【読書レビュー】福田秀『スタンドUPスタート』

みなさん、こんにちは!

進学塾ライトアップ、代表の西川です。

月曜日もお休みをいただきます。

火曜・水曜と14時から教室を開けますので、

よろしければご利用ください。

さて、突然ですが、

「みなさんが、将来なりたい職業はなんでしょう?」

うちの生徒さんに聞いてみると、

「学校の先生」「考古学者」「アナウンサー」

「医者」「マツダの自動車のデザイナー」などなど、

みなさんそれぞれに、色々な夢があります。

今回の読書レビューは、作品自体の紹介に入る前に、

まずは子どもたちの調査結果から見ていきます。

「なりたい職業ランキング」(ベネッセ調べ)

ベネッセが2020年12月に、

高校生を対象に調査したランキングがこちらです。

https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/jobranking/naritai/

1位:看護師

2位:地方公務員

3位:プログラマー

4位:システムエンジニア

5位:保育士

6位:薬剤師

7位:管理栄養士、栄養士

8位:心理カウンセラー

9位:高校教諭

10位:歌手、ミュージシャン

10位:ゲームクリエイター

https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/jobranking/naritai/

私が印象的だったのは、コロナ禍の現在、

医療関係者の方には、風評被害や長時間労働など、

色々とネガティブなニュースもある中で、

看護師がトップであることです。

やっぱり子どもたちは、真面目なんですね。

みんな世の中を良くしようと、

自分に出来ることを考えているんだと思います。

また、プログラマーやシステムエンジニアなど、

IT関係の職業が上位にいることも印象的でした。

今、小学校ではプログラミングが必修化されています。

パソコンやインターネットを全く使わない会社というのも、

今はほとんどないでしょうから、

社内のメールシステムやホームページの管理などが

出来る専門家は、大きい会社ほど必要です。

YouTubeやSNSなどへ動画を上げる際の動画編集なども

今は必要とされているんじゃないでしょうか。

人気職業ランキング(13歳のハローワーク調べ)

こういうランキングは、色々なところが調査していますので、

別のものも見てみたいと思います!

うちの教室にも置いてある、

色々なお仕事が紹介されている本、『13歳のハローワーク』。

こちらの公式サイトに2021年の3月にアクセスされた

アクセス数を基にランキングしたものがあります。

https://www.13hw.com/jobapps/ranking.html

1位:プロスポーツ選手

2位:YouTuber

3位:薬剤師

4位:医師

5位:ゲームクリエイター

6位:宇宙飛行士

7位:声優

8位:公務員[一般行政職]

9位:イラストレーター

10位:金融業界で働く

11位:獣医

12位:編集者

13位:パティシエ

14位:看護師

15位:美容師

https://www.13hw.com/jobapps/ranking.html

ということで、こちらはちょっと、

小学生感が少し強くなりました。

YouTuber、ゲームクリエイター、声優、イラストレーター

このあたりが人気上位に来るのも、今風な気がします。

「金融業界で働く」が10位に入っているのは、

半沢直樹の影響でしょうかね?

周りの人が不正をする人だらけでも、

香川照之さんみたいにものすごいリアクションをされたら、

カッコよく思えちゃうんでしょうか・・・笑

「大人になったらなりたいもの」(第一生命調べ)

こちらは、第一生命が、

小学生・中学生・高校生を対象に調査をしたものです!

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_102.pdf

小学生はこちら

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_102.pdf

中学生、高校生はこちらです。

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_102.pdf

こちらの調査では、なんと各世代・男女で

「会社員」が上位にランクイン。

コロナ禍の影響で自宅で仕事をする家族の姿を見て、

お仕事のイメージがついたため、

人気になったのではないか、

と言われていますが、どうなんでしょうかね?

ここまで見て来て・・・

ここまで、ネットで調べて出てきた、

3つの調査結果を見てきました。

3つの結果どれでも共通して人気の職業がある一方で、

調査によって、結果は割とバラバラ。

もっと違う所が調査したものなら、

もっと違う結果になるでしょうし、

調査をする「時期」が変われば、また結果も大きく変わるでしょう。

(オリンピックやワールドカップなどで、日本が活躍すると

 その種目の競技人口が急増すると言われますし。)

やはり、色々な資料を見てみる、

1つのデータだけを信用しないというのは、

メディアリテラシーが大切な現代において、

みなさんに覚えておいてほしいですね!

そんな「お仕事」系のマンガでも異色のものをご紹介!

閑話休題。

ここまで、色々なアンケート、ランキングを

見てきましたが、自分に向いているお仕事を

自分で始めることをテーマにしたマンガ。

本日は、「起業」をあつかったマンガのご紹介です。

https://youngjump.jp/manga/sus/

かつて世界中を席巻した日本的経営。

三種の神器「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」だけではもう戦えない!

昭和、平成、そして令和。新次代の働き方、その正解は?

「起業」という選択肢を識れば、現在と未来がみえてくる――。

起業後進国・日本を起業先進国へ!!

TVドラマ化もされた大人気「ドロ刑」の実力派が贈る

シン・時代の働き方UPデート→UPグレードコミック!!

HP( https://youngjump.jp/manga/sus/ )より

会社のお荷物社員、内定がとれない就活生、専業主婦・・・

一見すると、仕事が出来なさそうな人たちに目を付けて、

彼らの強みを見つけて、

起業してもらう「人間投資家」の

三星太陽が主人公のお仕事系マンガです。

『スタンドUPスタート』第1巻 (集英社) p.32,33より

この三星さん、一見するとチャラ男で

悪い顔していますが、こう見えて人の才能を見抜くプロです。

だからこそ、会社でお荷物と言われたり、

自信を無くしている人を見つけてたりしては、

独立・起業をアシストしています。

一見すると、使えない、ダメとレッテルを貼られた人たちが、

見事に再生して、自分の強みを活かして活躍する様子は、

見ていてとても楽しくなりますし、痛快です。

『スタンドUPスタート』第1巻 (集英社) p.123より

子どもが大きくなり、

生まれて初めて仕事を始めた専業主婦のお母さん。

お仕事経験はゼロですが、

三星さんはこの方の「ある能力」に目を付け、

老人ホームの管理人として雇うことを経営者の方に勧めます。

初めてのお仕事が楽しいというお母さんに、お父さんは冷たく、

「専業主婦(ままごと)しかしてこなかったもんな」

と、言い放ちます。

ですが、このお母さんを雇った老人ホームは大成功。

その結果、彼女はマンションの管理人として、

独立することになります。

なぜ、入居者が増えたのか。

それは、専業主婦として、「家を守るプロ」としての

能力が素晴らしかったからです。

『スタンドUPスタート』第1巻 (集英社) p.134,135より

とても面白い回でした。

経済が豊かになり、大企業が増えてくると、

新しく会社を作りたい、起業したいと思う人は

どんどん減っていくそうです。

たしかに、その気持ちは理解できます。

私も独立して塾をやっていますが、もし事業に失敗すれば、

その責任は全て自分で負わないといけないですからね。

怖いと思うのも当たり前です。

だから、今の日本には、わざわざ自分で起業したい

と思っている人がとても少ない。

公務員や大企業や医療系など、

「安定している」と言われる職業を希望する人が多い。

ですが、経済のニュースを見ていれば、これからの日本は、

少子高齢化で人口が減少し、経済は衰退していくと言われています。

ということは、今ある企業が数十年先もあるとは限らないし、

今ある企業が安定していないとなれば、

今後は、独立・起業して自分の会社を持ちたいという人が

少しずつ増えていくということです。

なかなか、時代を先取りしたマンガだと思います。

お話自体の監修に、経営コンサルタントの方が入っているので、

読んでいて勉強になることが多いです。

日本は起業後進国

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/main_01/press001/GSE2019_1.pdf

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/000148.pdf

このマンガの作中に登場する、元データを探してみました。

経済産業省のGEM調査という調査の資料です。

GEMとは、Grobal Entrepreneurship Monitorの略で、

起業活動が国際経済にどのような影響を及ぼすのかを

世界規模で調査したもの、だそうです。

よくわかりませんが、なんだかすごそう・・・笑

この資料の中に、「総合起業活動指数(TEA)」

と呼ばれる指標の調査結果があります。

このTEAというのは、簡単に言えば、

「現在、新しい会社を作ったり、新しい事業を始めたり、

 なんらかの起業に関係した活動に関わる人の割合」ということです。

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/main_01/press001/GSE2019_1.pdfより引用

日本はこのTEAが、調査に参加した50か国中48位

この他、「自身に起業する力がある」と

答えられた人の数は、国別でダントツ最下位

起業浸透率が先進国平均約53%の中、日本は約17%

どうやら日本は、他の国と比較すると、

とにかく、「起業」だけは避けたい国のようです。

「コロナで自営業がこんなにも大変なときに・・・」

いえいえ、コロナだからこそ、

運送業・マスクなど衛生用品の関連企業・

IT産業・動画配信サービスの関連起業などなど、

業績を大きく伸ばしている企業だってもちろんあります。

大変だからこそ、生き残りをかけて

色々な企業や、自営業の方々が試行錯誤しています。

さいごに

生徒さんに、バンバン起業して危ない橋を渡れ!と

扇動しようという気持ちはないのですが、

世の中がどんどん変わっていく時代において、

大人たちがなかなか提案出来ない選択肢の1つとして、

頭に入れておいても良いのかもしれません。

私は交友関係があまり広くないのですが、

そんな中でもお会いして、

衝撃を受けた会社経営者の方が過去におりました。

自分の意志で独立・起業した人って、

実際にお会いしたときもそうだし、

渋沢栄一・岩崎弥太郎・本田宗一郎など、

大企業を作った有名人の本を読んでいてもそうですが、

人を惹きつけるエネルギーがあって、

話に説得力があって、

お話をしたり、本を読んだりしていて

本当に楽しいし、力をもらえるんですよね。

この塾から、そんな強烈なパワーを持った人を

輩出したいですし、そのためにも

みなさんを育てていきたいと思っています。

・・・ということで、中学生の皆さんには、

あまりピンと来ないお話もあったかもしれませんが、

興味があれば、こんなお仕事系の本も、

勉強の合間に手に取ってみてください!!

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