【教室内紹介】英語補習終了!
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
現在、テスト直前の期間なので、集団授業は停止してみなさんにどんどん問題を進めてもらいつつ、分からないところなどは随時対応しています。定期テストの内容だけでなく、英検の英作文の添削を頼まれたり、学校の実力テストや尾道高校の模擬試験の解説を頼まれたり、逆にこちらから色々と話しかけて確認をしたりと少しだけ忙しくしています。
そして、この火曜日・水曜日のところでは、中学校の英語の教科書内容の補習を行いました。中3はほぼ全員参加だった一方で、中1・中2は数名だけの寂しい補習となりました。英語塾と併用されている生徒さんも何人かいますので、本当に必要が無いならもちろんそれでも構わないのですが、大丈夫かな・・・と少し心配でもあります。
春頃からずっと言っていますが、今年度から英語の教科書が変わり、内容に関してかなり難しくなりました。今回は、保護者の方にとってはあまり面白くないお話かもしれませんが、どれだけ難しくなったかについて、少しお話してみようと思います。
中1テキストのUnit5を比較
昨年までの教科書のUnit5の中心となる文法事項は、WhatやHowを使った簡単な疑問文の確認でした。ですが、この内容は今年度の教科書は既にUnit2で学習を済ませています。では、今年度の中1はUnit5で何を学習するのか・・・。
それは、「動名詞」「不定詞」「動詞の過去形」です。
「動名詞」と「不定詞」というのは、昨年度までなら中2のメインの文法事項です。動名詞を教えるということは、当然ingのつき方も教えなければいけません。これは本来なら、中1の終わりにやっていた単元でした。「動詞の過去形」も中1の終わり、つまりingのつけ方も過去形の作り方も、Unit10あたりで学習をするはずの単元です。しかも、過去形に関しては、edをつければ済む「規則動詞」ではなく、「不規則動詞」ばかり・・・。
ということで、中1の生徒さんには、「had, saw, went, ate, was, were…残念ながらこれって、覚え方とかないから、もうとにかく頑張って覚えて!」と、ほぼこれに近いことを言うしかありませんでした。 本当に大変だと思います。その他にも、前後のUnitを含めると、命令文、頻度を表す副詞、3単現などなど、色々な文法事項が登場して本当に大変だと思います。
単語もなかなか難しい・・・。swimming, sea, climbing, together, noodle, firework, delicious, wonderful, famous, favorite, nature, waterproof, local, shaved ice, dessert, borrow, moment, problemが、今回の試験範囲であるUnit5あたりに登場する単語ですが、今ここに紹介した単語の8割ほどが、「もう小学校で習っているから使えて当然だよね?」という感じで登場します。
しかし、小学校での英語の授業は、あくまでも会話中心のため、生徒さんたちは、単語のつづりなんてほぼ理解していないです。もちろんこれは、うちの塾や尾道市に限った話ではなく、全国的な傾向だと思います。つまり、その単語、聴いたことはあるけど、ほぼ初めまして、という状態です。そんな様子の、中学校に入った段階では例年と大して変わらない英語レベルの中1たちが、この短期間で、ほぼ0に近い状態からこのレベルまで英語力をつけないといけない訳です。
塾ではみなさんが、英語の教科書を勉強しやすいように、自作のプリントを配布しました。また、LoqLogでも単語の練習をすることが出来ます。色々とサポートをしていますので、頑張りましょう。補習に参加しなかった人でも参加してくれた人でも、英語の教科書を読んでいてよく分からないところがあれば、遠慮なく質問をしてください!
中2のUnit3を比較
中2に関しては、まず附属三原の教科書であるサンシャインでは、Program4で「比較」が登場します。比較と言えば、中2の冬のメイン文法事項という印象でしたが、今年は去年までと比べて、半年近く前倒しで教えなければならなくなりました。尾道市の教科書ではUnit6で登場するものなので、集団授業でもあまり授業をしておらず、附属三原の生徒さんたちへの補習は、テスト直前になってしまいました。申し訳ありません。
そして、尾道の教科書であるニューホライズンの去年と今年を比較してみると、どちらも扱っている文法事項は、「不定詞の3用法(名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法)」である点は同じです。しかし、一見同じに見えても、その中身が大きく異なります。
まず、新しい教科書では、不定詞とは言っても、去年までなら中3で習っていた「副詞的用法〈感情の原因〉」と、「It is … to ~」という構文が2年生に下りてきています。それはなぜか・・・。上でも書きましたが、不定詞の基礎はさらに中1に下りているためです。だから、生徒さんたちは同じ「to +動詞の原形」の形であっても、去年よりも多くのことを教えられているため、より多くの選択肢の中から、正しい解釈を考えなければいけません。
さらに、英文の内容自体が難しくなっています。英文の内容は、これまた同じで、去年も今年も「職場体験」がテーマでしたが、中身が新しい時代に合わせて、それなりに高度になっています。古い教科書だと、「新聞記者になりたいから、なでしこジャパンの選手にインタビューに行く」という内容でしたが、新しい教科書だと「AIの自動翻訳機能が普及すると、翻訳家の仕事が奪われてしまうから、翻訳家になるために今から何をすればいいのかを職場体験で質問する」という内容です。日本語で言われても少し難しく感じますよね?
もちろん、単語も難しいですよ。progress, disappear, career, according, translator, article, general, various, knowledge, strength, specific, relationship, effectively, misunderstand, necessary, connect, moreover, continueと、Unit3の一部でもこれだけ難しい単語があります。現在の高校生でも全部の単語の意味がスラスラ言える人は、成績上位の人だけでしょうね。
このように、内容はかなり深くて込み入った話になっているのですが、その分、英文の内容は面白くなっていると思います。AIの話に関しては、英文の内容とは少し外れましたが、広げて色々な雑談が出来ましたし、時計の歴史やホームステイのお話も、後ろで自習をしている中3がクスクスと笑ってくれたくらいなので、なかなか面白いお話だったのではないかと思います。
中3の内容も比較!
中3の内容に関しては、実は文法事項に関しては、今回はそこまで大きな変化はありません。「現在完了進行形」という高校1年で初めて習う単元が下りてきていますが、みなさん難なく対応出来ているような印象です。内容面に関してで言うと、Unit3の「アマゾンの森林破壊」のお話が、「世界の絶滅危惧種」のお話へと変わりました。中でも、「スマホなどに使われるレアメタルの採掘のために、野生動物の生息地が失われている」という、私たちも無関係ではない例などが出て来て、他人事に思わせない工夫がされていると感じます。
それ以外にも、ライティング課題では、「歩きスマホ厳罰化に対する是非」、Let’s Readのお話の最後にはオバマ大統領が広島で行った演説の内容などが追加されていました。これを英語で勉強するんですから、単語のレベルが難しくて大変な反面、この内容についていけるだけの英語力が、中学生のうちから身に付いていれば、今までの中学生にはないようなレベルの英語教育が、受けられるのではないかと思います。
Unit4では、避難訓練や避難所マップなどを外国人の方にもわかりやすくしよう、ということがテーマで、この内容と全く同じテーマが、昨年度の広島県高校入試の、国語の250字作文に出題されました。広島県の入試は、英語も国語も社会も、環境問題や、地方の過疎化の問題、若者の投票率の低下の問題、日本に住む外国人の方がかかえる苦労など、時事的な社会問題に関する出題も多いですから、英語の授業でもそうやって世の中の色々なことに触れられのは良いことだと思います。ゆくゆくは、尾道東の国際教養コースや、県立広島で行われているような、「英語ディベート」が、中学校でも出来るようになるんじゃなかろうか・・・。
中3の教科書はそんな未来を感じさせてくれました。そうなるといいですね。
・・・ということで、各学年の英語の教科書を見てみての印象などをダラダラと語ってきました。
この記事で伝えたいことは、教科書変わって大変になったでしょ?ですよね、なりましたよね~!という共感を得たい気持ちが半分と、「補習に来ていない子たち、めちゃくちゃ多いけど、本当に教科書の内容理解出来てるの?」という心配の気持ちが半分です。
教科書というのは、本当に大切で、教科書の内容さえ理解できていれば、一部の超ハイレベルな私立を除いて、基本的にはどの学校にも合格出来ます。ただし、なかなか1人では理解できないから、みなさんは学習塾に通い、英語塾に通い、分かりやすい参考書や解説動画を探し求める訳です。
英語に限った話ではありませんが、なんとなく理解をしている「つもり」になっていませんか? それが本当に理解出来ていたのか、実は大して理解は出来ていなくて、「つもり」になっていただけなのかは、定期テストの結果で判明します。困ったことがあれば、可能な限りお手伝いをしますので、ぜひ頑張ってください。
さて、英語の全体向け補習は終わりましたが、国文法もなんとかしなければいけないのでは、と思っています。このあたりは中学校ごとにでも、生徒さんを読んで補習をしていこうかと考え中です。試験まであと1週間を切った生徒さんたちが多いですよね。最後まで気を抜かずに、しっかりと走り抜けましょう!