【読書レビュー】サンキュータツオ『学校では教えてくれない!国語辞典の選び方』

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

本日より夏期講習後半戦が始まります!8/20は模擬試験日です。頑張りましょう!

お盆休み前の1週間とお盆休み明けの1週間は、朝は補習対応と授業準備、昼は中3の授業、夜は中1・2の授業ということでバタバタしております。ただ、夏期講習中は普段よりも10分長い50分授業なので、いつもより細かく授業をしたり、演習の時間を追加したり、充実した授業が出来ているように思います。

尾道東・尾道北・県広のオープンスクールに参加した中3の生徒さんたちはお疲れ様でした!

自分の行きたい学校に関して、しっかりと意志は固まったでしょうか? ここから模試の判定を見たり、自分の成績と志望校の差を見たりすることによって、心変わりすることもあると思います。ですが、現時点での目標が決まれば、その学校への『合格』ではなく、『上位合格』に向けて、もっともっと勉強を頑張らないとと、気持ちを引き締めてくれているのではないでしょうか。 県広が「特色枠」で内申重視の割合を設定することも、説明会で発表されたようですね!内申がしっかりと取れている生徒さんは、挑戦してみるのもいいかもしれません。

そして、お盆休みを利用してLoqLog大会も実施されました!結果発表はすぐに行いますので、みなさんが音読を頑張った結果は塾内で共有させてください!

では今回は読書レビューです。既に宿題の読書感想文を書き終わっている生徒さんもたくさんいらっしゃると思いますが、もしよろしければ、読書感想文を書く本として、こちらの本を使ってみてください!

サンキュータツオ『学校では教えてくれない!国語辞典の選び方』

塾には生徒さんの勉強用に色々な辞書を置いています。テスト前には何人もの生徒さんが英和辞典・和英辞典・国語辞典を利用してくれています。国語辞典に関しては、中学生用の国語辞典と『新明解国語辞典』を置いています。

なぜ『新明解国語辞典』を教室に置いているのかというと、私が高校時代に学校指定で利用していたからというのもあるのですが、一番の理由は、この辞書がユニークでちょっとクセの強い解釈がのっていることで有名だからです。

詳しくは省略しますが、手元に『新明解国語辞典』がある人はぜひ、「恋愛」「動物園」などの意味を調べてみてください!

そしてふと、辞書の面白さについて書いてあるような本はないだろうかと探していたところ、こちらの本にたどり着きました!

著者のサンキュータツオさんは、早稲田大学の大学院をご卒業され、お笑い芸人でありながら、日本語学者・大学教員でもあるという異色の経歴を持つ方です。ネットで検索したところ、公式YouTubeチャンネルもあるようでしたので、気になる方はぜひ調べてみてください。

ホームページに載っているこの本の説明は以下の通りでした。

辞書の世界がもっと深く楽しめる!

朝日新聞「天声人語」で紹介! 辞書の世界をのぞいてみよう

芸人ならではの切り口で、代表的な国語辞典を例にとりながら、語数、品詞、デザイン、歴史、用例、語釈などから辞書の魅力を多面的に紹介。あなたの知らないディープな辞書の魅力がここに!(イラスト:宮尾和孝)

【目次】
この本に登場する主な辞書
自分だけの一冊がわかる!? オススメ辞書占い
はじめに
第一章 広くて深い辞書の世界をナビゲート
1.国語辞典は、みんなちがう!
2.国語辞典のルーツ
3.辞書の中にもブランドがある
4.国語辞典は二冊持つ時代
5.なぜ、こんなに多様化したのか?
6.忘れちゃいけない文法問題
7.辞書のディテールを楽しむ
第二章 タツオセレクト! オススメ辞書ガイド
1.キャラクターで解説! 個性派辞書図鑑
『岩波国語辞典』
『新明解国語辞典』
『明鏡国語辞典』
『集英社国語辞典』
『新潮現代国語辞典』
『ベネッセ表現読解国語辞典』
『角川必携国語辞典』
『新選国語辞典』
『三省堂国語辞典』
『日本語 語感の辞典』
『基礎日本語辞典』
コラム『基礎日本語辞典』著者 森田良行先生にインタビュー
2.まだまだある! 紹介したかった「国語辞典」たち
3.タツオオススメ「辞書関連本」
ことばのぬまのおくがき
文庫版あとがき
解説 三浦しをん

実際に読んでみると、本当にディープな本でした。国語辞典が作られるまでの色々な人の想いを知ることが出来ましたし、同じ国語辞典でもそこまで違うのかと、感心する内容もたくさんありました。ますます国語辞典のことが好きになりました。

私がどれだけこの本から影響を受けたかというと・・・

文章を書く人にとっては、細かな言葉の使い分けが載っている『ベネッセ表現読解国語辞典』がおススメと本に書かれていましたので、中古で買ってしまいました!

開いてみると『新明解国語辞典』との違いは一目瞭然!生徒の皆さんもぜひ教室で2つの辞書を見比べてみてください。そして、このブログを書く際には、ベネッセの辞書も使いながら、正しい日本語で書いていきたいと思っています。

この本のレビューを見ていると、私以外にもこの本を読んだことで、国語辞典複数持ちになった人が多数! そんな風に他人に影響を及ぼすぐらいの情熱をもって書かれた本だということです。

さて、ここまで読んでも、別にこの本に魅力を感じないと思った方のために、冒頭の部分を引用してみます。

 さっそくですが、国語辞典について、こんなふうに思っている人はいませんか?

・どれも似たり寄ったりだ。

・中学校入学のときに買った一冊を使えばいい。

・ことばの正しい意味が載っているだけでしょ。

・授業で必要だから買ったけど……。

・読めない字があって、よほど困ったときにだけひくもの。

・ひいても、自分の疑問や迷いを解決してくれない。

・解説の羅列だけでおもしろくない。つまらない。

残念ながら、これらはすべてまちがいです。

私たちは何かを選ぶとき、自分の目と耳を信じて選びます。でも、迷ったり、よくわからないときは、情報誌を読んだり、専門家やよく知っている人の意見を参考にしたりしますよね。

洋服を買うのであれば、ファッション誌を読んだり、ネットで調べたり、詳しい友だちに聞いたり……。さまざまな情報を集めてみると、自分の好きな服と自分に似合う服はちがうことがわかることもあるでしょう。そして、自分にとって特別な一着を手に入れ、大切に着る。

では、国語辞典を選ぶときはどうでしょうか? 国語辞典となると、情報誌や詳しい友だちというのがなかなか見つけにくいのではありませんか。

でも、あなたは国語辞典を生涯で何度か買うはずです。そこで、中・高生はもちろん、ちがいのわかる、「選んで」「遊ぶ」ことができる大人ならなおさら、国都時点について少し知っておくといいんです!(独断)

この本はどのページを開いても、「国語辞典、超おもしろい!」と、思っていただけるようなつくりにしました。読み終えるころには、みなさんも辞書を楽しめるようになるはずです。

『学校では教えてくれない!国語辞典の選び方』p.14-16

こんな風に自信満々に書かれていますが、実際この本の中では、国語辞典を『擬人化』するところまでいっちゃってます。笑

戦艦・競走馬・元素・刀剣・温泉・大学・・・などなど、世の中には色々な擬人化がありますが、辞書の擬人化というのは初めて聞きました。

「オススメ辞書占い」なんていう言葉も、初めて聞く人が多いのではないかと思います。

このそれぞれの辞書の特徴の解説については、本の中の第2章に書かれていますので、第1章を読み飛ばして、「オススメ辞書占い」で自分のおススメ辞書が分かったら、そのページを読んでみるところから始めるのも良いのではないかと思います

そして、心と時間に余裕がある方は、ぜひ第1章の部分もしっかりと読んでほしいです。

皆さんにとっては言葉の意味を調べるのに辞書を引くことなんて当たり前のことですが、辞書がまだ作られる前の時代に、一冊目の辞書を作った人はどんな人だったのか、ちょっと考えてみてください。この本の第1章には、そんなことまで書かれています。自分が頭の中に思い浮かんだ言葉について、それがどういう意味で世間で使われているのかを考え、それを言葉にしていく。時には友人や家族に相談をしながら、慎重に慎重に1つ1つの言葉とその意味を考えていったと考えると、途方もない作業だということが想像できます。

そして、そうやって作られた全ての国語辞典(日本語辞典)の始まりの辞書が、なんと20年近くの年月をかけて作られたということなんです!20年ですよ。そんなに長い期間、言葉について考えるなんて・・・本当に大変ですよね。そこから、一冊目の辞書を参考にして、色々な辞書が作られていき、出版社ごとにそれぞれが特徴を出すようになったお話など、非常に面白かったです。

皆さんが辞書と言われて思い浮かべるであろう『広辞苑(こうじえん)』の特徴や、日本最大の辞書である『日本国語大辞典』についてのお話、どの辞書にも必ずある、辞書の最初のページに書かれている編者のコメントから分かる熱い思い・・・などなど、色々なことが分かります。しかも、著者のサンキュータツオさんはお笑い芸人もされている方ですから、お笑い芸人さんならではの、とっつきやすい話し言葉の文体で書かれているために、この本の文章は中学生でも割とすんなりと読めるのではないかと思っています。

ということで、こちらの本も近々教室の棚に置きますので、気になる生徒さんはぜひ読んでみましょう!

お盆休み中は少しバタバタしておりまして、更新が途絶えましたが、ここからはもう少し頻度を上げて更新していくつもりですので、よろしくお願いいたします!

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