【教室内紹介】生徒の着眼点にうなる日々

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

5/28日は第2回全県模試です!5/29月はお休みですのでご注意ください。

最近は夜の生徒さんたちが帰った後に、我が子がお迎えに来てくれます。

私のせいで、18時にお風呂、20時頃就寝して23時ごろに起きて覚醒!その後、夜中の2時前後に寝るという生活習慣になりつつあります。生活リズムが完全に夜型になってしまっているので、ちょっと心配です。

敗北宣言

さて、今回の話は、正直な告白です。

とある生徒さんの勉強に対する姿勢に、「負けた!」と思ったんです。

「先生」という立場にある人って、「生徒」から底を知られたらダメなんですよ。ああ、この先生ってここまでのことしか出来ないんだな、これ以上は伸びしろが無いんだなと生徒に悟られてしまうと、何が始まるかといえば、「先生をナめる」という行為です。「こいつ大したことないぞ。」、「こいつの授業なんて真面目に聞いてらんねーわ。」、「こいつのことは友達くらいに考えよう。」となります。

それは授業の崩壊につながります。そして、授業が崩壊してしまえば、生徒はその授業から何も学べなくなってしまいます。

だから、学校の先生がしょーもないやつ、みたいな言い方をする子は、その子にとって不幸なので、やんわりと注意します。

「あいつ(学校の先生のこと)の授業、マジで分かりにくいですよ。ただプリントの文章を読んでいるだけですよ。」

なんて言われれば、

「いやいや、先生がこれは常識だからこのくらいは理解してよって思っているんじゃないの?」

などと答えるようにしています。

つまり、これから後に紹介する「敗北宣言」は結構な内容だということです。

実際に、どんな質問をされたのかというと・・・

「輸入される綿糸が減少していったけど、ゼロではないですよね?どういう人たちが輸入した綿糸を買っていたんですか?」

「地租改正の後は、農民たちは農産物をどこで換金していたんですか?」

この質問をされたときに、私はふと大学時代の先輩たちの顔が浮かびましたよ。だって、大学のゼミで先輩たちがしていた質問と、ほぼ同じような内容だったんですからね。

この質問の何がすごいかというと、教科書に書かれている部分にさらに「なんで?」と疑問を持つことが出来ているんですよね。そして、これは文章の先に生きている人たちの姿が浮かんでいるからこそ、こういう質問が出来ているるわけです。本質を探ろうとする姿勢、言葉自体ではなくて、きちんと仕組みや理屈を理解しようとする姿勢が素晴らしいです。こういう疑問が浮かぶ人は、大学での研究に向けた準備が出来つつある状態だと思います。

みなさんは、大学って何をするところ、何のためにある場所だと思いますか?

良い就職先を見つけるための手段と考える人もいるでしょう。お酒を飲んだり、友達と車で旅行に出かけたり、そういう社会人になる前の、最後のモラトリアム(猶予期間)だと考える人もいるでしょう。

色々な答えがあると思いますが、私は「常識を疑うところ」、「誰も踏み入れたことがないところまで踏み込むところ」だと思っています。新しい発見をして、今までのルールを書き換えたり、今まで誰も考えなかったような別の視点からものごとを深く考えたり、そんなことをする場所だと思っています。

教科書に書かれていること以上のことを知りたがる姿勢。その姿勢の上に、調べるための具体的な手段・方法が加われば、それがそのまま大学での研究になります。

学校のテストをただ100点を目指すゲームとして考えるのではなく、自分がもつ疑問を膨らませて、それを解決していくためのきっかけにしているんですよね。そんなことは、少なくとも私自身が中学生・高校生だった頃には考えもしなかったですし、今回質問をされて、「そこはそういうものだ」と思っていて、疑問に思ったことが無かった私自身に対して悔しかった、というのが正直な気持ちです。

いやー、深く知りたいという姿勢に関して、生徒に完全に負けてしまっていましたね。もっと頑張らないと。

なぜ質問をすることが大切なのか?

さて、そこまですごい質問が出来なくたって全然かまいません。とにかく、質問をしようと考えることが大切です。

今回の定期試験期間、質問をたくさん受けました。分からない問題を素直に質問してくれる生徒さんもたくさんいました。それはそれでめちゃくちゃ嬉しいです。質問をするなんて、簡単なことだと思われるかもしれませんが、どこまでが理解出来ていて、どこまでが理解できていないのかを自分で理解する必要があるので、結構高度なことなんです。

「先生の授業が何を言っているのかは聞く気もないし、問題文も全く読んでいないけれど、とりあえず出てくる数字をかけ算すれば正解になるんじゃね? ほら、全問正解! ちゃんと〇になるから、オッケー!オッケー!」

あえて言語化すると、こんな風に頭の中で考えて、それで正解になっている生徒さんたちもいると思います。もちろん、この状態で満足してしまう子であれば、何か勉強に前向きになれるようなことが起こらない限りは、こちらがどうやったって成績が上がりません。

質問をしようとすることは、頭の中を整理することにもつながりますし、頭の中がモヤモヤしたまま問題を解くよりも、クリアになった状態の方が絶対に勉強がはかどります。また、皆さんが考える「なんで?」「どうして?」という原因・理由を追求しようとする姿勢は、理科の自由研究・高校の卒業研究・大学のレポート・社会人になって成果を出すために考えること、などにつながります。

こんな風に考えると、質問をすることってものすごく大切ですよね?

ということで、今回のテスト期間に生徒さんからされた質問で、上で紹介したもの以外に、「この質問いいな~。」と思ったものを中心に、紹介をしていきます!

Good Questions!

「このプリントが試験範囲なんですが、どこを覚えたらいいと思いますか?」

この質問、人によっては「自分で考えろ!」と思うかもしれませんが、こういう質問は、私は好きです。時事問題のプリントで、ここ最近ニュースになった出来事が書かれていたのですが、どの部分に注目をすれば良いのかのアドバイスを求めにきてくれたときの質問でした。

闇雲に覚えるのではなく、問題を作る人がどういうところを重要だと思っているのかを、先生に相談したい。こんな風に、問題を「作る側」が意識出来ているのって、すごく大事だと思います。問題を作る人が、何を答えさせたいのか、これが理解出来れば、ポイントのずれた答えを書かなくなりますから、大事です。

例えば、スポーツ選手がものすごく集中してプレーしているときに、自分のプレーがスローモーションになって、相手がこれからどういう動きをするかが感覚的に分かってしまうときがあるそうですよね。だから、ドリブルをしても面白いように相手を抜き去ることが出来ると言われています。そういう状態を「ゾーンに入る」などという言い方をすると思いますが、入試問題を解いているときに「ゾーンに入る」ことだってあります。

問題を解きながら、一歩引いて考えたときに、「この問題を作った人はこういう解答をしてほしいんだろうな。」という解答のポイントが見えるときがあって、実際に私も大学入試で同じような状態になりました。出題の意図がくっきり見えたとき、問題を解くのが本当に楽しくなります。記述問題を書く手が止まらなくなります。

だからみなさんも、「この問題って何を知りたくて作った問題なんだろう?」と、考えてみてください。今の学校の定期試験には「知識」、「思考力」など何を聞きたいのかをきちんと書いてくれている問題も多いですからね。

「〇〇と△△の違いって何ですか?」

似ているけれど、自分でイマイチ区別しきれないという語句について、質問をしてもらえるのもとても嬉しいです。例えば、英語で言えば、liveとvisitとgoとstayの違いについて、みなさんはきちんと説明できますか? これはまず、「二つの単語が同じような場面で使われている」という気づきが出来なければ、生まれない疑問です。そこが考えられている時点で、まず素晴らしい! 素晴らしいポイント1点入ります。

みなさんがテストでする間違いって、大きく分けると①知識不足、②違う何かと勘違いをしている、③知識はあるし、正確だけど、どう説明したらいいか分からない、のどれかですよね? 勉強を始めたばかりの最初の段階では、①のミスが多くあると思いますが、それもしっかりと勉強をしてくると、だんだんと少なくなってきます。そして、ある程度知識を覚えたところで発生するのが、②のミスです。恥ずかしながら、今の先生だってこのミスはたくさんしてしまいます。上の質問は、この②のミスを減らすためにする質問ですから、ちょっとレベルが高い質問ですし、これが出来るということは、これから②のミスが減って、更に点数が上がる一歩手前の段階ということがわかります。

「試験範囲の部分をもう一度説明してください。」

これも好きな質問・・・、というよりはお願いですね。なぜ好きなのかと言えば、頭の中を整理したいと思っている生徒に、もう一度説明をすると・・・、ほぼ確実にテストの点数が上がるからです。実際、今回このお願いをしてくれた生徒さん、社会の定期テストで自己ベストの点数を取ったそうですからね!

一回塾で授業を受けただけで、内容を完璧に理解することなんて、ほぼ不可能なことです。ましてや、それを数週間・数か月覚えておくというのは、きちんと勉強し続けなければ難しいです。

もう一度、改めて説明を聞くことというのは、塾の授業で1回目、塾の宿題で2回目、学校の授業で3回目、学校の定期テスト課題で4回目・・・と来て、5回目の確認作業になることが多いです。ですので、今までは取りこぼしていたところ、覚えきれていなかったところ、勘違いをして覚えてしまっているところが、このプチ補習を通して、ちゃんと拾える可能性が高まります。そんなお願いだから、すごくいいと思っています!

ここまで挙げた質問でもとても嬉しいですが、さらに少し違ったタイプの質問をしてくれる生徒さんもいます。

「先生は、どうしてそういう風に解こうと思ったんですか?」

これは数学の問題の解説をしているときに、言われることがあるのですが、これもめちゃくちゃレベルが高い。

私は普段の授業でも、その問題を見たら、まず何を考えるのかという、「問題を解く1歩目の踏み出し方」を意識して伝えているつもりです。当然ですが、実際に問題を解いた私と同じように考えれば、正解が出来る訳ですから、それを強調して伝えます。

この質問をしてくれた生徒さんは、実際に問題を解いた私の様子を見て、自分も同じように解けるようになりたいから、頭の中の解答に至るまでのプロセス(過程)を真似しようとしてくれているのがうかがえます。「学ぶ」の語源は、「真似ぶ」。つまり、出来る人の真似をすることですから、まさに目に見えない頭の中の思考プロセスを真似しようと考えてくれていて、非常に好感が持てます。

今まで塾であまり質問が出来ていなかった生徒さんも、こちらで紹介したような質問を参考に、問題を解きながら、疑問点を持つようにしてみましょう!

まとめ

ということで、長々と「質問」について語ってみました。

こういうのって、子どものしつけに関しても大切だって言われていますよね?

「こら!やめなさい!」「ダメって言ってるでしょ!」と、ただ怒るのではなく、「そんなことすると頭をぶつけちゃって危ないでしょ?」ときちんと理由を説明したり、「どうしてダメって言ったと思う?」と理由を聞いてみたり、そこで考えさせる工夫が必要なのかもしれませんね・・・うちの子にも。笑

勇気を振り絞って、質問をしてくれる生徒のみなさんに、「あぁ、先生に質問して良かった」と少しでも思ってもらえるように、私もただ「そこはそういうものだから、とにかく覚えて」で片づけないようにはしているつもりですし、「こんな問題も出来んの?お前バカじゃないの?」みたいな人格否定は一切するつもりがありません。

中間テストの結果を見て、自分に足りなかったものを考えましょう。その中で、「試験範囲の内容について、ちゃんと分かったつもりだけど、つもりになっただけで、あんまり分かってなかったな・・・」という反省点が浮かんだ人は、次の期末テストに向けて、何をすればいいか分かりますよね?

世の中の色々なことを深く考えるきっかけが、生徒から先生への「質問」だと思っています。どんどん質問をお待ちしています!

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