【雑談】フィンランドの教育が失敗?

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

教室は毎日開いております。頑張りましょう!

さて、本日は教育に関する雑談です。どちらかというと皆さんにお伝えするためというよりは、自分が考えたことを整理するために書き出しているようなものなので、つまらない話かもしれません・・・。というか、長いです。苦笑

よろしければ、お付き合いください。

先日、私にとっては興味深い記事が紹介されました。

“フィンランド教育は失敗だった”、とフィンランド政府が公式に認めました

こちらは、X(旧Twitter)にて、人々が抱いている北欧の良いイメージに対して、「そんなに良いもんじゃないぞ!」という投稿をされている、「北欧の理想と現実」さん(これが本当にお名前??)が、noteというアプリを使って書かれた記事です。

こちらについて少し考えてみたいと思います。

フィンランドや北欧ってこんなところ。

みなさんは北欧の国(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)と言われると、どんなことを想像しますか? ノーベル賞の授賞式があるところ、オーロラが見られるところ、炭素税を導入しているところ、キシリトール!、サーモン!、めちゃくちゃ寒いところ、全然知らないですどこそれ?美味しいの?・・・などなど、色々なご意見があるかと思います。

学校の授業で勉強した人、ニュースなどで見聞きしたことは「福祉国家」という印象も持たれるのではないでしょうか?

消費税が25%と非常に高い代わりに、公教育費や医療費などの公共サービスがタダになるんですよね。男女平等が実現されていたり、幸福度が高い国としても有名です。

ジェンダーギャップ指数という、男女平等に関する数値をランキング化したものだと、日本は146か国中116位、フィンランドは2位です。(参考:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2022/202208/202208_07.html

世界幸福度ランキングでは、日本が137か国中で47位で、先進国の中では最低クラス、フィンランドは1位です。(参考:https://eleminist.com/article/2778)

とにかく、このデータを見れば北欧といえば男女平等の最先端で、幸福度の非常に高い国だということです。

フィンランドの教育はすごいことで有名

そして、フィンランドと言えば教育水準が高いということでも有名です。

何がすごいのか・・・Chat GPTさんに聞いてみました!

(真偽の判定は慎重に行わなければいけないけれど、ちょっとした調べものにはChat GPTは本当に便利!)

大学院卒業まで授業料は無料だし、それだけでなく給食費も無料。だから、どんなに貧しくても、平等にきちんとした教育を受けられる。

学校の先生になるためには、修士課程(大学で6年間勉強)、博士課程(大学で9年間勉強)まで進まないと先生になれないようなプログラムが組まれており、教員の質が高く待遇も非常に良い。

生徒たちに詰め込み教育をするのではなく、自主性や創造性を育てるような教育をしている。

学校の日数は短く、宿題もあまり多くないため、生徒のストレスを軽減している。

1~4は、私が別のサイトで調べたことも踏まえて補足をすると、だいたいこんな感じでしょうか? これだけ聞くとすごいですよね。今の日本では、学校の先生になるためには、大学生の4年間のうちに教職関係の授業をとって、教員採用試験に合格すればなれます。それ以外には、専修免許と呼ばれる、大学院でさらに2年間勉強をして先生になった人もいます。いずれにしても、フィンランドほど長い時間はかけずに先生になれます。

それでも日本では学校の先生は足りていません。教員採用試験に合格出来なかった人や教員免許を取るだけとったけど既に失効している人を非常勤として採用したり、1人の先生がいくつかの学校の掛け持ちをしたり、・・・それでも先生が足りずに、一部の学校では先生がいないためにほぼ自習状態になってしまったりしていますよね?

採用試験の倍率も、2倍を下回っている地方公共団体も増えて来て、大学の授業を受けて単位を取りさえすれば、先生になりたいと言えばほぼなれるような状況になりつつあります。

【ニュースで知ろう!】学校の先生不足問題

1年半前にこちらの記事で紹介したような状態がずーっと続いているんですよね。ここまでみてみると、フィンランドの先生たち・教育システムの方が、日本の先生たち・教育システムよりも質が良さそうに思えます。

だから、フィンランドの教育はすごい!理想的だ!となります。

5番目の項目は少し分かりにくかったので、追加でChat GPT大先生に再度質問をしてみました。

生徒をテストだけでなく、口頭試験なども使って教科ごとに評価、教員・カリキュラム・学校に関しても定期的に評価を行い、質の向上を目指している、ということでしょうか。

・・・これだけ聞くと、日本の学校でもそれに似ているものは行っている気がするのはどうなんでしょう? 生徒の口頭試験というものはあまり行われていないでしょうか。教員の免許は一時期は更新制になっていましたが、昨年廃止されました。今はオンライン研修やレポート提出をすることで先生の質を維持しようとしていますが、これはフィンランドの教員の評価というものとどのくらい違うのでしょう。学習指導要領の見直しは昔から5~10年くらいの周期で行われていますよね。

・・・さらに聞いてみました。

この回答を見ると日本の教育評価は昔から同じもの、どの生徒にも同じ基準で評価をする。フィンランドの方が、個々の生徒のことを見ながら、より細かく評価をしていくということでしょうか。これだけ聞くと、本当に理想的な国に思えますね。

実は上手く行っていない(?)、フィンランド教育

ただ、今回冒頭で紹介したリンク先に行ってみると、フィンランドの教育がうまくいっていないと、なんとフィンランド政府が発表したというんです。

・PISAという学力調査で1位をとったのは2000年代の半ばの数回だけ。そもそも一位をとった段階では、シンガポールや中国などの教育水準の高い国が参加していなかった。

・教育水準が高かったのは1990年代まででそれ以降は上手くいっていないと政府が公式に認めた

・学力低下が深刻で、分数の計算が出来る中学生が2割、パーセント(百分率)の計算が出来る高校生が3分の1

・学校が荒れまくっていて、学校の先生の性犯罪、問題のある生徒を注意した先生に罰金を科す制度、生徒による爆破予告や銃乱射などの問題がある

ざっと拾っただけですが、このような話が書かれていました。これにはかなり驚きましたね。

授業日数が少ないことが、学校への帰属意識の低下につながったり、学校の無い日に不良がつるんで、問題行動を行うことにつながっているのでしょうか。教員・カリキュラム・学校を評価する制度によって、生徒を甘やかせるような方向へと教育が進んでいって、子供たちを成長させることが出来なかったのでしょうか。

詳しいことはわかりませんが、調べて見ると確かにフィンランドは教育に関して、あまりうまくいっていないように思えます。

フィンランドではICT教育が進んでいて、生徒1人1人に合わせた学習が行えている、日本よりも10年先を行っているという内容の記事で、こちらを拝見すると、ものすごい教育が行われていると感じます。

ですが一方で、タブレット学習ばかりしていて、ノートに鉛筆で書く練習をしないと、書くという行為を通して手指から脳に送られるはずの刺激が送られず、脳の発達に遅れが出てしまうという話を大学入試に出題された英文で読んだこともあります。

(私が見た英文ではありませんが、参考:https://studyhacker.net/handwriting-vs-digital

内容を確認する限り、決しておかしなことをやっているようには思えないのですが、成果が上げられていない原因は何なのでしょう。

この問題に対して、恥ずかしながら、私には詳しい知識が足りませんので、明確に「こうだ!」と答えることは出来ないのですが、いくつか考えるアイデアを提示することは出来るかもしれません。ということで少しだけ考えてみたいと思います。(本当にまとまっていませんので、読みにくかったらごめんなさい!)

・そもそも学力調査が時代遅れなのでは?

フィンランドの教育がすごいともてはやされているにも関わらず、学力調査の結果はあまり良くないという話を上でさせてもらいましたが、もしかしたら学力調査自体が、フィンランドの教育についてきちんと計る指標として、不十分なのかもしれません。

割合の計算が出来なくても、電卓を使ったり、AI機能を使って質問をすれば、すぐに答えは分かります。それが出来るかどうかは、果たして本当に重要なことでしょうか?

何か新しいものを創造したり、問題を発見してそれを解決したり、物事に対して批判的に考えてみたり、そういった能力はなかなかペーパーテストで数値化出来るものではありません。フィンランドの教育が、生徒たちのそういった能力を伸ばすための教育を行っていたのなら、現時点では目に見えるような数値化が出来なかったとしても、これから10年先、20年先、もしかしたら30年先に、今のフィンランド教育を受けた子供たちの中から、素晴らしいことを成し遂げる人が表れる可能性もあるのではないでしょうか?

・小学校~高校までは「基礎学力」を重視するべきでは?

問題解決能力・批判的思考力などを養う教育はもちろん大人になったときには、必要な能力ですが、それをいつから勉強し始めなければいけないんでしょうか?

そもそも、問題を解決するにしても、何か物事を批判的に考えるとしても、そのための知識の土台が無ければ、深い考えをすることは難しいです。だからこそ、フィンランドのように早い段階から、そういった能力を育てることを目指すのではなく、まずは従来通りの基礎学力を叩きこむ勉強を重視した方が良いのかもしれません。

以前、とある有名中高一貫校の生徒さんが、学校の取り組みについて「自分には合わない」と言っていました。学校にペーパーテストがほぼ無く、レポートを作ってプレゼンをして、それを成績することも多い、先進的な取り組みをしている学校ですが、「覚える勉強を学校が全くしてくれないからどんどん自分がバカになっている気がする・・・」と生徒さんがおっしゃっていたのが印象的でした。

もしかしたら、フィンランドの教育も同じような状態なのかもしれません。では、どちらがいいのか・・・それはその子が大人になってみないと分からないかもしれませんね。

・やはり、「時間」が大事なのでは?

上でChat GPTに答えてもらったフィンランド教育の特徴について、少し気になったのが「短い教育日程」という項目です。生徒のストレスを減らすためには、授業時間を減らすことは確かに有効だとは思うのですが、その減ってしまった勉強時間が、そのまま勉強に充てられなくなったとすれば、学力低下は避けられないのではないかと思います。

もしかしたら、勉強時間が減ってしまったことが、かえって勉強嫌いを増やしているかもしれません。

先日、生徒さんにかけている声掛けの一部として紹介しましたが、「みんな好きなことって、長時間出来るじゃん? だけどあれって、もしかしたら逆かもしれないんだよね。好きだから長時間出来るんじゃなくて、長時間やってきたから好きになることって、かなりあるんだよ。だから、勉強なんてしたくない!手を抜いてちゃっちゃと終わらせたいって思うかもしれないけど、一回だまされたと思って、思いっきり勉強時間を増やしてごらんよ。そうやって、かけた時間が増えれば増えるほど、あれ?勉強って意外と面白いかもって思えたりするんだよ。頑張ろうね!」。と話したこの内容、本当にそうだと思うんですよね。

フィンランド教育が復興するカギは、勉強時間を増やせるかにあるのではないかと思っています。その分、子供たちのストレスは増大してしまうかもしれませんが・・・。

・家庭環境や習い事など、学校が全てではない

子どもの成長に関して、学校が100%責任を負っているわけではありません。家庭環境、友人関係、本人の捉え方や感じ方など、色々な要素が複雑に絡み合って、1人1人の人格が形成されていきます。学力だってその一部です。

だから、一見すると素晴らしい取り組みに見えるフィンランドの教育、中でも学校教育について、学力が上がらなかったり、子供たちの問題行動が度々起こったりする背景に何があるのかは、社会全体・国全体の抱える問題と合わせて考えなければならないかもしれません。

・一見すると良いものにも裏はある

世の中に100%の正解なんていうものはそうそうありません。

良いと思われているものにも裏はあります。ものすごく教え方が上手い先生や、ものすごく好感度の高い芸能人や、国民から厚い信頼を得ている政治家の方が、全員が全員、性格も含めて人間的にカンペキかと言われれば、裏の顔やだらしない部分を見せないようにしている場合も大いにあるでしょう。みんなが大絶賛しているドラマやアニメや小説だって、合わない人、嫌いな人はいます。

もしかしたら、「あの国は教育水準が高くて、日本は遅れている」という意見だって、一部の富裕層向けの学校を見ているからそのように見えるだけで、全体を見るとまともな教育が行われいないような国だってあるのではないかと思います。「日本の教育は、古くて時代遅れで個性を潰す教育」という意見だって、日本の犯罪率の低さを考えると、集団の和を重んじる日本の教育が良い方向に作用している、なんていうこともあるのではないかと思います。

以前もどこかで書いたと思いますが、私は以前ヨーロッパを旅行した際に、素晴らしいと言われている国だって、決して良いところばかりではないと思えるような事例をいくつも見てきました。

キリスト教系の国は、日曜日はお休みなので、ほとんどのお店が開いていなくて、日本に比べてものすごく不便です。

清掃員やフードトラックの販売員、お土産を売る露店の店員のような特定の職業は、特定の人種・民族の人ばかりがやっているように見えました。差別に対して、欧米はものすごく敏感ですが、実際のところは「人種の壁」のようなものが存在している気がします。

我々から見ると、見た目がカッコイイと思えるヨーロッパ系の人々ですが、お年寄の中には、ものすごい肥満で腕に装着した松葉づえのような杖をつかないと歩けないくらい太っている人が結構いました。高齢者の肥満の割合は、日本よりも多かったように思います。

「欧米はレストランは全席禁煙で、その点で日本は遅れている!」という意見を耳にしますが、欧米は(もちろん、州や国によって違いはあるでしょうが)日本ではマナー違反とされる、歩きタバコやポイ捨てが平然と行われていたのを目にしました。

だから、欧米はダメで日本が良いと言いたい訳ではなく、日本にも他国と比べて足りないものはあるし、それは他の国も同様のずです。何もかもがカンペキという国はないはずで、国民の誰かが得をしていれば、誰かが損をしているはずです。フィンランドの教育に関しても、世の中に出回っている意見には、批判的なものが極端に少ないですが、実際のところは今回紹介したような問題を色々と抱えている、ということではないでしょうか。

まとめ

「人の才能は全て親からの遺伝で、教育なんていうものは全くの無意味!」という極論をおっしゃっているインフルエンサーの方がいます。

それが正しいのか間違っているのかは私には分かりませんが、教育業界の端くれとしては、私が「褒めて認めて励ます」行為が、少しでも生徒さんに前向きな影響を与えているといいなと思いながら、塾を開けています。私が生徒さんのために準備したこと、伝えた話、ブログで書いた内容が、生徒さんの将来に少しでも良い影響を与えられればいいなと思いながら頑張っています。

私は、大事なのは「考え続けること」、「学び続けること」なのではないかと思っています。生徒のためになることはやり続けて、そうでないことは変えていって、通ってくれている生徒さんたちの目標・夢を叶える方法、やる気にさせる声かけ、そして私自身の幸せについても、考え続けたいと思います。生徒の皆さんも、もっと学力を上げたいならば、自分が何をするべきなのかをしっかりと考えて、それを行動に移していきましょう!

今回、この記事を書くにあたって、フィンランドの教育についても色々と調べることが出来て、勉強になったこともありますので、活用できる考え方・指導法・設備などがあれば、それも導入を検討します。評価の方法に関しては、授業アンケートのようなものを復活させてもいいのかなと考えています。今後にご期待ください!

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