【読書レビュー】ずいの・系山冏『税金で買った本』

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

日比崎・高西・向東・久保の皆さんはテストお疲れ様でした!

向島の生徒さんは水曜日からテストで、明日までですね。頑張りましょう!長江の皆さんも明日から!悔いの残らないように、水曜日もしっかりと勉強しましょう!

栗原の生徒さんはあと10日!他の中学校とは日程がずれていますが、週末も教室を開けるので頑張りましょう!

さて、テスト中ではありますが本日は久しぶりの読書レビューです。こちらも教室に置いてあるマンガです。

ずいの・系山冏『税金で買った本』

小学生ぶりに図書館を訪れたヤンキー石平くん。10年前に借りた本を失くしていたことをきっかけに、あれよあれよとアルバイトすることに! 借りた本を破ってしまった時は? 難しい漢字の読み方を調べたい時は? ルールに厳しくも図書を愛してやまない仲間と贈る、読むと図書館に行きたくなる図書館お仕事漫画、誕生です!

https://magazine.yanmaga.jp/c/zeikindekattahon/

主人公はヤンキー高校生の石平(いしだいら)くんです。(もしかして、名前の元ネタは作家の石田衣良さん??)

ある日、石平くんが本を借りようと図書館に行ったところ、10年前、小学生の頃に石平くんが借りた本が、返却されていなかったため、見つけて返すか弁償するまでは新たな貸し出しをお断りされてしまいます。

それがきっかけとなって、石平君は、知りたいことを知ろうと図書館に通った幼い頃のことを思い出し、無事に本の弁償に成功します。そして、なんやかんやあって、本屋でアルバイトとして働くことになります。そこからは、クセのある図書館員の方や本の利用者が登場しながら、図書館の苦労話、あるある話などが展開されていきます。

私は、最近はなかなか図書館を利用する機会がないのですが、本を借りたり、DVDを観たり、勉強をしたり、紙芝居の読み聞かせや人形劇などがあったりすることは知っています。この作品は、そんなぼんやりとした知識しかない私でも、図書館職員の大変さや魅力を教えてくれる楽しいマンガでした。

図書館の本を無くしてしまった場合の、弁償の仕組についてと弁償をした後に本が見つかった場合のお話を読めば、本を無くしてしまうと、図書館で働く方々は、色々色々な事務手続きを普段の業務に加えて大変なことが分かります。当然といえば当然の話ですが、借りたものは無くさないように、貸出期限をオーバーしないように。

また、要らなくなった本や、ある人が多くの人に読んでほしいと思っている本が、図書館に寄贈される場合があるということが、お話しを読んでいて分かったのですが、必ずしもそれは図書館職員の方々にとっては嬉しいことではないようです。図書館に置いておける本には限りがあり、せっかく寄贈されても置けない本が多いようです。寄贈したい本があれば、いきなり持って行くのではなくて、事前に電話などで確認をすることが必要でしょう。

また、無料で誰でも利用できる公共サービスだからこそ、マナーの悪い人も一定数いるようです。原作者のずいのさんは元図書館職員ということなので、フィクションであると言っても、実体験を元にして作られたキャラクターもたくさんいると思います。

マナーの悪い人であっても、普通のお店とは違って、その人を出入り禁止には出来ないようなので、図書館職員は大変そうです。借りた本を返さずに平然としている人、本を汚して返す人、著作権的にアウトなのに本を写メする人、図書館に来てスマホなど色々なものを充電していく人、自分の知識をひけらかすために職員を捕まえてずーっとおしゃべりしちゃう人、特定の職員につきまとう人などなど、作中には色々な問題を抱えている人が登場しました。

図書館で本を借りるという行為は、見ず知らずの他人と、ものを共有する経験です。自分が何ページまで読んだのかが分かるようにページに印を書き込んだり、本の端を折ったり破いたりする人もいるらしいのですが、それは次に使う人のことが考えられていない行為なので、改めるべきでしょうね。

マナー違反をする人の中には、家庭で抱えたトラブルが原因で、そのような問題行動を起こす人もいるようです。だから、この漫画を読んでいると、私の頭の中には「福祉」という言葉がちらつきます。一般社会には溶け込みにくい人、作中の言葉を借りれば「弱い人間」と呼ばれる人も、図書館を利用しています。そういう人たちは、もしかしたら裕福ではないのかもしれない。家庭に居場所がないからこその避難場所が、図書館なのかもしれない。他のコミュニティーには上手くなじめずに、最後の最後に図書館に行きついたのかもしれない。とにかく色々な人がいて、色々な人間模様が展開されている場所が図書館なのだと思いました。

他にも、図書館には恋愛のテクニックの本もある!というお話や、図書館にマンガが置かれない理由の話、紙芝居の読み聞かせにまつわる話などなど、色々なエピソードがあります。マンガが気になった方は、教室から貸し出すことも可能なので、マナーを守って、読んでみてください!

マイルドヤンキー石平くんと、個性豊かな登場人物と一緒に図書館について、知らなかったことを知り、図書館をもっと身近な存在にしていきましょう!

自分が興味のない本にも出会える場所

さて、すでに長くなってしまっていますが、もう少しだけ、私が図書館を利用した経験を話してみようと思います。

私が尾道市立図書館を初めてちゃんと利用したのは、高校入学前の中3の春休みに、高校から出された宿題をやるためでした。朝から図書館に行き、昼は近くの食堂などでご飯を食べ、勉強に飽きたら図書館の本を読むという日々だったのですが、ある日ふと手に取った本が、「パリ人肉事件」の本でした。日本人留学生がフランスに留学していたときに、友達を殺して食べたという、信じられない様な事件に関するルポルタージュで、何を思ったかその本を手に取ってしまったんですよね・・・。

本の中には殺された人の遺体の写真がモザイクも無しに載っていて、ものすごくショックだったのを覚えています。詳しく描写することは省きますが、とにかく気持ち悪くて、その日はご飯が食べられなくなりました。

図書館というものは、自分が本当に読みたい本というのがピンポイントであることは少ないかもしれないのですが、私のように、読むつもりがない本を何となく手にとったことによる「衝撃的な出会い」があります。

実際、こうやって約20年経っても遺体の顔の画像が頭の中に残っているので・・・。

私の出会いが良いものか悪いものかはおいておいて、知らない世界と繋がれる機会を与えてくれるのも、図書館の魅力だと思います。買うつもりがない本とも出会えるという意味では、普通の本屋さんとは少し違います。生徒さんたちには、塾にある本と良い出会いをしてほしいですね。

また、これは以前にもブログで紹介しましたが、オーストラリアの図書館というのは私にとっては衝撃的でした。

調べたいことを調べながら、勉強をするための場所にかなり大きなスペースが割かれていて、「大人が勉強するための場所」という感じで、こういう図書館がある街っていいな~となりました。私たちも、生徒さんたちに勉強に興味を持ってもらえるように、授業の内容と身近ものを結び付けられるように、しっかりと勉強し続けようと思います。

ということで、塾のテスト対策期間はもう少し続きます。早めにテストが終わった人は、テストの見直し、受験勉強、マンガを読む、・・・目的は何でもよいので、よければ塾を使ってください。本日もお待ちしています!

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