【ニュースで知ろう!】学校の先生不足問題

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

本日は新中1の3回目の体験授業でした。そして、明日は小学校の卒業式ですね。明日はたくさん、「おめでとう」と言われてください。

みなさんは人生の中で、これからもたくさんの「おめでとう」という言葉をかけられると思います。そのたびに、どんどん責任感が重くなっていきます。私も、みなさんの「高校合格おめでとう!」の力になれるように頑張りますので、一緒に頑張っていきましょう!

さて、本日は私が個人的に気になったニュースを取り上げてみたいと思います。

そしてこれは、「将来は学校の先生になりたい」と考えている、教員志望、教育学部志望のみなさんにも考えてもらいたい問題です。

今、学校の先生が足りていない!?

私が気になったニュースは、以下のニュースです。

全国で2558人「先生足りない」教員不足の実態、専門家どう見る?

https://toyokeizai.net/articles/-/511560

「全国の公立学校1897校で、2558人もの教員が不足している」という調査結果が、1月末に文部科学省から公表された。昨年の4月時点の不足数となるが、不足数が改善されず、年度始めよりも深刻な状況に陥っている現場もあるかもしれない。

https://toyokeizai.net/articles/-/511560 より引用

ということで、先日のブログでも少し触れましたが、今学校の先生が足りていません。

私が知っている限りでも、尾道市内の中学校でも、先生がずっとお休みしていて、1か月以上自習をしているという学校があります。昨年度も、その中学校とは別の中学校で教員不足が発生していました。

文部科学省から発表された資料だと、全国で2558人の教員が不足しているとあります。ただし、これは2021年4月時点での数字です。つまり、4月から新たに新卒の先生が採用されて、「一番先生の数が多いはず」の4月の時点で、これだけの不足があるということです。実際ここから学校が始まり、辞めていった先生もいらっしゃるでしょう。定年退職された先生や、非常勤講師の先生が不足を補っていて、いつ足りなくなってもおかしくない状態の学校もあるでしょう。記事によると、「非正規雇用」と呼ばれるこれらの先生の割合は、小・中学校では10%を超えていました。

「非正規雇用」の先生たちの中には、指導力不足で採用試験を落とされた先生もいらっしゃるかもしれません。そんな先生たちが、実際に指導をされているかもしれません。(全ての「非正規」の先生がそうだという意味ではありません。)また、指導力はあったとしても、学校現場がいっぱいいっぱいで十分な研修を受けられずに、子どもたちとの接し方に悩んでいる先生もいらっしゃるかもしれません。

先生方も本当に大変だし、その影響できちんとした教育を受けられていない子どもたちもかわいそうです。生徒たちは、「自習が増えて、勉強しなくて済むからラッキー♪」などと思っているかもしれませんが、それによって受験期に大変な思いをするのは、生徒たち自身ですからね・・・。

さらに、この記事によると、学校が何をもって「不足」としているのかも微妙だし、きちんと報告をしていない自治体もあるのかもしれないとのことでした。(こちらは教育研究家の妹尾さんが指摘している可能性に過ぎませんが)

うがった見方かもしれないが、不足数を正直に出すと、地元メディアや地方議会、あるいは首長から問題視されたり、追及されたりしかねないため、配置予定の人数を少なめに(≒不足数も少なめに)報告する教育委員会もあるかもしれない。

https://toyokeizai.net/articles/-/511560 より引用

学校の先生のお給料を支払うのが、地方公共団体(都道府県や市町村)であることも関係していると思いますが、メディアや行政から突っ込まれないように、不足をあえて報告していない可能性もあるということです。

とにかく、色々な地域で先生の数が足りておらず、足りているところであっても「非正規雇用」という不安定な立場の人を補充することで、ギリギリなんとかやりくりしている状況である、ということだと思います。

人が足りないということは、今いる人たちが「無理」をしなければならない可能性もあります。

結婚や出産を機に退職をしたいと考えていても、今の職場からこれ以上教員が減ると大変だからと、自分のプライベートを犠牲にして我慢している先生もいらっしゃると思いますし、部活動の顧問などの課外活動が大変さや、地域からの色々なクレーム対応などで、体も心もすり減らしている先生もいらっしゃると思います。

「♯教師のバトン」で明らかになった教師の実態

みなさんは、「教師のバトン」とネットやSNSで検索をしたことがあるでしょうか??

そもそも、この「教師のバトン」というものをご存知でしょうか?

「#教師のバトン」プロジェクトについて

https://www.mext.go.jp/mext_01301.html

令和の日本型学校教育を実現していくため、時代の変化に応じた質の高い教師を確保するためには、より一層の働き方改革の推進や処遇の在り方の検討を進めることに加え、教職を目指す学生や社会人の方に、現職の教師が前向きに取り組んでいる姿を知ってもらうことが重要です。

そこで、令和3年2月に公表した「『令和の日本型教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」を踏まえ、このたび「#教師のバトン」プロジェクトを新たに開始いたします。

(中略)

本プロジェクトは、学校での働き方改革による職場環境の改善やICTの効果的な活用、新しい教育実践など、学校現場で進行中の様々な改革事例やエピソードについて、現場の教師や保護者等がTwitter等のSNSで投稿いただくことにより、全国の学校現場の取組や、日々の教育活動における教師の思いを社会に広く知っていただくとともに、教職を目指す学生・社会人の方々の準備に役立てていただく取組です。

https://www.mext.go.jp/mext_01301.html (文部科学省HP)より引用

文部科学省のHPの文章なので少し難しく書いてありますが、要するに「学校現場の素晴らしい取り組みをSNSを通じてみんなに知ってもらいましょう!さぁ先生たち、前向きな発言をどんどんして、『教師の魅力』を語っちゃってください!」と、文部科学省が意気揚々と立ち上げたプロジェクトでした。

さて、どんな素晴らしいコメントが集まったでしょうか・・・?

ここに、学校の先生たちの悲痛なコメントがたくさん寄せられました。

あまりにもひどかったために、萩生田文科大臣が、「現場の先生たちは、もっと品のあるコメントをしてほしい。」と苦言を呈したほどでした。

これでも、ごくごく一部です。そして、この「♯教師のバトン」の投稿は、ネガティブな投稿ばかりが、現在進行形で増え続けています。

私は今まで高校生も指導してきましたので、中には「教育学部に入りたい。」「学校の先生になりたい。」と夢を語ってくれる高校生たちにたくさん出会ってきました。そういう子たちは、尊敬できる学校の先生や憧れの学校の先生がいて、真面目で努力家な生徒たちが多いです。

そんな真面目な子たちを、残業100時間、やりたくない部活の顧問を押し付けられてタダ働き、コロナかもしれないけど人が足りないから職場へ、プライベートは捨てないとダメ、そもそも人数が足りていなくて経験のないまま色々な責任を負わされる・・・などと言われる環境へは、正直なところ送り出したくありません。

だからこそ、変わらないといけないのは、学校の先生方への「過度な期待」をし過ぎている私たちの方かもしれません。

学校の先生の幸せが、生徒たちの幸せ

学校の先生というのは、先生になるために大学の教育学部に入り、教育に関する知識を深め、各教科の指導法を極めた、「教えるプロ」の方々です。そして、「子供たちを成長させたい」という思いに人一倍あふれた方々です。

だから、先生たちに求めるのは「子供たちの勉強に対する興味関心を深めてもらうこと」と「学校という集団生活の中で子供たちに社会性を身につけさせること」で良いのではないでしょうか?

部活動に関しては、学校任せではなく「地域で責任を持つ」ではダメでしょうか?(もちろん、安全面や場所の確保など、簡単ではないことは承知していますが。)そうすれば、子どもたちは小学校から高校まで、同じクラブチーム・同じ指導者の下で一貫した指導を受けられたり、同じ地域の中の違う学年の子たちや、地域の大人たちともつながりが持てて、もっと地元を好きになったりすると思います。

学校の先生の負担も減って、もっとプライベートを充実させたり、大学での勉強を活かして子供たちへの「より深い学習」を提供できるように思います。

「僕が気になったのは、西川さんは塾で一体なにを教えているだろう?ということです。たしかに、科目としては英語だったり、数学だったりするんだと思います。だけど、そういうことを教える先には何があるんですか? いい高校に行く、いい大学に行く、いい仕事につく…それは手段であって、目的ではない。

 目的は『いい人生を送る、幸せな人生を送る』ということなんじゃないんですか?先生というのは、究極的には『幸せになる方法』を教える仕事なんじゃないんですか?今お話しを聞くと西川さんはあまり幸せそうじゃない。そういう先生に僕は教わりたくないなぁ。先生になる人は、人生を楽しんでいる、幸せそうな人じゃないと。」

https://sakatajuku-chugakubu.hatenablog.com/entry/2019/05/30/002814 より引用

これは、私が社会人になって3年目の時に、偶然出会った人から言われた言葉ですが、今の学校の先生方の置かれている状況を見ていると、この言葉がしばしば頭をよぎります。

学校の先生がプライベートを充実させて、外国人と色々なところへ遊びに行っているという話を聞いたら、それだけで「面白そうだから英語の勉強頑張りたい!」って、子どもたちが思うと思いませんか? 学校の先生がオシャレな服装をしていたら、子どもたちがかっこよくて憧れて、先生の授業をちゃんと聞くと思いませんか? 学校の先生がアニメやマンガやゲームやアイドルやYouTuberに詳しくて、自分の好きなものの話をしてくれたら、子どもたちは前向きに話を聞くと思いませんか?

そのためには、先生たちにもっと「遊ぶ時間」を、そして勉強と遊びをつなげるための「授業研究・教材研究の時間」をもっともっととっていただくことが必要だと思いませんか?

「働き方改革」と言われ、「ブラック企業」が問題になり、一般的な会社はどんどん働きやすい環境が整ってきているように思います。一時期は、「ブラック」「パワハラ」と色々と言われ、元社員から裁判を起こされていた(!?)私の前職の塾も、今はパワハラはなくなり、積極的に休みをとるようにと会社から言われているようです。学校にも、早く、真の意味での「働き方改革」が訪れてくれることを願っています。

今回の「教師のバトン」をきっかけに、学校関係者ではない多くの人にも、先生方の置かれている状況がよく伝わってしまいました。それによって、教員という職業がますます不人気な職業になり、今後も教員不足問題はしばらくは続くのではないかと思います。

ただ、コロナによって色々な学校行事がなくなり、「今まで学校に頼っていたけど、あれもこれも無理に学校でやる必要はないんじゃないの?」と気づけた部分もあると思います。だから、思い切って、学校の先生に頼り切りになるのをやめて、先生方の負担を軽くしても良いんじゃないでしょうか? ・・・と、学校とは無関係の、一般人として思っています。

じゃあ、今まで学校に任せてきた仕事は誰がやるの?無責任なこと言うな!

共働きだから、学校に任せられないと困る!

習い事ってことは、お金がかかるじゃない?そのお金を家庭に出させるの?

学校の先生の中にだって、部活動の指導がしたくて先生なった人もいるんだから、そんな先生から部活を取り上げるのは可哀そう!

問題の本質をなんにも分かってないなこの素人が!

などなど、ここまで私が話してきたことに色々なご意見もあるかと思います。

それはぜひ、身近な方で同じような問題意識を共有できる方と色々と話してみてください。

言いたいことだけ言って恐縮ですが、とりあえず私は、今通ってくれている子たちが、学校で先生の授業が受けられずに困っていたとしても、それが受験に響かないように、精一杯指導を頑張っていきます。そして、私は私で、「幸せな先生」「勉強の先に待っている理想の大人」の1人になれるように頑張ります!

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