【高校紹介】福山暁の星女子高等学校(その③)
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
向島、広大附属三原の生徒さんはいよいよ今週がテストですね、頑張りましょう!
長江中3の生徒さんは、延期された修学旅行がありますね。鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館を訪れるようなので、塾の社会の授業で学んだことを活かして、しっかりと学んできてください! また、知覧は日本有数のお茶の産地ですから(鹿児島県の茶の生産量は静岡県に次ぐ第2位)、美味しいお茶も飲めるでしょうね。旅行中は思いっきり楽しんできて、帰ったらすぐに定期試験モードに切り替えましょう!大量の試験対策プリント用意して、お待ちしています!!
総技に進学した卒業生が教室に来てくれています!
少し前に、卒業生が顔を見せに来てくれているお話しをさせてもらいましたが、数日前から、昨年度選抜Ⅰ(推薦)で総合技術高校に合格した生徒さんが、定期テスト前の自習に来てくれています。
高校生女子の制服がセーラー服ではないのが、なんだか新鮮・・・笑 総技の女子の制服はシャツにネクタイで、かっこいいですよね。その生徒さんから高校のお話を色々と聞いて、こちらも勉強させてもらっています。
・数学は入学直後のテストによってクラス分け、「標準クラス」「基礎Aクラス」「基礎Bクラス」に分かれる
・最初の1年間は学科に関係なくごちゃ混ぜのクラス編成、2年生からそれぞれの学科に分かれる
・人間福祉科は、「衣食住」全般について学ぶ学科のため、「料理」や「ファッション」の授業もある
・人間福祉科の「ファッション」の授業では、浴衣やアウターのパンツをミシンを使って作るコースもあるし、実際にインテリアデザイナーを目指している生徒も(少数だけど)いる
・校則はなかなか厳しく、シャツの第一ボタン・ネクタイの結び方・スマホの利用・制服のお下がり禁止など、細かいチェックが入る
・食デザイン科は、毎週火曜日に調理実習があって、それだけで1日3時間
・食デザイン科が学園祭で出す料理は、3年生の料理がめちゃくちゃ美味しい。今年はコロナで一般の人は学園祭に来れなかったが、在校生は食券を購入して食デザイン科が作った料理を実際に食べることが出来た
・食デザイン科は全員「マイ包丁」を購入し、届出を出して学校に持ってきたり、持って帰って家で練習したりしている
・食デザイン科は定期試験でキャベツの千切りのテストがある、キュウリはみんな30秒で50枚切れる腕前
周りに通っている生徒さんが少ない学校の、こういった基本情報というのは、私が知らなかった情報もたくさんあるので、教えてもらえて本当にありがたいです。
夏休みには各高校のオープンスクールが開かれます。中学生のみなさんは、気になっている学校には必ず行くようにしましょうね。
暁の星についておさらいしましょう!
さて、実際の説明会からかなり時間が経ってしまいましたが、今回も、今年度に入って行かせていただいた学校説明会の様子をお伝えしたいと思います。
過去の2件の記事は以下のリンク先にあります。(数年前のものもあるため、古くなっている情報もあるかと思います。ご注意ください。)
福山暁の星女子高等学校
HP: https://www.akenohoshi.ed.jp/cyukou/
男女: 女子校
アクセス: JR福山駅より中国バス深津住宅バス停下車 徒歩約5分(有料でスクールバスも利用可)
学科: 普通科(進路探求コース)
全県模試偏差値(R3年度): 51
R4年の主な大学進学実績(卒業生82名、過年度生含む、HPより抜粋):
お茶の水女子2、島根、岡山2、広島、愛媛3、慶應義塾3、上智4、早稲田、同志社2、立命館
さて、昨年度に続き、私立の伝統校のご紹介です。
尾道からですと、電車で福山駅まで行き、そこからバスで通うことになる、少し距離のある女子校ですが、私が入試制度上、密かにプッシュしている学校の1つでもあります。昨年度は通ってくれていた生徒さん1名が、暁の星女子を受験し、特待合格をとりました。
こちらの学校の制度上の推しポイントは、なんといっても「2,000円と、ちょっとした面接練習だけで確保可能な併願校」というところです。前回のブログの記事からの引用になりますが、暁の星の特徴はなんといっても、受験もろもろにかかる費用が安いということです。
一般的に、中3の受験生たちは1月の半ばに、受験料を払って私立高校を受験します。もちろん、ちゃんとその高校の過去問を解いて、受験対策をしておく必要があります。そうやって、万が一公立高校に落ちたときのために、「すべり止め」の高校を確保しておきます。しかし、すべり止めの私立に合格した際、席を確保しておくために、入学金とは別で、入学手続金と呼ばれる7万円程度の費用を事前に納めなければいけません。
例えば、尾道高校の場合、受験料17,000円と入学手続金80,000円の合計97,000円が、公立高校に合格して尾道高校に進学しなくても必要となります。近大福山の場合には、受験料17,000円と入学手続金100,000円の合計117,000円が、進学しなくても必要です。実際にこちらの私立高校に進学することになった場合には、ここに更に「入学金」として、手続金と同程度の額がかかってきます。
もちろん、これをケチって私立高校を受験しなければ、最悪の場合、通信制・定時制の高校に通うか、高校受験で浪人することになりますので、こちらはご家庭の必要経費です。私立の経営面を考えても、こちらは当然請求されて然るべき費用かと思います。たいていの私立も同様の費用がかかります。
(ただし、現在は「就学支援金」という制度があるため、世帯年収によっては私立高校でもかなりお安く通えることもあります。気になる方は、私学の個別相談などに参加するのも良いと思います。)
しかし、そもそも公立高校の不合格者がほとんどいないこの地域で、中1から真面目に勉強をして、志望校の合格見込みが限りなく100%に近い生徒さんにとって、本当にこの費用は必要経費なのか・・・と、ちょっとだけ思わないこともないのは私だけでしょうか??
・・・ということで、ここから更にぶっちゃけて、「悪く聞こえるかもしれない話」をします。気を悪くされる方がいらっしゃったら申し訳ありません。
尾道北の場合、選抜Ⅱの昨年度の不合格者は(確か)2名です。それ以外の約200名は合格出来ます。そもそも入試に落ちません。さらに、新制度の入試の場合、尾道北の特色枠では内申重視で合格者をとってくれます。つまり、当日の入試でかなりの失敗をしてしまったとしても、私が「大丈夫」だと判断をした、内申がオール4を軽く超え、オール5が見えている尾道北志望の女子たちにとっては、入試を受験して落ちる可能性はほぼありません。
もちろん、ケガや病気などの万が一が起こって不合格になる可能性はありますが、本当に「1万分の1」くらいの確率だと思っています。
・・・となると、「10万円」がちょっとだけ、・・・ほんのちょっとだけ惜しく感じるんですよね。
すいません、塾講師としてなかなかのことを言ってしまっている自覚はあります。
ここで、暁の星です。まず暁の星の場合、「受験対策」が必要ありません。例え暁の星が第一志望ではなくても、内申の基準を満たし、「併願推薦」の受験資格を獲得できれば、簡単な面接が行われるだけで、学科試験は免除されます。しっかりと「面接の基本4点セット」(志望理由・中学校で頑張ったこと・高校で頑張りたいこと・最近の気になるニュース)が話せれば問題ありません。
そして、受験料は面接だけなのでわずか2,000円で済みます。そして、入学手続金は・・・公立高校の合否が判明するまで納入を延期する「延納制度」が暁の星にはありますので、きちんと公立高校に合格すれば、かかる費用は0円です。(不合格の場合には、「入学手続金」と「入学金」を同時に払うことになります。)この延納制度は、昨年度までであれば、この周辺の高校では「福山暁の星」と、大門駅にある「銀河学院」にしかない制度でした。小学校から附属校があり、卒業生からの寄付金が集まっている伝統校だからこそ出来る「離れ業」です。東京ならば、この「延納制度」は、ほぼ全ての私立高校で行っているのですが、少子化が深刻な広島県東部では、見つかれば奇跡のような制度ですね。これで約10万円かかるものが2,000円で済みます。
どうでしょう?制度上の魅力は伝わりましたかね?
ただし、もちろん「万が一の場合」には生徒さんご本人が通う学校ですし、面接では、併願校としての志望理由を聞かれますから、全く学校のことを知らない状態では困ります。ですので、「制度上の魅力」を感じた方はぜひ、「学校としての魅力」を探しにオープンスクールに参加してみてください。
また、私が個人的に感じた「学校としての魅力」に関しては、以前の記事で色々と語っていますし、そこでは何枚か学校内部を撮影した写真も載せていますので、ぜひ参考にしてください。
また、うちの塾では中学受験の生徒さんは一切募集していないのですが、暁の星の説明会では、来年度から中学部に新設されるコースの説明にかなりの時間が割かれていました。
簡単に言うと、子どもの性格に応じて、中2・中3では「Creative Learning(クリエイティブ・ラーニング)コース」と、「Update Learning(アップデート・ラーニング)コース」の2種類のコースを設置するということでした。色々なことに興味関心を持っている子は前者のコースで、探求学習という名の調べ学習と発表を多めに行っていきます。コツコツと普段から出された課題をこなせる子には後者のコースで、先取り学習・深掘り学習を積極的に行っていきます。
全員が同じ内容の勉強をするのではなく、子どもの個性をもっと伸ばせるように、新コースを設置するということで、子どもたちが将来の目標を見つけるのにも役立つでしょうし、勉強自体が楽しくなると思います。そしてそれが、6年後の大学入試の「学校選抜型」「AO」「総合型」などと呼ばれる推薦入試の際に、大きな効果を発揮するでしょう。
実際に、暁の星の卒業生数名のインタビュー映像も会場に流されましたが、慶応大学やお茶の水女子大に進学し、専門知識をさらに深めようとしている彼女たちの様子は、年齢以上に大人に感じました。新コースが上手くいって、学習意欲にあふれる生徒さんが更に増えるといいですね。
木村達哉先生の講演
説明会の前半では、私立の灘高校や西大和高校で英語を指導され、「ユメタン」という単語帳を出されている木村達哉先生のお話がありました。現在は教職の現場からは離れ、福島県と沖縄県でNPO法人を立ち上げ、現地の高校生たちを招待して、地元の問題(福島なら原発による農作物の風評被害について、沖縄なら米軍基地の問題について)を取り上げながら、無料で英語を教えているんだそうです。
福島原発の事故が起きたのは2011年ですが、未だに「福島県の農産物は放射能に汚染されていて・・・」という風評被害があるんだそうです。その結果、農業をやりたいと考える子どもたちが、農業を諦めて大学に進学をせざるを得ない状況がある、けれど現場の先生たちに大学進学をさせられるほどのノウハウが足りない・・・。木村先生は、そんな福島の子供たちや教育現場の手助けをされているんだそうです。
そして、「学校の先生を辞めたら、自分のやりたかったことをやろう!」ということで、実は今月、絵本作家としてデビューされています! ただ思いつきでデビューされた訳ではなく、美術系の専門学校にも通われたということで、ガチの本気の絵本(?)です。笑
この本、近々教室に置きますので、皆さんもぜひ読んでみてくださいね!
木村達哉先生のホームページはこちらです。「キムタツチャンネル」というYouTubeもされているみたいですね。
落ち着いた関西弁の語り口調で、少しお話を聴いただけでも、「この先生の授業って間違いなく面白い。」と感じられる雰囲気がありました。あまりの面白さ、惹きつける力に感動して、講演会後に「なんで先生のお話しってそんなに面白いんですか?」と、突撃で質問しちゃいましたからね。「いや、そんなにオモロくはないやろ?苦笑」と言いながら、ちょっとだけヒントをもらいました。
YouTubeチャンネルをご覧になれば、きっと私が言っている木村先生の雰囲気が、少しは伝わるんじゃないかと思います。
「僕の家は、甲子園球場のすぐ近くにあるんですけど、僕は中日ファンなんですよね。あっ、広島に来た時は気ぃつかって赤い帽子被りますけどね。鈴木誠也のユニフォームも持ってるけど、メジャー行っちゃったから、次は菊池あたりのユニフォームを買わないと。笑」
「(智辯和歌山や大阪桐蔭など、高校野球名門校の球児たちの写真をスライドで写しながら)なんでかは分かんないんですけど、『ユメタン』を使っている高校って甲子園によく出るんですよね。(さらにたくさんの高校球児たちのスライドを見せながら、)・・・なんででしょうね?笑」
など、場を温めるために軽快に語ってくれた後、『自立した学習者とは』というテーマでお話しをしてくださいました。
まずは大きなテーマ、「教育シーンの変化について」です。
現在の日本は人口減少社会に突入しており、2030年には人口はここから更に1000万人ほど減って1.1億人になり、2050年には9500万人、高齢化率はおよそ4割になると言われています。人口減少・少子化というのは本当に深刻で、2018~2027の間で、大阪府の18歳人口は学校52校分消えてしまう。私立高校は「生徒募集」が本当に大変・・・、というお話しをされていました。子どもの比較的多い都会でさえそんな状況ですから、地方はもっと深刻ですよね。
この人口減と、近年のコロナ禍によって、今、学校教育では抜本的な改革の必要に迫られているということでした。今後、更に通信制の学校は増えていくでしょうし、学習塾に関しても、オンライン授業が増えていくでしょう。オンラインであれば、その場に教室を構える必要はないですから、お手軽です。近くに塾がなくて、塾に通えないという子も、ネット環境さえなんとかなれば、東京の一流の先生の授業が自宅で受けられます。だから、塾業界には今後どんどん大手のオンライン授業が増えていくでしょうし、新たな大企業が教育業界に参入してくることも考えられます。
我々塾講師も、しっかりと時代の変化に対応して、大手塾のオンライン授業に負けない付加価値をつけていかないと、生き残れないと思っています。
そこから、「数字を上げる先生の特徴」ということで、その特徴を3つ挙げてお話くださいました。本当に勉強になったので、この話は「内緒」にしておきます。笑
次に、「成績が上がる生徒の特長」を3つ挙げてくださいました。灘や西大和でたくさんの秀才たちを毎年見てこられた英語科の先生の言葉ですから、かなりの重みがある言葉のはずです。だから、これに関しては、講演を聞いた当日か翌日の授業中に、うちの生徒さんたち全員に話をしています! これも内緒に・・・したいなとは思ったんですが、通ってくれているみなさんの復習の意味合いもありますので、書いちゃいます!
①成績が上がるメカニズムをよく理解している生徒
成績を伸ばすのに大切なのは「自習時間」だそうです。理想的な勉強のサイクルは、「授業」→「復習」→「自習」→「質問」→「自習」→「質問」→・・・となること。まずは、授業が終わったその日にちゃんと復習をしておくこと、これだけでその日習ったことの頭の中への残り方が全然違うんだそうです。それを成績が上がる子はよく理解しているとのこと。そして、自習の時間に成績があがることをよく理解している子たちは、ちゃんと自分で勉強し、分からないことは質問しているんだそうです。
②大学進学がゴールではない生徒
大学への進学が、自分のやりたいことのスタートラインになっている生徒はしっかりと成績を上げられるんだそうです。これって、中学生たちに応用すれば、高校進学をゴールにしない、ということになりますね。それよりも、自分がその高校に入って、何をしたいのかをきちんと考えるのが大事ということです。私もその考えには100%賛同します。だから、オープンスクールで学校の雰囲気を知ったり、自分が進学した際のイメージを膨らませることは大切です。勉強が好きではないのに進学校に行くというのは、自分の可能性を狭くするような気がしています。それよりも自分のやりたいことで高校を選んだ方が、きっと高校生活を楽しめますし、将来につながります。大学、社会人と進んでいけば、出身高校がどこかよりも大事なことがたくさんありますからね。
③勉強の重要性と、その理由を理解している生徒
木村先生によると、勉強が重要であると言える理由は、「社会学的理由」と「教育経済学的理由」の2つがあるんだそうです。これは②とも関連している部分がありますね。成績を上げている生徒たちは、「ロボット工学を勉強して、介護用ロボットを改良することで、人を笑顔にしたい」、「日米地位協定を見直して、沖縄の人たちを幸せにしたいから、ちゃんと法律について勉強したい」(社会学的理由)、「医者なんかよりもこっちの方がもっとお金を稼げる、勉強をすることでたくさんお金をかせげるようになりたい」(教育経済学的理由)と、色々な理由から勉強の重要性を語ってくれるんだそうです。「世の中をよくするため」という理想も大事だし、「使えるお金がたくさんある」というのも幸せの1つの形ですからね。その夢のためには、自分はもっと勉強をする必要があると理解しているんですね。
じゃあ、それらをちゃんと生徒たちが自分で考えられるようになるためには、どうすればいいのか・・・ということですが、これに関しては、親・学校の先生・塾の先生・先輩・メディアなど、周りが言い続けて、本人に気づいてもらうしかないんでしょうね。
私もしっかりとその一翼を担いたいと思っています。
最後には、「現在の大学入試事情」についてもお話しをされていました。近年、国公立大学の人気が上がっており、その一方で私立大学の人気・レベルが低下しつつあるんだそうです。このあたりの考察に関しては、私も大学受験の指導を本格的にやっている訳ではないので、専門家の方々にお任せしたいと思っています。ただ、大学入試合格のキーワードは、「共通テスト」、つまり「高1・高2のの学習範囲」なんだとか・・・そうですね、大学入試こそ基礎・根本をきちんと理解することが大切だと思います。
まとめ
ということで、後半は暁の星の話以外のところでも盛り上がってしまいましたが、非常に得るものの多い、楽しい説明会でした。
最後に1つだけ、「入試日程」に関してです。
今年度の入試では、広島県の県立高校の入試改革が行われ、日程がこれまでとは大きく変わりますが、私立高校に関して、入試日程は、「例年とほぼ同じ」ということで確定しているそうです。これは先日の入試に関するブログでも触れましたが、私立は全校共通の決定事項のようですので、広島県内の高校を受験されるみなさんは、「私立は1月半ば、公立は2月末」ということで覚えておいてもらえればと思います。
また、暁の星の併願推薦は、今回の入試でも実施される予定だそうです。この紹介をしている時点で、既に6/18のオープンスクールは終わっていますが、夏休み前後で様々なイベントがありますので、併願先として興味がある方はぜひ参加してみてください!
まだまだ私も色々な高校について勉強中ですが、わかったことはブログに載せて、近隣の皆様と情報共有していきたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
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