【高校紹介】広島県立西条農業高等学校(その①)
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
9/21日、9/22月はお休み予定です。(※変更がある場合は追ってご連絡いたします。)
今回は、以前うちの生徒さんからも志望校の候補にあがったことのある、とある実業系の高校を紹介します!

教育ネット21を通じて知り合った広島県の塾連盟の団体の方が、今回の「ツアー」を企画してくださいまして、私もその団体には加盟していないものの、特別に一緒に参加させていただくことが出来ました。その結果、普通の説明会では十分に知りえなかったような情報も、色々と聞くことが出来たと思いますので、気合を入れて紹介したいと思います!
広島県立西条農業高等学校

HP: https://www.saijyo-ah.hiroshima-c.ed.jp/
男女: 共学
アクセス: JR西条駅などからバス「西条農高前」下車
学科・コース: 園芸科・畜産科・生活科・農業機械科・緑地土木科・生物工学科・食品科学科
全県模試受験者平均偏差値:36.2~48.4
過去3年間の卒業生の進路・進学実績:
(園芸科)広島大学、島根大学、鳥取大学、山口大学、近畿大学、広島県立農業技術大学校、西条町森林組合など
(畜産科)広島大学、帯広畜産大学、島根大学、宮崎大学、比治山大学、尾道医師会専門学校など
(生活科)県立広島大学、広島市立大学、安田女子大学、呉医療センター附属呉看護専門学校など
(農業機械科)広島市立大学、佐賀大学、近畿大学、広島自動車大学校、海上自衛隊など
(緑地土木科)山口大学、島根大学、公立鳥取環境大学、広島工業大学、広島県庁、広島市役所など
(生物工学科)広島大学、島根大学、山口大学、鳥取大学、近畿大学、広島県立農業技術大学校、広島県警察など
(食品科学科)県立広島大学、島根大学、近畿大学、広島商船高等専門学校、八天堂、広島県職員行政一般事務など
ということで、西農(さいのう)こと西条農業のご紹介です!
創立115年、卒業生は25,000人以上で、市議会議員や地元企業などに多くの卒業生を輩出している実業系の高校です。農業高校では、現時点で全国唯一のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)で、今年で14年目を迎えています。アメリカ・イタリア・フィリピンに姉妹校があり、偏差値の割には国際交流も盛んですし、近くにある広島大学との連携もさかんです。
学科は上でもご紹介したように、7つあります。
園芸科…野菜・草花・果樹の専門的な栽培技術や販売を学習
畜産科…家畜の飼育管理、食肉の加工、動物バイオテクノロジーについて学習
生活科…保育・食・健康を中心に実践的・体験的な学習
農業機械科…機械の設計・加工・制御などを学習
緑地土木科…測量・土木構造設計・土木計画・土木施工・造園計画などを学習
生物工学科…食料・環境・エネルギーなどの問題解決に向け、植物・微生物に関するバイオテクノロジーを学習
食品科学科…食品の製造・流通・販売、栄養素の分析、微生物の利用について学習
ということで、各学科にそれぞれ特徴があります。学科によって異なりますが、危険物取扱者・測量士補・園芸装飾技能検定・造園技術検定・フォークリフト・アーク溶接など、色々な資格取得もできるようです。
中学生の皆さんが高校受験をする際は、各学科それぞれ1クラス40名ずつの募集しかありませんから、3年間同じメンバーで学んでいくことになります。しっかりと情報収集をして、自分のやりたいことや将来のことを考えながら学科を選ぶべきでしょう。
進路や卒業研究、学校での勉強に関して
生徒の卒業後の進路に関しては、8割が大学・短大・専門学校などへの進学で、残りの2割が就職です。偏差値だけを見れば、特に塾に通わずに勉強をしていても入れる子もたくさんいるであろう学校ですが、そこから国公立大学へ毎年20~30名の生徒さんが進学をされるということで、とても面白い学校だと思います。
ただ、大学入試に関しては、いわゆる一般入試で戦うというよりは、卒業研究を通して専門知識を高めていき、推薦入試を狙うスタイルになります。共通テストを受けて2次試験で・・・という普通科のスタイルで受験をするタイプの学校ではない点はご注意ください。その結果、上でも紹介したように、広島大学をはじめとする近隣の国公立大学への合格者もしっかりと出されてます。
学校のすぐ隣には「広島中央サイエンスパーク」という大学や民間の研究用施設があり、生徒たちの授業や卒業研究の一環で、そちらを使わせてもらうこともあるようです。(この施設では、色々な企業が極秘研究を行っていることもあるようです。)
この施設を利用させてもらうこともあれば、広島大学と連携をすることもあるようで、それもあってか研究結果がとにかくしっかりしていてすごいと感じました!







私も良く分からないような単語が並んでいて、本当に生徒たちが真剣に研究をしているんだろうなと感じます。
生活科の「農業女子たちが昆虫を育てて食べる!!」は、タイトルにちょっとユーモアのセンスもあっていいですよね。昆虫食・・・今後世界で起こるであろう食料不足問題を考えるなら、いずれは避けては通れないテーマになるでしょう。
学校の敷地内には、今まさに研究をしているのであろう田んぼもありました。

お米はすでに収穫し終わっているのだそうですが、一部研究用のお米だけはまだ残っていました。「酒粕が酒米の高温ストレス耐性を強化するのか」の研究でしょうか。ここ数年暑いですから、こういった農産物の高温ストレス耐性を研究するというのは、農家さんにとっても相当ありがたい研究なんだろうと思っちゃいますね。
尾道北や尾道東などの総合学科や普通科の学校の授業というのは、国語・英語・数学など、中学校で勉強していたような科目だけで年間30単位ですが、西条農業はそういった普通科の授業単位が20単位で、残りの10単位がいわゆる専門教科の勉強になるのだそうです。専門教科では、高校1年で「アグリサイエンス」、高校2年生で「グローバルサイエンス」「データサイエンス」という授業があり、そこで学んだことや各自の問題意識を通じて、高校2・3年生の2年間で、「課題研究」という卒業研究を行うのだそうです。課題研究に関しては、先輩たちがやっていた研究を後輩が引き継いで、その後の研究をやっていくこともあるようです。
例えば、普通科の英語や数学や国語の授業を受けていても、「古文とか微分積分とか・・・それが将来一体何の役に立つの??」と、疑問を感じながら授業を受けている生徒も、それなりにいるのではないかと思います。ですが、西条農業では、生徒たちは1年生から実習服を着て、農業に関わる色々な実習・研究を行います。そこで、目の前にある問題・課題と向き合い、課題解決に向けた研究を行っていけるというのは、きっと生徒たちの「勉強に取り組む姿勢」も変わってくるんだろうと思います。実際、教頭先生からも、「姉妹校の学生たちと一緒に勉強をしていく中で、自分の英語力の低さを痛感して、英語の授業に真剣に取り組むようになった生徒もいる。」というお話を聞けました。
と、このように、研究施設を利用できる、大学との高大連携もある、授業の専門科目や課題研究が生徒の意識を高めてくれるということで、決して高校受験の偏差値だけでは測れないような魅力のある学校だと感じます。
そしてそれに加えて、お話を聞いていて感じたのは、卒業生たちで構成される同窓会の強さでしょうか。
高校の敷地内には立派な同窓会館が建っていました。地元の企業と協力して商品を作ったり、オリーブオイルを絞ったあとのポマスと呼ばれる搾りかすや、無洗米を作るときの米ぬかやとぎ汁などを地元の農家さんからもらって、それを家畜の餌に混ぜるなどして、うまく再利用するようなSDGs的な取り組みを生徒たちが行っています。
学校紹介のパンフレットと一緒に、同窓会の会報もいただきましたが、会報を出すにあたってのスポンサー企業だけでも、50社を超える地元企業さんが出資しているようです。


こうした、高校と企業のコラボ商品を見ていても、地元の企業や農家の方々から応援されている高校なんだろうなというのが分かります。
その他、学校生活に関して
ということで、ここまで勉強面での話を中心に見てきましたが、西条農業を目指す生徒さんたちにとっては、魅力は勉強面以外のところにもたくさんあるはずです。そちらの部分も見て行こうと思います。
まず最初にお伝えしておきたいのが、西条農業・・・めちゃくちゃ広いです!


敷地の面積はなんとマツダスタジアム11個分!ということで、校内を紹介するためにわざわざ学校のマイクロバスに乗せていただいてしまいました!(生徒たちはバスには乗れないようなので、敷地内を徒歩で移動します。)



農業をやっているハウスもあれば、男子寮もあれば、家畜の飼育場も、作った農産物を売るための市場もあります。農産物に関しては、覚えているだけでもブドウ・米・シクラメン・イチゴ・サトイモなどなど、・・・もっとあったはずですが忘れました笑
文化祭や、毎週金曜日の夕方に実施される「西農市場」などで、生徒たちが作ったものを販売しているそうで、ブドウも野菜も手作りのジャムも大人気なんだそうです。(数年前までは、鶏肉が大人気だったそうですが、今は鳥インフルエンザの防疫の点で、鶏の飼育はかなり制限をしており、販売はされていないそうです。)
また、生徒たちは自分たちが作った農産物を一部家に持ち帰れるようです。お米なんて今めちゃくちゃ高いですから、きっと家族みんな大喜びですよね!
寮は男子のみで合計90名ほど入れるそうですが、そこまでいっぱいになることはないようです。野球部・陸上部専用の北寮と、その他の部活動の生徒たち用の南寮の2つがあります。
家畜の飼育場に関しては、まずウイルスを持ち込まないように、敷地内では私たちがバスから降りることは禁止されていましたし、バスも入口で消毒液が噴きかけられていました。ブタ・乳牛・肉牛・鶏・馬を飼育しているようで、家畜の糞を匂いの少ない肥料を作るための装置や、サイレージフィルム?と言われる牧草をまとめておく機械など、新しい装置も購入しているようです。

こちらのトラクター、奥にあるトラックと見比べてもらうと分かりますがめちゃくちゃ巨大なんですが、これで1,200万円するんだそうです! 古い機械もそれなりにありましたが、必要なものは新しい機材を購入して使っているという印象です。実際、学科の実習によってはドローンなども利用するそうです。
そして、部活動に関してです。
部活動は生徒の9割が加入していて、陸上・弓道・馬術はインターハイ(全国大会)にも出場しています。かなり前にはなると思いますが、野球部は甲子園に出場していましたよね? また、陸上に関しては、公式記録が取れる認定を受けたグラウンドがあるそうです。先日も今東京で開催されている世界陸上に出場しているメキシコ代表の選手と交流があったようです。
中でも馬術部に関しては、珍しい部活動ですから、日本全国から希望する生徒さんが集まってくるようです。

馬術部が乗る馬たちは、引退した競走馬だそうです。もしかしたら、現役時代は有名だった馬もいるのかもしれません。
敷地内には弓道場や武道場もあるので、こういった部活動を考えている生徒さんたちも、ぜひ入学を検討してほしいところです。
まとめ
ということで、写真もたくさん使いながら、この学校の魅力を紹介させてもらいました。
最後になって思い出しましたが、学校内では生徒さんたちが男女問わずしっかりとあいさつをしてくれて、私が今まで見てきたどの高校よりもその点では素晴らしかったです。部活動の影響なのか、地元の人たちと接する機会が多い影響なのかは分かりませんが、これだけでもこの学校の生徒たちを応援したくなりますね。
また、先生たちも生徒たちもなんだか楽しそうだったのも同じく印象に残っています。とある先生は、「今1年生はコットンを栽培していて、私の余裕があれば実際にそれを紡いてみたい。」とお話しされていました。農業系の授業を担当されているベテランの先生は「広島県内には農業系の学校が6校しかないので、そこをぐるぐる回っていくんだけど、私は西条農業に20年以上いる。」とお話されていて、その先生からは生徒たちの日々の学校の様子、頑張っている様子をたくさん聞くことが出来ました。また、ある先生の話では、「私の前任の〇〇高校よりも、生徒たちの顔が生き生きしています。」とのことでした。イヤイヤ勉強をさせられてなんとなく高校に合格して、高校に入ってからもイヤイヤ勉強をやって・・・という学校生活に比べれば、何か動物・植物・技術・家庭科などに興味関心がある子であれば、高校生活を楽しめるし、勉強に興味関心が向いてくれる学校だと思います。
ということで、この調子で高校紹介も再開していこうと思いますので、ご期待ください!


