【高校紹介】盈進高等学校(その①)
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
9/18日、9/19月はお休みを頂いております。ご注意ください。
さて、今年度は「今までに行ったことのない学校に見学に行ってみよう」というテーマを持っておりました。
尾道北・福山誠之館・尾道東・総合技術・県立広島・近大東広島・近大福山・尾道・如水館・暁の星・銀河学院・呉高専と、この4年間で色々な学校に行かせてもらいました。行ったときの感想や印象に残ったことは、全て【高校紹介】というタイトルをつけて、語っていますので、よろしければそちらもご確認ください。
そして、ここに新たに、今年48年ぶりに甲子園に出場したあの学校が加わります。
それが、こちらの学校です!

盈進高等学校
アクセス:JR福塩線「横尾駅」から徒歩約15分。JR福山駅前から中国バス『府中方面行き』、もしくは井笠バスカンパニー『井原・神辺方面行き』に搭乗。バス停『千田入口』にて下車。約20分。バス停から盈進学園まで徒歩10~15分。福山市内はスクールバス有(4ルート)。
男女: 共学
学科・コース: 特別進学コース、進学コース(内部進学生とは高校2年次から合流)
全県模試受験者平均偏差値: 特別進学55.0、進学48.6
R4年度入試の進路実績(現役生のみ): 広島2、岡山4、島根5、県立広島4、広島市立2、尾道市立、福山市立、明治、青山学院2、中央1、同志社4、立命館6、関西7、関西学院5など
ということで、創立118年の伝統校であり、初見では決して読めないであろう、難読な学校「盈進(えいしん)」です!
入試説明会を申し込んだ後、説明会前日に確認のメールが届いたのですが、まずはそこからクスッっと笑ってしまいました。

え? 学校の坂道に「盈進坂」って名前がついているの!?
確かに、尾道北も誠之館も如水館も、ついでに言うと栗原中や吉和中も、学校は小高い丘のようなところにあることが多いです。災害時には避難所として使われることもありますからね。
ただ、一緒にソフトをしている盈進OBの方からも、とにかく「盈進坂」はものすごいと聞いていました。さらに名前がついているなんて・・・。実際に見て見ると、「盈進坂」は、とんでもない傾斜で、歩いて上るのは本当に大変そうでした。
ちなみに昔の野球部は、この盈進坂を別の部員を肩車して上るトレーニングをしていたそうです。・・・考えただけでも太ももが悲鳴をあげそうです。
説明会の後、思わず盈進の先生に「生徒たちってあの坂道を毎日上って登校しているんですか?」と、当たり前のことを聞いてしまいました。笑
「そうですよ、夏は生徒も職員も汗だくになってます。けど、最初は15分くらいかかるでしょうけど、慣れれば最寄りの横尾駅から学校まで徒歩10分くらいで来られますよ。」というお話でしたので、きっと毎日通っていればかなりの脚力がつくはずです!
こちらの学校は、2019年にガラス張りの新館(高校生用の校舎)を作ったばかりで、その新館が塾対象説明会の会場でした。




本当にキレイな校舎ですよね。毎日通うのが楽しくなりそうです。
実際に授業見学も出来ましたが、各教室プロジェクターを利用した面白そうな授業が展開されておりました。
先生の教卓の前に透明な仕切りがあったのがなんだか新鮮で、「そういえばコロナになってから学校の授業を見学したの初めてだな」と思い当たりました。もう2年以上、実際の学校の授業を見学してなかったのか・・・
こだわりの図書室と読書科というオリジナル授業
この新館は非常にこだわって作ってあるようで、廊下は幅が5mで広々としていて、教室は普通の学校の1.3倍なのだとか。そして、特にこだわっているのが、入口を入って目の前にある「図書室」です。
盈進は「読書」というものを非常に大切にしており、図書室の広さは、普通の学校と比べておよそ3倍もあるそうです。校長先生が熱心にお話されているのがとても印象的でした。
この新館が出来た2019年からは、ずっとコロナ禍が続いていて実現できていないそうですが、新館が出来た当初から、土日に食堂と図書室を地域の方に解放して、利用してもらう計画があったそうです。
「地域の方のご支援があって、うちの学校があるので、その感謝の気持ちを地域の方々に返すのは当然のこと」と、先生方はおっしゃっていました。図書室の本を借りて、食堂で軽食を買って、外の席で優雅に読書・・・っていいですよね! 一般開放されたら私も行ってみたいです。

こちらは図書室の片隅を撮らせてもらったものです。学校が文化祭直前だったということで、色々と発表に使いそうな資料や、打ち合わせの紙が置いてありますが、これを見るだけでも読書に力を入れているのが分かります。
「たった1冊の本 たった1行が人生を支える」
毎週1コマの時間を使う「読書科」というオリジナルの授業があり、年間を通して全ての生徒さんに30冊以上の本を読んでもらうことを目標にしているそうです。学年全員で同じ本を読んで感想をシェアする「集団読書」、そして、中1では中国新聞の投書に挑戦し、中2では本の著者の先生に手紙を書き、中3では自分がこれまで読書を通して学んできたことをまとめて「修了論文」を書くというカリキュラムになっています。
読書を重視していることは掲示物からもよく分かりました。

集団読書の進捗状況を分かりやすくした掲示物は周りへの刺激にもなりますね。

リレー読書という企画で、生徒たちがおすすめの本を紹介し合うのも素敵ですね。

著者の方へのお礼の手紙を通して、その著者の方の講演会が決まることもあるそうです。ご本人と実際に会えて、貴重なお話を聞けるというのもすごいことですよね。

こういう経験をして、「あの人みたいになりたい」と目標を持つようになると、きっと勉強の大切さというのも理解できますよね。
クラブ活動を通して将来の生き方を体得してほしい
また、理事長先生からは「部活動」を非常に大切にしているというお話がありました。

部活動が盛んな様子は入口の展示スペースからも分かります。

2階から撮らせてもらったものですが、屋外にはテニスコートは3面、バレーが2面、バスケが1面ありますね。


学校の敷地内にちゃんと野球場もあります。

校舎の入り口に、県ベスト3以上の結果を残した生徒さんや部活動の懸垂幕を飾ることで、他の生徒さんの模範となるように促しているのだそうです。部活動は中学部と高校部が別々にやるのではなく、こちらも「中高一貫」。そして、定期試験前には学校に残って、学年関係なく部活ごとに教室に集まり、みんなで勉強をする伝統があるそうです。
「甲子園に出場した野球部の4番の子は学校の成績がALL5です。うちの学校は、スカウトやスポーツの特待制度を一切やっていないのに、甲子園に出場出来たのが自慢です。生徒たちが甲子園に出場できた理由は2つあると思っています。1つは、『部員たちの仲が本当に良い』こと、もう1つは『勉強もしっかり頑張っている』こと。盈進共育の理念である『仲間と共に、自分で考え、自分で行動する』が実践出来た結果です。これがうちの学校の自慢です!」
「将来の生き方をクラブの中で体得してほしい。だから子どもたちのやりたいことは何としても実現させてやりたい。」
このあたりは、勉強が中心となる進学校とは少し考え方が違うかもしれませんが、部活動を非常に大事にしていることがよく分かりました。
全部で34の部活があり、2つまでは兼部OK。

部活動に関しても、1つ面白いエピソードが聞けました。去年の12月に生徒たちから「応援部を作ってほしい」という要望があり、部室がないため、この応援部(仮)の活動は、校長室でスタートしたそうです。校長先生がいる前でフレーフレー!と応援練習をしていたんでしょうかね笑
そして、2022年4月からは部室を作ってもらって、応援部を正式に結成したところに、なんと野球部の甲子園出場が決まったのだとか! ものすごい偶然ですね!
それだけ部活動にも力を入れているので、今年度から「クラブ活動関連費」という保護者負担の費用は1.5倍に増えたそうです。実際にどれほどの額なのかは資料に書かれていると思いますが、保護者の方は念のため、その辺りも注意してみた方がいいかもしれません。
掲示物の多さは見学してきた高校の中でも随一
その他、学校全体をウロウロしてみて感じた印象ですが、他の学校に比べて、掲示物が非常に多いと思います。
以下、極力生徒さんの個人名が見えないように撮っておりますので、写真を撮るのが下手な訳ではないことをご理解ください笑






この他にも、本の表紙を生徒さんたちが模写したものや、甲子園出場の号外の切り抜きなどなど、色々な掲示物がありました。通っている生徒さんのお名前が目立ってしまうものは、撮影を自粛したので、紹介しているのはごく一部ですが、それでもこれだけの掲示物がありました!
説明会の資料の中には、中学・高校の部活動の紹介冊子や、OB・OGの紹介冊子、中3の修了論文の紹介冊子など、「この学校の先生たちは、生徒たちを自慢したいんだな」と感じられるものがたくさんありました。
この学校が好きな生徒さんは、きっとめちゃくちゃ楽しい学校生活が送れるはずです!
入試制度に関して
では、入試制度の確認です。
今年度の募集要項に関しては、正式なものが9月中には完成するとのことでしたので、正式なものは学校HPや新しい募集要項をご覧ください。
入試の区分に関しては①校長推薦、②特進・専願、③特進・併願、④進学・専願、⑤進学・併願の5種類あります。
①校長推薦(盈進を第一志望)
・入試形式: 調査書+入試得点(英数国3教科×各150点=450点満点)+検定による加算+面接
・合格決定の基準:中学校長からのA~Dいずれかの推薦書(A:成績優秀、B:生徒会・芸術・ボランティアなどの活動実績、C:ファミリー推薦、D:スポーツ推薦)+ 素内申 5段階×5教科×3年間=75点満点で、基準を満たしている生徒(特進60点、進学45~50程度)であれば、余程のことがない限り合格
②③特進コース(難関大学進学希望、専願:盈進を第一志望、併願:盈進を第二志望以下)
・入試形式: 入試得点(英数国3教科×各150点=450点満点)+調査書(5教科×9教科×3年間=135点満点を÷2した68点満点)+各種検定による加点(最高90点まで)により決定
・合格決定の基準: 2022年度入試における、入試得点の合格最低点は450点満点中、専願252点(59%)、併願291点(65%)
④⑤進学コース(大学進学希望、専願:盈進を第一志望、併願:盈進を第二志望以下)
・入試形式: 入試得点(英数国3教科×各150点=450点満点)+調査書(5教科×9教科×3年間=135点満点を÷2した68点満点)+各種検定による加点(最高90点まで)により決定
・合格決定の基準: 2022年度入試における、入試得点の合格最低点は450点満点中、専願193点(43%)、併願229点(51%)
入試の不合格者は特進・進学合わせて150名ほど出ているので、受験生のうち、6人に1人くらいの割合で不合格者が出ている計算になります。私立だからどうせ合格出来ると油断せず、きちんと過去問対策をしておく必要があります。盈進が第一志望である場合には、ちゃんと校長推薦が取れて、確実に合格できるように、普段から内申点を意識しておいた方が良いかと思います。
まとめ
ということで、本当に楽しい説明会だったので、いつも以上に写真を多用して、長々とご紹介をしてしまいました。
大学進学実績に関しては、例年国公立大学には30名前後合格者が出ているということで、全体で言うと進学率は10~15%くらいです。また、例年医療系を志望される生徒さんも多いのと、指定校推薦では関関同立、産近甲龍などもちゃんとあるそうです。
もともとの建学の精神が「実学の体得」ということで、集まる生徒さんたちも、そこまで大学進学や勉強を最優先に考えていなかったのかもしれません。そのため、学校の雰囲気や先生方の熱量の割には、進学実績は思ったより大人しいなと感じてしまいました。
しかし、現高2は中学入試で「特進コース」を新設して募集した学年とのことなので、再来年の大学進学実績は、ここから大きく上がる見込みであるとのお話でした。そうするとゆくゆくは人気校になる・・・かもしれません。
学校全体としては、部活動をメインで考えている生徒さんが多いような印象だったので、国公立大学進学も、部活動も両方しっかりと頑張りたいという生徒さんで、盈進を検討している人は、しっかりと学校の雰囲気を見ておくべきかと思います。また、尾道から盈進に通う場合だと、福山駅での電車の乗り換え・待ち時間を考えると、通学時間というのもきちんと考えないといけないでしょう。
ということで、過去3年間のうち、受験をした生徒は1人しかおりませんが、非常に楽しくレポートをさせていただきました。
中学生対象の説明会が10/15土に実施されるようなので、2学期中間試験の直前になってしまうとは思いますが、盈進に興味のある生徒さんは、ぜひ足を運んでみてください!
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