【高校紹介】福山誠之館高等学校(その③)
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
3連休は10時~22時で教室を開けております。勉強を頑張りましょう!
実は昨日の記事も、最初はこのタイトルで書き始めたものでした・・・が、前置きを書きすぎてしまうと、「もうこれが本筋ってことでいいか」となってしまい、本題にたどり着きません。そういったことがよくあります。
ということで、前置きは抜きにして、さっそく福山の公立トップ校のご紹介です!
誠之館高校にお邪魔するのは、今年で5年連続となります。うちの塾を開校する前の2018年から、説明会にはお邪魔しておりました。過去に書いたものはこちらです。(※入試制度に関する記述の部分は、今年度からがらっと変わるので無視してください。)
誠之館の卒業研究やゼミ、ICTなど学校としての活動が分かるのは1つ目のブログ、授業や進路指導に対する取り組みがよく分かるのは2つ目のブログですかね。2つ目のブログにはYouTuberと誠之館の有志200名で作った学校紹介動画もありますね。改めて読み直してみて、当時の記憶が蘇ってきました。
一昨年の説明会で、当時異動してこられて1年目だった中原校長先生のお話を聞いて、一発でファンになってしまったんです。学校ホームページの「校長挨拶」のページにある笑顔も素敵です。
・・・それにしても、自分から勉強することが大事って、2年前に書いたブログでも、昨日書いたブログとほとんど同じことを言っている笑 どうやら私は2年前と比べても、指導方針や考え方があまりブレていないようです。
5年連続で学校に伺っていると書きましたが、過去にブログに書いたのは2019年と2020年の2回だけです。去年は、コロナで説明会の日程が代わった結果、推しの校長先生は出張と重なって不在。その上、説明会自体も短縮され、40分ほど自校作成問題の中身の説明をされただけで終わりました。
去年は誠之館の志願者も0だったので、どうやら去年の私はブログを書くモチベーションが上がらなかったみたいですね・・・
では、今年度の内容です。
広島県立福山誠之館高等学校
HP: http://www.fukuyamaseishikan-h.hiroshima-c.ed.jp/
男女: 共学
アクセス: JR福山駅よりバス、向陽循環線7番乗場 「誠之館高校前」下車(約15分)
JR福山駅から徒歩なら約20分
全県模試受験者平均偏差値: 61.8
R4卒の主な大学進学実績(過年度生含、パンフレットより抜粋):東京、京都、大阪2、北海道、神戸5、九州12、広島17、岡山28、早稲田2、慶応、同志社7、立命館48、関西6、関学17
もう通うのが5回目になると、行き方もそうですし、周辺にどんなお店があるのかもだいぶ分かってきますね。
今回も盈進同様にたくさん写真を撮ってきました。今回はWordPressのギャラリーという機能を使ってみます。
学校の内部は許可されていないので見学しておりませんが、今回はこっそりとグラウンドの写真も何枚か撮ってみました。
グラウンドなど見てみると、正直、学校の設備は古いかボロいかと聞かれたら、・・・ぼ、・・・いえ、味があるとは思います。
まぁ伝統校ですからね。使い心地がいいのか悪いのかは、オープンスクールで実際に高校生に聞いてみるのもいいかもしれません。
まず、説明会冒頭には校長先生のお話がありました。私は校長先生のファンなので、かなり細かくメモをとっておりました。笑
「誠之館はペリーが日本に来航したころに開校し、創設168年を迎えました。今の生徒たちを見て思うのは、『時代の流れを読んで判断を誤らないようにする、自分で考え判断をする』という建学の精神は、今も受け継がれているということです。何が大事なのかを自分でてんびんにかけることは、変化の多いこの時代に必要だし、思考力を問うことが増えてきた昨今の大学入試でもなくてはならない能力です。それを高校生活の3年間で学んでいってほしいと思っています。」
江戸から明治にかけての激動の時代を乗り切ろうとする精神が、学校に今も残っているというのは頼もしいですよね。現代も、Society 5.0(狩猟→農耕→工業→情報の次の5つ目の新たな時代)などと言われる激動の時代ですから、古い慣習にとらわれずに自分で考えることは本当に大切です。今の世の中のことを踏まえつつ、先生から学校へのリスペクトを感じる素敵なお言葉です。
「昨年度の大学入試では、共通テストが独特で、全国で多くの受験生が苦労しました。私たちの学校では、共通テストではなく2次試験にウエートを置いて勉強をしていたので、しっかりと結果が出ました。そして、共通テスト後の判定で、D判定やE判定だった生徒さんも何人も合格してくれました。共通テストによるの判定がアテにならず、志望校を下げようとする子がたくさんいましたが、うちでは合格しそうなところに出願校を下げさせることはせずに、声掛けをしてメンタルケアをしながら、第一志望を貫かせました。
その結果、国公立大学への進学率は、着任1年目から15%以上上がり(52.9%→69.7%)、広大・岡大への合格者も40名以上で安定し、難関国公立大学への合格者は8名(R2)→11名(R3)→22名(R4)と増えてきています。中でも九州大学は去年・一昨年と合格者が2名だったところ、今年はなんと12名も出ました。このように進学実績は順調に伸びてきています。」
過去のブログに戻ってもらうとわかりますが、中原校長になってから、誠之館は宿題を減らし、自分で考えて勉強をさせるようにしています。もちろん、合格者増の要因はそれだけではないと思いますが、改革が上手くいっていると言えるのではないでしょうか。
「新型コロナウイルスはまだおさまっていませんが、with コロナなどと言われ、社会がコロナに対して寛容になってきました。そのため、東京方面への修学旅行を計画したり、体育祭をエフピコアリーナで開催したり、オープンスクールを再開したり、だんだんと日常を取り戻しつつあります。」
誠之館はノルウェーやカナダに姉妹校があるということでしたので、このままコロナの影響が小さくなって、在学中に姉妹校との交換留学が再開されるといいですね。
「従来の指導方針では、高1・高2は英数国、高3になってから理社を重点的にやる指導方針でしたが、高2の段階から理系の生徒たちには、理科を重点的にやるようにとカリキュラムを変更しました。すると、先ほど話したような結果が出ました。文系は従来通りでも良いかもしれませんが、理科を高3からやるのでは間に合わないのではないかとずっと気になっておりました。それが今回の結果を見てよく分かりました。」
先生自身が今までの慣習にとらわれずに柔軟な進路指導をなさっているということが良くわかります。また、前に立ってお話をされた進路指導の責任者の先生が女性なのも、私の記憶では福山暁の星くらいしか思いつかず、印象的でした。
高校1年生までは、全員に同じ課題を出すそうですが、1年生の後半から「全員同じもの」から「各自が必要なもの」へと宿題の出し方を変えるそうです。苦手な生徒には教員がサポートをしながら、生徒それぞれに学習計画を立てもらったり、学力別のおすすめ教材なども生徒たちにアドバイスしたりされているともおっしゃっていました。ここからも、自分の将来を主体的に選べる生徒育てたいという学校の方針が伺えます。
実際に誠之館の生徒さんを見た訳ではないのでわかりませんが、説明会の印象としては、生徒の自主性を重視し、共通テストで燃え尽きさせないような進路指導をする学校という印象です。合ってますかね? 説明会・オープンスクールに行かれた方や、生徒さんのご兄弟が通われているという方にも色々と印象を聞いてみたいです。
最後に、入試に関する確認です。まず、以前の高校入試情報をまとめたページから抜粋します。(今回の説明会の内容を受けて、以前の内容に加筆・修正をしてあります。)
特色枠が全体の50%、残りの50%が一般枠です。受験者の中からまずは「特色枠」の基準で総合得点を出し、点数の高い順に定員の50%の合格を出します。特色枠の比重は「学力検査:調査書:自己表現:独自検査=7:1:2:1」ということで、「超・学力検査重視」です。誠之館は、英語・数学の自校作成問題を使用します。数学は他の公立高校と同じ問題は使わずに、独自の問題のみを受験します。英語は共通問題に加えて、20分で文法中心の自校作成問題を解きます。よって、英語・数学の学力が非常に大切です。
なお、特色枠では、学力検査の国語の得点を2倍、英語の得点を4倍+独自問題の得点、数学の得点を6倍にして点数を出します。他の学校であれば、5教科×50点満点の250点満点のところ、誠之館では国語100点、英語300点(共通200点+独自100点)、数学300点、理科50点、社会50点の800点満点ということです。つまり、特色枠での英語と数学の比重は同じということです。そして、残りの50%が一般枠での選抜です。
特色枠の配分をもうすこしイメージしやすくするために、百分率を使って考えてみます。5教科の配点が均等な他の公立高校の場合、各教科の比重は20%ずつです。どの教科も同じくらいのバランスで勉強をした方が合格する可能性が上がります。しかし、誠之館の場合は国語が約13%、英語と数学が約38%ずつ、理科と社会が約6%ずつということになります。この比重が分かっているなら、自然と勉強も、どの教科にどれくらい時間をかけるべきなのかが分かりますね? 英語と数学の比率が理科と社会の比率の約6倍です。つまり、誠之館を受験したいのに、英語・数学から逃げて、理社ばっかりひたすらやっても、合格には結び付きづらいということです。
誠之館の特色枠から伝わるメッセージはシンプルで良いですね。「内申なんて関係ねぇ、入試得点力が無い子は来ないでください」という、東部地域トップ校としてのアツい意志を感じます。笑
https://lightup-onomichi.com/1430/ より引用
実際に説明会でお話を聞くと、自校作成にもものすごくこだわっているというお話でした。
「変化をチャンスととらえ、失敗を恐れずにチャレンジし続ける強い志をもった生徒がほしい」
「自校作成にしっかりとウエートを置いて、チャレンジしてくれる子を取りたい」
「自校作成は難しすぎても簡単すぎても差がつかず、合否を決める要因になり得ないので、英語・数学ともに受験者平均が6~7割になるようなテストを作りたい」
「英語の自校作成は文法中心だが、英語の中で決して文法を軽視してほしくないという意志表明だ」
「特色枠では内申の比重を軽くしてあるので、中3になって意識が変わって、どうしても誠之館を受験したくなったという生徒にもチャレンジしてほしい」
というお話をされていました。 受験をしたいと考えている生徒さんは、自校作成だから難しくて無理・・・とあきらめずに、英語はしっかりと文法事項も確認し、数学は今までならあきらめていた問題ももう5分考えて、やれることはやりつくして、決してあきらめない姿勢で問題を解くことが大切ということです。細かな戦略は、これから過去問を解く中で一緒に立てていきましょう!
最後に「自己表現」に関して、こちらはやはり進学校の先生はどの先生も「時間をかけすぎるな」と言いますね。
「大事なのは自分らしさです。『練習通りに順序だてて淡々と発表する生徒』と、『たどたどしくても一生懸命頑張って発表している生徒』に点数で差はつけません。自己表現に時間をかけすぎるくらいなら、本気で英語と数学を頑張ってほしいです。」
とのお話でした。自己表現の準備を念入りにすることはもちろん大切ですが、するべき準備は入試で点数を取ることが最優先のようです。しっかりと覚えておいてくださいね。
尾道からだと通塾に時間がかかるかもしれませんが、電車通学を通して、時間を気にしながら行動するという習慣は、特に都会の大学生・社会人には間違いなく必要なスキルです。また、電車を待つ時間というのは、ちゃんと前もって勉強をすることを決めておけば意外に勉強がはかどるものです。
みなさんにとって、悔いのない進路選択が出来るように、特に皆さんが情報を集めにくい学校に関しては、積極的に情報を集めていこうと思っています。このブログを読んで、目標にする志望校が出来た、勉強のやる気が上がった、選択の幅が広がった、逆に今自分が希望している学校が自分にぴったりだと分かった、という生徒さんが少しでも増えることを願っています。
さて、土曜日・日曜日は部活の大会もありますが、まだまだ試験前の貴重な連休が続きます。勉強を全くしなかった、とならないように頑張りましょう!!
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