【ニュースで知ろう!】あれ?世界が終わりそう?
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
長江中のみなさんもテストお疲れ様でした!中1・中2の生徒さんは土曜日から英・国・社の授業、中3の生徒さんは火曜日から英・数・国の授業が再開されます。しっかりと宿題や小テストの勉強をして、約1か月後の期末試験に向けて、勉強のペースを維持していきましょう!
さて、みなさん、最近のニュースは観ていますでしょうか?
え?最近のニュースは〇ャニーズの記者会見のことばかりだって? そのニュースに関しては、興味のある人はずっと見ていても良いのですが、出来れば世界にも目を向けましょう。
ちなみに私は、平安時代の貴族社会について書かれたマンガ『応天の門』を読んでいるので、ジャ〇ーズ問題に関しては「9巻に登場するあの話の現代版か・・・」と妙に納得してしまっています。そういう話って、1000年以上前からあるんですね。
・・・これ以上は、仏教界とアイドル界を敵に回す可能性があるので止めておきます。
最近のニュースを見ていると、将来のことがかなり不安になります。私の将来のことではなく、日本の将来、世界の将来のことです。
もしかしたらガソリン代が更に値上がりして「令和の石油危機」が起こるかもしれないし、日本が戦争に巻き込まれてしまうかもしれないし、第3次世界大戦が始まってしまうかもしれない、今ってそんな危機的な状況になりつつあるのではないかと思っています。
台湾侵攻が起きる可能性が高まってきたので何がある場合に備えておくべきです。イスラエルで音楽フェスが襲われたように日常生活が突然やられます。奇襲は襲撃の基本。今回はアメリカが乗り出して極東の防衛が手薄になる場合がありますから現実感は持っておくべきでしょう
以下は用意について
— May_Roma めいろま 谷本真由美 (@May_Roma) October 10, 2023
「台湾に中国が軍事侵攻した場合に備えて、日本から国外へ逃げる準備をしておきましょう。」
元国連専門機関職員の方が、SNS上でこのようにおっしゃるくらいですから、ただ事ではないということです。
2010年代は、「今の時代にテロはあっても戦争なんていう国家間の争いごとは起こらない」なんてことが言われていましたが、実際にロシアのウクライナ侵攻、そして今のイスラエルの状況があります。その上、イスラエルに米軍がかけつけて東アジアが手薄になれば、中国が台湾に軍事侵攻して日本も巻き添えに?・・・そんな可能性もあるようです。
私もこのブログを書きながら、色々と勉強をしている最中ですが、今回はイスラエルで起きていることを中心に話してみたいと思います。
まずはパレスチナ問題を整理しよう
中3社会で近現代の歴史を学習した皆さん、「パレスチナ問題」と言われて、いったいどういう問題なのか、きちんと答えられますか? 高校生の公民を学習した皆さん、世界史を仕上げた皆さんもきちんと答えられますか?
ということで、高校生時代は世界史が大の苦手だった私が、簡単に解説してみたいと思います。
(可能な限り中立な立場で話をするつもりですが、知識不足が故に適切でない表現を使ってしまうかもしれません。特定の立場の人を貶める意図はありませんが、気になる表現があれば、ご指摘を頂けると助かります。)
みなさんは、「エルサレム」という都市の名前を聞いて何か思い浮かびますか?
どうでしょうか?
「イスラエルという国の首都」と答える人もいるでしょうし、「イエスが処刑された場所」、「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地でもあり、十字軍の派遣先だった場所」などと答えてくれる人は、中学生にしてはかなり詳しいですね!
このエルサレムという都市の周辺の地域を「パレスチナ」と呼びます。
そうです。これから話そうとしている、あの「パレスチナ」です。
このエルサレムという都市、およびその周辺のパレスチナという地域は、16世紀(日本は戦国時代)から20世紀の始め頃まで、ずっとオスマン帝国の領土であり、イスラム教の地域でした。ですが、20世紀に入り、この地域にどうしても国を作りたいという、ある民族が現れます。
それが「ユダヤ人」です。
かつてこのパレスチナに住んでいたものの、ヨーロッパ各地にバラバラになってしまった民族がユダヤ人です。この人たちは各地で差別・迫害を受けています。ロシアや東欧では「ポグロム」と呼ばれるユダヤ人の虐殺が横行し、フランスではユダヤ人の軍人が無実の罪で投獄される「ドレフュス事件」が起こりました。
その結果、ユダヤ人の人たちは、「パレスチナにユダヤ人の国を建国しよう!」という運動(シオニズム運動)を起こすようになります。
そんなユダヤ人の気持ちを利用したのがイギリスです。というか、このパレスチナ問題の発端こそがイギリスです。
イギリスは第一次世界大戦を有利に進めるために、色々な国と都合の良い約束をしていきます。
既にパレスチナに住んでいたアラブ人に対しては、「イギリスの味方をして、(ドイツの同盟国である)トルコに攻撃をしてくれればパレスチナがアラブ人のものだと認めるよ」と言います(フサイン・マクマホン協定)。パレスチナにユダヤ人の国を建てたいユダヤ人に対しては、「資金を援助してくれればユダヤ人国家の建設を後押しするよ」行ってしまいます(バルフォア宣言)。ユダヤ人と聞くと、「ヒトラーによって虐殺された民族」というイメージが強い人も多いと思うのですが、特にアメリカではユダヤ系の人たちに大富豪が多いんですよね。(参考) そしてだからこそ、そのユダヤ人の持っているお金や権力を利用したい人も多くいるため、欧米にはユダヤ人の味方になってくれる人が多いんです。
ここまでが第一次世界大戦頃までのお話です。
そして、1930年代に入ると、ドイツでナチスによるユダヤ人の迫害が起きてしまったことも後押しとなり、パレスチナに一気にユダヤ人がなだれ込みました。お金を払って次々に土地を買い取り、居住地域を広げていった結果、当然のように、元々住んでいたアラブ人との間で衝突が起きるようになります。しかし、イギリスはそんなアラブ人とユダヤ人の対立を放置・・・なんてこった。
さらに、国連においてアメリカの後ろ盾を得たユダヤ人たちは、もともと住んでいたアラブ人たちを荒れ地に追いやってしまい、1948年に、このパレスチナでイスラエル共和国の建国を宣言することになります。
ここから、ユダヤ人とアラブ人の長い長い争いの歴史が始まります。詳しくは「中東戦争」で調べてみても良いと思います。住む場所・国を追われた多くのパレスチナ難民が生まれ、オンボロなテント暮らしをせざるを得なくなります。本来難民とされている人々は国連が保護をしていくものですが、イスラエルの反対もあって、国連は十分な保護をしたとは言いづらい状況です。
1973年に起き、日本の高度経済成長が止まる原因にもなった石油危機。あれの原因は第4次中東戦争、つまりこの地域で起きた4回目の戦争でしたね。中東の産油国が、イスラエルの味方をする国には石油を輸出しないという方針を決めた結果、世界経済が大混乱しました。(ちなみに、この動きに対抗して、先進国は先進国で団結しようということで開かれるようになった会議が、「サミット(先進国首脳会議)」ですね。今年の5月に広島で開催されたあれです。)
そして、現在に至るまでこのイスラエルという国では争いが絶えません。アラブ人が爆弾を体に巻き付けてイスラエルで自爆テロを起こして大勢の一般人が犠牲になれば、イスラエルの軍隊がパレスチナのアラブ人居住区を空爆して、こちらでも大勢の人が亡くなる、といった形で紛争が続いています。
アラブ人たちの中でも対立があります。イスラエルの存在を認め、その上で共存を図っていこうとするのがパレスチナ解放機構(PLO)です。それに対し、イスラエルの存在自体も認めないという強硬派が「ハマス」と言われるグループです。
私の説明だと分かりにくい人、もっと詳しくて正確な内容が知りたい人は、こちらのサイトを見てみてください。
今、何が起きているのか?
さて、ここからはつい最近のお話です。NHK国際ニュースというページの
イスラエルにイスラム組織「ハマス」が大規模攻撃 何が起きた?
という記事と、BBCニュースの
と、そのほか最近のニュース記事を参考に話してみたいと思います。
10/7の朝、ここ2年程目立った活動の無かったイスラム過激派の「ハマス」が、活動拠点のガザ地区から2000発以上のミサイルをイスラエルに向けて発射。ガザ地区とイスラエルの境界にある検問所を突破し、イスラエル側の兵士・住民を殺害、あるいは人質として拉致するといった行動を開始しました。
イスラエルの首相はただちに「これは戦争状態だ」と発言し、ガザ地区への空爆を開始。1週間ほどで双方合わせて3000人以上の死者が出ている状況です。
ハマス側は非戦闘員である女性や子ども、お年寄を非人道的な方法で暴行・殺害している映像があるようです。
一方でイスラエル側は、ガザ地区の電気・水道の供給を止めて無差別爆撃。当然こちらにも非戦闘員がいて大勢の死者が出ています。今後、イスラエル軍は「ハマス抹殺」を掲げて、地上戦を行うようです。更に大勢の死傷者が出るのは間違いありません。
とにかくSNS上には、少し探せばショッキングな動画がいくらでも見つかります。ウクライナ紛争もそうですが、映画やアニメではなく、生きている人が実際に殺される映像が誰でも簡単に見られます。ですが、興味本位で動画を探して見てしまうと、それは皆さんの心の大きな負担になります。興味がある人もいるかもしれませんが、どうかこういった動画からは距離をとってください。そして、嫌がっている友達に見せるような行為もやめてください。
そして、この事件はイスラエルだけにとどまらないようです。中国ではイスラエルの大使館職員が、大使館前で何者かに刃物で襲われました。フランスの学校では、イスラム教のお経を唱える暴漢によって教師が殺されました。ハマスの行動に指摘を受けた人が、各国で乱暴な行為を起こし始めています。
これに過剰に反応した人が、何もしていないイスラム教の人々を差別したり、突然襲うような行為も起こるのではないかと思います。
また、この事件の裏には、ハマスに武器を提供した可能性のある国として、イランやカタール、もしかしたらロシアが関係しているかも・・・などと言われています。実際に証拠が見つかってそういった話が事実だったと明るみに出れば、「イスラエルとイスラエルを支持する欧米の各国 VS ハマスとハマスを支持する国々」の間で世界大戦が起こるかもしれません。
日本は関係ないのかと言われれば、そんなことは全くありません。原油の9割を中東から輸入している日本としては、明確にイスラエル側を支持してしまえば、中東から石油を輸入できなくなるかもしれません。つまり、上でも書いたように令和の石油危機の可能性だってあります。では、ハマス側にたってしまうと、今度は欧米各国との関係が悪化してしまいます。だから、政府が明確にどちらの立場に立つと言うのは難しいような気がしています。
また、2004年のイラク戦争のように、非戦闘地域とはいえ、それらの地域に自衛隊を派遣することも考えられますし、そうなれば自衛隊の方々が紛争に巻き込まれるかもしれません。また、日本に駐留する米軍がイスラエルへ行ってしまえば、手薄になった東アジアで中国や北朝鮮が軍事的な行動に出るかもしれません。
とにかく、世界がとんでもないことになりそう・・・ということをぜひ知っておいてほしいです。
戦争に果たして正義はあるのか・・・
これは、野蛮で非人道的な行為を行う組織、ハマスによってガザに誘拐された子どもや赤ちゃんです。
これに加え、先週の土曜日には40人もの赤ちゃんが彼らに殺害されています。
今こそイスラエルをサポートし、歴史の正しい側に立つ時です。
事実を無視せず、直視しましょう。 pic.twitter.com/s1v16e6vqG
— イスラエル大使館 Israel in Japan (@IsraelinJapan) October 11, 2023
イスラエル大使館からは、このようなメッセージが発信されています。
この投稿の中の「歴史の正しい側」という表現について、みなさんはどう思いますか?
先に壁を破って攻撃してきたのはハマスの方だから当然正義はイスラエルの方にある!・・・と言うけれど、もともとパレスチナ人の住む場所を奪い、端へ追いやり、壁を作って隔離したのはイスラエルではないのだろうか?
罪のない一般市民を虐殺していて、人道的にハマスが悪いから、当然正義はイスラエルの方にある!・・・と言うけれど、ガザ地区の電気水道を止めて無差別爆撃を行うことは人道的? イスラエルの首相はハマスを一人残らず抹殺すると宣言していて、もう間もなく地上戦が行われと言われているけれど、それって「民族虐殺」ではないの? それとも、「テロに対する報復」だから当然許される行為?
と、ハマス側にたって反論もいくつかしてみましたが、ここで言いたいのは「どちらも正義とは言えないのではないだろうか?」ということです。
今回の問題に限らず、みなさんがAかBか、どちらか一方を支持して、もう一方を非難する場合も出てくるでしょうが、必ず相手にも言い分があります。それを問答無用で握りつぶすのか、相手の言い分も認めて歩み寄るのか、どちらの行動をするべきなのかは皆さん次第です。だから、ただ周りに流されるだけでなく、しっかりと考えないといけませんね。
私はイスラム圏のマレーシア/サウジ/バングラ/パキスタンの人と常に仕事をしていますが、彼らの殆どが「ハマス良くやった!」と称賛しています。この反応も過去のイスラエルの所業を見れば当然です。また「ハマスのやり方は国際社会の同情を得られない」と叫ぶ人は、イスラム圏の基本を理解していません…
— ちゃん社長 (@Malaysiachansan) October 9, 2023
こちらは、イスラム教の国であるマレーシアで、会社を経営されている日本人の方の投稿ですが、イスラム圏の国の多くは、今回のハマスの行動を「良くやった!イスラエルは当然の報いを受けた!」と考えているようです。あんなむごいことをしていてどうして・・・と、この考え方が理解出来ない人もたくさんいるでしょう。
けれど、「異文化理解」「国際理解」というのは、そういった分からないものを排除するのではなく、歩み寄っていくこと、完全な理解は出来なくても少なくとも相手のことを知ろうとすることなのだろうと思います。
暴力で世の中が動いた事例は、今までにいくらでもあります。
元首相が銃殺されるという衝撃的な事件によって、信者からお金を巻き上げて韓国へ送金していたカルト団体が解散させられます。また、歴史的に見ても、「革命」と名のつくものはほとんどが暴力です。残念なことですが、今回の事件によって、世の中はまた大きく動くはずです。
私もまだまだ知らないことはたくさんありますが、これから世界がどうなってしまうのか、ぜひ皆さんの関心を世界にも向けてみてください。