【入試情報】大学入試は推薦の時代、だからこそ学校の勉強をしっかりと!

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

10/22日, 23月はお休みですのでご注意ください!10/29日は第4回全県模試を実施します!

さて、今回お伝えしたい内容は「学校の勉強をしっかりと頑張る事がいかに大事か」ということです。こちらでは大学入試について話をしていきますが、ぜひ中学生の皆さんにも知っておいてほしい内容です。

みなさんは大学入試に関して、「一般入試よりも推薦入試が増えている」というお話はどこかで耳にしたことがあるでしょうか?

簡単に説明をしておきますと、高3の1月中旬以降に実施される学力テストで目標点にとって合格をするタイプの入試が「一般入試」です。こちらには基本的に学校の成績は全く必要ありません。とにかく入試で点数が取れるかどうかが合格基準である入試です。

それに対して、高3の8月~12月頃に実施される入試、つまり一般入試よりも数か月前に合否が決まるのが、いわゆる「推薦入試」です。もともと「推薦入試」「AO入試」などと呼ばれていたものが、今は「学校推薦型選抜」「総合型選抜」などと少し呼び名を変えています。こちらの入試は多種多様で、事前に書類選考が行われるものがあったり、学校の成績+面接だけのものもあれば、面接に加えて小論や英数の基礎学力を見るものだったり、それらに加えて共通テストの点数を加味するものまで様々です。

そして、今はこの推薦入試で合格を出して、その分一般入試での募集人員を減らす学校が増えているんですよね。

これはもうここ10年くらい、ずっと言われているような話かと思います。試しにネットで記事を探してみましたが、

一般入試の定員が5割に減る可能性も? 国公立大で進む選抜多様化(日経ビジネス)

偏差値時代終幕へ、大学一般入試なぜ減少?(日本経済新聞)

などなど、こんなものはごく一部で、探せば一般入試の定員がどんどん減少していることを紹介する記事が、いくらでも見つかります。

SNS上でも同様です。

早稲田が一般入試の枠を70%から40%に減らすと発表。

他にも、慶應や明治、立教など、日本トップクラスの大学が次々に、一般入試の枠を減らし、総合型選抜や学校型選抜の比重を高めると表明しています。

これ、教育大国アメリカでは最も一般的な入試なのですが、ペーパーテスト信仰の強い日本人は否定的ですね…。

X(旧Twitter)より引用

早稲田大学が一般入試で募集する人数を全体の70%から40%に減らす方針であるということです。早稲田大学と言えば、国内の私大の中では最高峰、入試問題も本当に難しいですが、その早稲田ですら一般募集を減らしていくというんですね。

一般募集を減らすにいたった経緯

さて、この部分に関してはここ7~8年の大学受験界隈のお話ですので、興味のない方は読み飛ばして、次の見出しのところから読んでください。

一般募集の減少が各大学で続いている背景にはいくつか理由があります。まずは2017年頃から実施されている「私立大学入学定員の厳格化」です。これにより、規模の大きい私立大学は入学定員の1.1倍までしか生徒を取ってはいけなくなりました。(こちらは現在、定員に関する条件を緩和しようという動きが政府にあるようですね。都市部の難関私大を検討している方は、しっかりと情報収集をしましょう。)

それまでは、例えば定員が80名である大学の学部があったとしても、実際は大学によっては合格者を800名ほど出していた時期があったんです。なぜそんなに合格者を出すのかというと、私立大学は1度に複数の大学・学部を受験することが可能なため、多くの受験生が重複して複数の大学に合格している状態になっており、実際のところは合格者を800名出しても、実際に進学する生徒は80名前後だったりしたんですよね。ただし、年度によっては集まりが悪くて、これが50名くらいにしかならないかもしれないし、入学自体した生徒が思ったより少なければ100名、200名と生徒を取らなければならなくなるかもしれません。

しかし、そうやって都市部にある私立大学がバンバン合格者を出してしまうと、地方の大学に人が集まらなくなり、地方から大学生がいなくなってしまう・・・という事態が発生します。そこで、私大入学定員の厳格化です。今回の場合であれば、88名以上入学者を出してしまうと、その大学は政府からの補助金をカットされてしまう訳です。

ではそうならないように、私立大学はどのような対策を取ったのかというと、大きく分けて2つです。

まず1つは「合格者を減らし、代わりに『補欠合格者』を多く出す」ようにしました。だから、「第一志望には補欠合格・・・だけどいくら待っても連絡が来ないから、第二志望の大学に入学金を納めて、引っ越し先の家も決めた。そんな3月末に突然、『繰り上がり合格』の連絡が・・・色々お金も払っちゃったし今更なんだよって感じだけど、・・・ずっと行きたい大学だったしどうしよう。」なんて状況が発生します。

そしてもう1つが、「どれくらい人が集まるのか不安定な一般入試の定員の数を減らし、推薦合格者を増やした」という訳です。この結果、都市部にある人気大学の難易度は一気に上がりました。今まで合格を出してくれていた生徒に合格を出さなくなった上、定員が減って倍率が上がったんです。

だから、「今って少子化で子供の数が減っているんだから、大学は入りやすくなってるよね?」と言われると、地方の大学はそうかもしれませんが、都市部の大学に関しては、むしろ難易度が上がっているとも言えます。昔よりも合格者を出さなくなっているし、一般入試の定員自体も減っているんですから、難易度が上がるのは当然です。 だから、保護者の方が昔の基準で「〇〇大学なんて、誰でも合格出来るよね?」と思っているのが当てはまらない可能性もあります。そのあたりは高校の先生が状況をしっかりと理解されているので、保護者の方のイメージに頼らずに、進路指導の面談で情報をもらってしっかりと受験校を検討するべきです。

では、推薦入試が増えている理由は、本当に「私大の入学定員の厳格化」だけなのか? 実際のところはわかりませんが、私はそれだけではないように思っています。

AO・推薦組が足を引っ張る、という考えはもう古い?

さて、こちらは某塾さんが早稲田・慶応の推薦入試に関して書いたブログ記事からの引用ですので、正確な情報の出どころはわかりませんが、少し興味深かったので紹介させてください。

早慶が推薦ばかりって本当?早慶の今後の推薦傾向も予想

受験生を始め、受験業界に衝撃が走るニュースが2015年12月にありました。早稲田大学創立150周年となる2032年までにAO入試や推薦入試で入学する学生を全体の6割まで増やすというものです。つまり、学力勝負の一般入試では4割の生徒しか入学できないことを意味します。この背景には、入学してからの成績が関係しており、AO入試で入った生徒の成績が良く、それに次いで推薦入試で入学した生徒の成績が良かったという結果になったそうです。

(中略)

推薦は早慶でも増加傾向にあり、利用できるのであれば推薦で入ってしまうのが効率的です。以前は推薦入試、AO入試が学力低下を招くと言われていましたが、本当にそうであれば早稲田が推薦を6割まで増やすという判断はしないでしょう。3年間コツコツと勉強を頑張り、内申点の数字がよく、早稲田などに指定校推薦の枠があれば利用しない手はありません。

https://fast-up.jp/blog/174 より引用

この内容の中で、注目すべきところは「入学してからの成績」に関して、「AO入試で入った生徒の成績が良く、それに次いで推薦入試で入学した生徒の成績が良かったという結果になった」という箇所です。これはかなりすごい情報です。

これ・・・本当にどこ情報なんだろう。早稲田大学内部にお知り合いの方がいるんだろうか。

世の中には推薦入試否定派の人がいて、その一部過激派の中には、「推薦入試で入学するやつは大した受験勉強をしておらず、そんな『根性無し』『逃げの姿勢』のやつは社会で成功しない。実際、企業もどの形式の入試で大学に入学したかを見ているから、推薦のやつは企業側の印象が悪い。」とおっしゃる方がいます。

私も大学入試は一般受験で、メンタルが壊れかけながら、血反吐をはく思いで受験勉強を頑張った側なので、自分が頑張った努力が報われてほしいと、どこかでこの意見に共感したい気持ちは少しあります。しかし、実際にはそうやって一般入試で学力によって合格を勝ち取った生徒よりも、推薦入試で合格した生徒の方が、大学では成績が良いと、上のブログでは紹介されていたんですよね。

これはどちらが正しいのでしょうか?

ここからは私の個人的な体験を踏まえた話になりますが、私は推薦合格組の方が大学での成績は良いと思っています。

私が大学時代に出会った人たちの中には、推薦で合格した生徒で優秀な人はたくさんいました。年間300冊も小説を読む理系の秀才も、大学の授業の単位は全てA(3段階の一番上)を取る超真面目な生徒も、教育実習で高校地理・高校日本史・高校世界史という全ての授業を行えるスーパー社会教師の卵も、全員推薦合格組でした。

この人たちは一般入試を受けていませんが、推薦で合格出来るということは、「高校の勉強が偏りなくしっかりと出来ている」ということと、「大学で何を勉強・研究したいかの目標が明確にある」という点は間違いありません。推薦で合格するためには高校1年生からしっかりと定期試験で結果を出して、良い成績をとっていなければ推薦資格がもらえませんし、面接で選ばれたということは、面接官がこの生徒を取りたいと思えるような強いアピールポイントがあったということです。

だから、推薦合格組は、「この大学で〇〇先生の授業をどうしても受けたかったからこの大学にした」と語る人が多い印象です。「三島由紀夫全集を持っていて、三島由紀夫について研究したかった」なんていう、割腹自殺をした昔の小説家を崇拝している後輩も、推薦合格組の1人でした。

そういえば、あの東京大学だって大学入試の後期試験を廃止して、推薦入試を始めていますからね。つまり、ペーパーテストの学力よりも、しっかりとした目標・ビジョンが大事ということですし、大学側も目先の学力よりも、そういうところを重視したいということでしょう。よくよく考えれば、就職試験だってペーパーテストよりも面接が多い訳ですから、推薦入試で面接対策をすることは、就職にも役立つはずです。

だから、私がいいたいことは「大学入試に関しては、推薦入試のことも視野に入れて、高校の勉強は高校に入学してすぐの1年生の段階からしっかりと頑張ってほしいし、自分が将来どんな大学でどんな研究をしたいのかを考え始めておいてほしい」ということです。そのために中学生のうちから出来ることは、しっかりと定期試験の勉強を頑張って、「定期テストで結果を出すための方法を体に染みこませておくこと」です。応用問題を解く力ももちろん大切ですが、その前段階である基礎基本が出来ていないと、いくら応用問題をやったところでなかなか身につかなかったり、その場限りになってしまったりしがちです。定期試験のことを軽く考えずに、しっかりと頑張るクセをつけておきましょうね。

ただし、推薦入試には色々と言われていることもあります。「留学経験のようにお金がかかることをやっていた生徒が、推薦で優遇されるなら、お金持ちに有利では?」といったような話です。確かにそういう経験が優遇される場合もあると思いますが、学校の活動の中にも、ディベート大会や、学校があっせんしているボランティアなどの課外活動や、数学オリンピック、生徒会活動、単位制総合学科で実施されている卒業研究などなど、探せば色々とアピールできるようなものがあるんですよね。

それに、一般入試が完全になくなる訳ではありませんから、推薦に使えるような魅力的なものをやれないということであれば、今まで通り勉強をしっかりと頑張ればいいだけです。

しっかりと自分のアタマで考えて、自分の将来をどうしていきたいのかを自分の意志で決められるようにしましょう!ということで、またすぐに期末テストに向けたテスト対策期間がやってきますので、準備をしっかりとやっていきましょう!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です