【ニュースで知ろう!】賛成・反対どちらも見る

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

木曜日から長江中の定期テストが始まりました。リスニングに苦戦した生徒さん、数学の因数分解で思いのほか時間をロスした生徒さん、社会で授業では触れていないけど教科書に書かれていた問題が出たと言っていた生徒さん、みなさんの感想は様々でした。

みなさんの努力が上手く結果に表れてくれることを願っています。

また、土曜日は10時から、日曜日・月曜日は14時から教室を開ける予定ですので、来週が中間テストのみなさんは、ラストスパート頑張りましょう!

さて、定期試験中ではありますが、試験が終わった後にでもぜひじっくりと考えてみてほしいことについて触れてみたいと思います。

森達也さんの本、みなさんは読みましたか?

以前のブログで、高校受験の題材にもよく選ばれる、森達也さんの本を紹介したことがあります。

この本を課題図書にして、全生徒さんに配っている塾もあるという話を聞いたことがあります。それだけ、内容が重い割に読みやすくて、生徒のみなさんにとって重要な情報が書かれているということです。

みなさんが普段目にしている情報というものは、誰かが選んで切り取った情報で、そこにはその情報を作った人の意図があります。私もこのブログには、決して載せないような情報もあります。それに、「生徒さんたちにこうなってほしい」や「こういう生徒さんに塾に来てほしい」という、「意図」があってブログに書く内容を選んでいます。(ツバメの話には、そんな意図はありませんが笑)

今回は、同じ情報であっても、書く人の意図によって、お話が全然変わってしまうことを紹介したいと思います。

男女格差ランキングに関して

世界経済フォーラムという団体が、毎年発表している、男女格差(ジェンダーギャップ)の2021年の国別ランキングが、今年も3月31日に発表されました。教育を受ける機会は男女平等か?、男女の産み分けや女性の出産リスクは抑えられているか?、男女で収入の格差があるか?、女性も社会進出しているか?などの基準を数値化し、ランキングにしたものです。

みなさんも道徳の授業などで色々と勉強したことがあるでしょう。また、「泣かないの!男の子なんだから」「女の子なんだからもっとおしとやかにできないの?」みたいなジェンダー(社会によって作られた男女差)にまつわることを言われて育った人もいるでしょう。

そんなみなさんは、男女格差をどれくらい感じているでしょうか?156か国中、日本はいったい何位でしょうか?

では、結果発表です。結果は・・・なんと!

世界経済フォーラムは3月31日、国別にジェンダーギャップ(男女格差)を分析した報告書「ジェンダーギャップ指数2021」を発表した。調査対象の156カ国のうち、日本は120位だった。前年の121位から順位を上げたものの、主要7カ国(G7)、東アジア・太平洋地域で最下位だった。

(中略)

日本は、教育(92位)と健康(65位)のスコアが比較的高い一方で、政治(147位)と経済(117位)のスコアが低い。さらに細かく見ると、識字率や初等教育、出生性比は世界1位だが、中等教育(129位)や高等教育(110位)になると100位以下に落ちる。

https://www.alterna.co.jp/36324/ より引用

ということで、意外に感じる人も、当然と感じる人もいるかもしれませんが、こちらのランキングでは、日本は先進国と呼ばれている国の中では、男女格差が圧倒的な最下位でした。

世界経済フォーラムの元データはこちらです。

https://jp.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2021

ちなみに、こちらのランキングで5位のスウェーデンから日本に来て、マンガを書いていらっしゃる方の記事を見つけました。もともと社会主義だった国であるスウェーデンでは、平等の意識が高いというのは、なるほどとうなづけるところもありました。きっと男女平等に関しても、国民全体で意識をして取り組んでいるんでしょう。

https://v-for-life.jp/asa/17/

スウェーデン人がこれほど公平性にこだわる理由は、多分、スウェーデンが長い間、社会民主主義国家だったからかもしれません。そのせいで、みんなが同じ価値観、みんなが平等という考え方が強くなったんじゃないかと思います。でも、お会計を1円まで割り勘にしたりとか、時々その主張がうるさすぎるかもしれませんね…。

北欧女子オーサのマンガ『ニッポン発見紀行』 THE VOLVO LIVE JOURNAL より

4位にランクインしたのはニュージーランド。こちらも現在首相は女性で、以前ブログでも紹介させてもらいました。

日本ではまだ過去に一度も女性の内閣総理大臣は誕生していません。国会議員の割合も10%ほど。国会議員が10人いれば、女性はその中に一人しかいない割合ということです。会社の管理職のポジションにいる女性も少ない。

このあたりの男女格差が、日本がランキングを下げた原因です。

このランキングにまつわる2つの記事

さて、このランキングを基にして書かれた2つの記事を紹介します。同じデータを見ながら作られた文章ですが、見事に対照的です。

『国際的「男尊女卑国」日本、世界とズレる大きな理由』

https://diamond.jp/articles/-/270380

 2月に森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元会長が辞任に追い込まれた女性蔑視発言、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」「組織委にも女性はいるが、わきまえている」を持ち出すまでもなく、じつは国際的には、日本はれっきとした「男尊女卑の国」なのだ。

 これはきわめて深刻に受け取るべき厳然たる事実なのだが、日本がかなりひどい女性差別の国だと自覚できる人は多くない。おそらく、とくに男性にはこのことをリアルに感じている人は、少ないのではないか。

(中略)

 女性差別だという実感がまるでないのは、そもそも「世間」自体が「身分制」という差別構造を持ち、女性差別がそのなかに見事に埋め込まれ隠蔽されるために、きわめて見えにくくなっているからだ。

佐藤直樹(九州工業大学名誉教授)『国際的「男尊女卑国」日本、世界とズレる大きな理由』 ダイヤモンドオンラインより

この記事では、日本は男女格差ランキングの順位が低いのに、日本国内には「それほど男女差別を感じない」と思っている人が多いことを指摘しています。そして、この筆者によると、日本には古い価値観である「世間」「身分制」が根強く残っており、女性は「前に出るとみっともない」というルールがある上に、「男性のすべてを理解してくれる存在(=母親)としての役割」も期待されている。これこそが男女差別であるが、日本人の多くがその差別に気づけていない、というのです。

正直、主観的な意見も多くて、私にとっては少し分かりにくかったのですが、主張としては「日本には、このランキングの通り男女差別がある」ということでした。

一方で、「このランキングで言われているほど、ランキング上位の国と比べて、男女の格差はあるのだろうか?」と疑問を呈している記事もありました。

『男女格差ランキング120位は本当? 「女性が差別される国」日本で男より女の幸福感が高い皮肉』

https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2021/04/120-4_1.php

日本の男女不平等の総合ランキングが156カ国中120位で、突出した男性優位社会(女性差別社会)という結果をマスコミ各社は大きく取り上げ、社説のテーマにした新聞もあった。

ただ、統計を専門とする私としては、奇妙に感じることがある。それは国連の専門機関の一つである国連開発計画(UNDP)が毎年刊行する人間開発報告書で作成されている「ジェンダー不平等指数」の結果はあまり報じられないのに、この世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」は公表されるたびに必ず報道され、話題となることだ。

これは「ジェンダーギャップ指数」のほうが日本の男女平等度のランキングがずっと低く(女性差別社会)、その分、目立っていて取り上げやすいからだろう。

(中略)

(日本は、)国連開発計画「人間開発報告書」の2020年版における「ジェンダー不平等指数」では24位(162カ国中)となっており、女性差別社会とは言えない結果になっている。

(中略)

そして、幸福度を測るなら、幸福かどうかを聞いた意識調査によるのが一番だと思っている。

(中略)

ここで主題としている男女差だが、女性の幸福度から男性の幸福度を引いた数字で追ってみると、1981年から1990年に6.5%ポイントから8.1%ポイントへと開いた後、2005年にかけて2.3%ポイントまで狭まったが、2010年には8.1%ポイントと再度広がっている。2019年にもほぼ同レベルの7.2%ポイントの開きとなっている。

日本においては女性のほうが男性より幸福感を感じやすい状況が続いているといえよう。

本川裕(統計探偵/統計データ分析家)『男女格差ランキング120位は本当? 「女性が差別される国」日本で男より女の幸福感が高い皮肉』 ニューズウィーク日本版より

この筆者は、別のランキング(政治分野・経済分野の値をそこまで重視しないランキング)を参考にすれば、決して日本が男女格差のある国とは言えなくなる、自分たちの都合で、わざわざ日本が低い結果になっているデータを使っているだけではないか、と述べています。

さらに、別の指標として、「幸福度」というものを参考にするべきではないか、とも述べています。幸福度について女性から男性を引いた値、すなわち「幸福度女性優位」のランキングを作ると、日本はフィンランドに次ぐ世界第2位なんだそうです。

では、そもそもなぜ男性よりも女性の方が幸福なのかに関して、筆者はこのように述べています。

日本ほどではないが、幸福度の女性優位は、韓国、台湾、香港といった東アジア諸国でも共通な場合が多い点を考え合わせると、相続や選挙権に関する制度的な男女平等が各国で戦後実現したこと、また現代ではかつての儒教道徳から女性がかなり解放されたのに対して、男性のほうは「男は一家の大黒柱」あるいは「男はか弱い女性を守らなければならない」といったような古い道徳観になお縛られていること、などがこうした結果の背景にあるのではないか。日本では男への期待感が潜在的に大きいだけに、当の男性としてはそれに応えられているかどうか微妙でなかなか幸福度を感じにくくなっている、というのが私の見方である。

本川裕(統計探偵/統計データ分析家) 男女格差ランキング120位は本当? 「女性が差別される国」日本で男より女の幸福感が高い皮肉

女性は戦後以降、制度的には男女平等が実現し、戦前の価値観からかなり解放されているのに対し、男性は未だ古い価値観に縛られているため、幸福感を感じにくいのではないか?という主張でした。

こちらの記事に関しては、「じゃあ日本の女性たちは、今が充分幸福なんだから、政治的な平等や経済的な平等は実現しなくてもいいのか?」というツッコミが出来ます。女性が社会進出をすれば、男性を縛っているという古い価値観の解消も進んで、男性も幸福を感じられるのではないでしょうか。そのように考えると、女性が男性よりも幸福を感じていることこそが、男女格差が大きい、女性よりも男性に対して期待が大きいという、格差社会を表しているのではないでしょうか?

ちなみに私個人としては、何かデータがある訳ではないので、主観になってしまいますが、日常生活の中では男女格差を強く感じることは、あまり多くはないけれど、政治家・大企業など、お金が集まるところでは、まだまだ「男性優位」なのではないかなと思っています。

色々な意見があることを理解しよう

ということで、大人向けに書かれた普通の記事を引用したので、中学生のみなさんには少し読みにくかったかもしれませんが、「男女格差ランキング」というデータを基にして、「男女差別がある!」という意見と、「このデータだけで男女差別を論じるのには無理がある」という意見、真逆の2つの意見を紹介しました。

前回の記事の内容とも少し重なりますが、今回の記事で言いたかったことは、世の中には色々な考えがあって、どれが正解というのは、ほとんどの場合ないんだよ、ということです。

「学校なんて無くてもいい」という意見も、「学校は無くてはならない!」という意見があります。「塾なんていらない」という意見も「塾は無くてはならない!」という意見もあるでしょう。

「コロナなんだから外出を控えるべき、命を守ろう!」という意見もあれば、「コロナだからこそ経済が弱っている。ちゃんと予防してどんどん外出しよう!」という意見もあります。このあたりも、どちらが正しいのかは後になってみないと分かりません。

芸能人や政治家、著名人が何か発言したことに対して、「不適切だ!今すぐ引退しろ!」と考える人もいるし、「差別だ!私の前に二度と姿を見せるな!」と考える人もいるし、「いや、そこまで言うほどではないかな」と考える人も、「その通り!よく言った!」と考える人もいます。

インターネットの世界は、自分の好きな情報だけを集められるので、どうしても情報が偏りがちです。間違った情報も過激な情報もたくさん転がっています。中学生のみなさんたちなら、自分の大好きなYouTuberが何か意見を言っていたら、それが正しいかどうかを調べないで、100%で信じてしまう人もたくさんいるでしょう。

そうやって、時には色々な意見に流されてしまうと思うけれど、そこで少し立ち止まって、色々なことを自分のアタマで考えて、自分とは違う意見の人の話も少しずつ聞いていきながら、「世の中には色々な考えがあるんだな。それを踏まえて、自分はこっちの意見かな。」という風に、自分で考えることを頑張ってほしいと思っています。

そうすれば、色々な人のことを理解出来て、みなさんの世界が広がると思います。ちょっと頑張れば世界とつながれる今の時代、世界が広がった方が絶対楽しいはず!(そのためには英語を頑張らないとね!)

ということで、定期試験真っ最中ではありますが、現在私の中で、色々なニュース、世の中の色々な情報をまとめることがマイブームなので、次回は、「男女格差ランキング」で156か国中最下位アフガニスタンで起こった事件について、少し皆さんにご紹介して、考えてみてもらいたいと思っています。

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