通いたいという生徒さんに関しては、この学力検査入試を受けます。

入試自体は高専が全て共通の問題を使用しますので、呉高専や広島商船と同じ問題です。英語では英文を読んで計算問題をする必要があったり、数学や理科の計算もなかなか大変だったり、社会も細かい知識が必要な問題だったりします。過去問をしっかりと解いて十分に準備をする必要があります。

学科によって傾斜配点があるようですが、どの学科でどの教科に傾斜がかかるのは非公表で、教えてもらえませんでした。とはいえ、数学や理科に傾斜がかかっていても、何ら不思議ではありません。

内申点は中1・中2・中3の5教科(英数国理社)の内申75点満点を3倍して225点満点、中1・中2・中3の副教科(音美技家保体)の内申60点満点を1.5倍して90点満点の2つを合わせた合計315点満点が使われます。学年による傾斜はありません。これと当日の入試得点100点×5教科の500点、さらに検定や部活動などの評定以外の記載事項による85点、これら3つを合わせた900点満点で出される点数が総合得点となります。

当日の入試得点の目安は、内申がALL3で内申による得点が約190点だとすると、商船学科が250点、電子機械工学科が240点、情報工学科が260点が目安だと教えて頂きました。ただしこれはあくまでも目安点なので、受験者が増えるとそれ以上の点数が必要になる場合もあります。定員がもともと少ないことも考えると、受験者が10名増えるだけでも状況は大きく変わりますので、油断は禁物です。

呉高専の電子機械工学科が、合格をするためには内申ALL4くらいでも入試得点で350点ほど必要であることを考えると、弓削商船の情報工学科は、それよりも100点近く低くても、同様のことが学べる学科に進学できるというのは、プログラミング関係の勉強に興味がある生徒さんは覚えておいても良いかもしれませんね。

また、倍率に関しては「見かけの倍率」と「実際の倍率」は異なるということをしっかりと理解しておきましょう。弓削商船は各学科40名ずつ募集します。それに対して2024年度入試では商船学科64名、電子機械工学科55名、情報工学科76名が志望しているので、定員の40名で割ると、それぞれ1.6、1.375、1.9というのが倍率ということになります。公立の学校よりもはるかに高い高倍率で、入試が大変そう・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、学科試験は他の公立や国私立の学校とも併願可能なので、弓削商船に合格をしても進学をしない生徒さんもいらっしゃいます。そのため、実際は入学辞退をされる生徒さんを予測して、定員以上の生徒さんに合格を与えています。そのため、2024年度の実際の合格者は商船学科43名(定員+3名)、電子機械工学科も43名(定員+3名)、情報工学科はなんと56名(定員+16名)でした。そう考えると、実際の倍率は、1.49、1.28、1.36となります。情報工学科の倍率がかなり違いますね。それも踏まえた上で検討してみると良いかと思います。

そしてそして、商船学科と電子機械工学科の2つの学科に関しては「複数校受験制度」という制度があります。これは少しだけ複雑なので、上手く文章で伝えられるか少し不安ですが、説明してみたいと思います。

商船学科に関しては、まずは事前に生徒さんたちは弓削商船と広島商船、そして山口県の周防大島にある大島商船の3校の中で、第1~第3志望まで事前に提出をしておくそうです。そして入試の後、各校がそれぞれの学校を第一志望としている生徒さんの合否を出します。そして、各校の不合格者の中で、他の高専を第2志望、第3志望として出している生徒さんがいた場合、自校の出している合格者よりも、他校を第一志望としていた不合格者の方が点数が高ければ、合格をその生徒に与える(代わりにその学校を第一志望としていた生徒の不合格者が増える)という制度です。

電子機械工学科についても同様で、広島商船の電子制御工学科との複数校受験が可能です。

そのため、場所を選ばなければ商船学科と電子制御工学科の場合は、ギリギリ不合格になってしまう生徒さんを救済する制度(裏を返せば他校をギリギリ合格した生徒さんを落とす制度)があるということです。実際にこの制度によって、どれくらいの合否の変動があるのかについては確認をしておりませんので、気になる方は説明会などで先生方に質問をしてみても良いかもしれません。

まとめ

ということで、前編・後編の2回にわたって弓削商船を紹介させてもらいました。私が魅力的に感じた部分を、読んでくださっている皆さんにも少しでも共有できていたら幸いです。他にも、留年についてや海外研修、去年リニューアルしたばかりの図書館についても伺いましたが、既にかなり長くなっておりますので割愛します。説明会でもお話して下さるので、気になる方は説明会に参加してみてください!

私の勝手なイメージで、弓削商船という高専は、船関係や水産加工関係の職種に就きたい生徒さんが多く行く学校なのかなというイメージでしたが、半分正解で半分は大外れでしたね。実際に説明を聞いてみると、プログラミングを勉強したり、ロボットについて勉強をしたりという呉高専の電子情報工学科や機械工学科で行えるようなことも出来るということが分かりました。やっぱり、説明会に行くことでその学校の魅力がよく分かりますから、改めて皆さんには気になっている学校があるなら、どんどん説明会に行ってほしいということを伝えたいですね。

そして、説明会の最後には、ここまで説明をしてくれた先生のお子さんは、3人全員が弓削商船に通っている(1名は卒業)ということを話してくれました。子ども3人を同じ学校に入れるって、その学校のことを相当気に入っていないと出来ないですよね。それを聞いて納得したことがあります。

今まで説明してくれたことは、学校側からの目線ももちろんありますが、保護者目線でも語ってくれていたんですよね。生徒・保護者から見たときの学校の魅力が、プレゼンからしっかりと伝わるからこそ、うちの生徒さんたちも、中学校で実施された説明会で話を聞いて気になって、模試の志望校の欄に書くようになったんでしょうね。

その先生のお子さんの1人は、長期間の休みのうちにアルバイトをしてお金を貯めて、好きな洋服を買ったりライブに行ったりとエンジョイしつつ、就職に関しては、皆さんが名前を知っているような大企業に一発で採用されて、今は就職して仕事を頑張っているそうです。

また、各学科で成績上位5名くらいに入れれば、他大学への編入試験を受けられるし、真ん中より上の成績であれば、高専の上の「専攻科」で、より専門的なことを学ぶことも出来て、就職の条件が更に良くなります。

「自分の子どもの能力以上の成果が得られる学校」という言葉を使われていましたが、高校受験の偏差値50~55くらいの生徒さんが、塾無しで国公立大学に進学できるかもしれないと考えると、おっしゃっている意味がよく分かります。

今年度のオープンキャンパスに関しては、7/13土と14日に電子機械工学科と情報工学科が、7/20土と21日には商船学科が、日程を分けて実施します。わざわざ弓削まで行くのはちょっと・・・という方は、9/1日にオンライン説明会がありますし、11/2土と3日には説明会兼学園祭が実施されます。気になる方はぜひ足を運んで、ついでに「ゆめしま海道」を通って他の島もまわってみてください!

ということで、初めてなのでかなり気合を入れた学校紹介をさせてもらいました。進学情報フェスタでお話をさせていただいた学校もありますし、他にも、塾対象の学校説明会に参加させて頂いたがっこうもありますので、出来るだけ早めにご紹介できればと思っております。

生徒の皆さんが少しでも自分の進路について、真剣に考える機会になればと思って、毎回ブログを書かせて頂いております。次回もご期待ください!

【高校紹介】弓削商船高等専門学校(その①)(後編)” に対して1件のコメントがあります。

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