【雑談】答えを見ちゃう症候群
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
土曜日は10時から教室を開けます。日・月はお休みを頂きますのでよろしくお願いします。
宿題をチェックしていると、模範解答と改行の仕方も同じ、一言一句全く同じで〇になっているのに、確認の小テストで全く同じ問題を出題すると全問ハズレ・・・という生徒さんを見かけます。
また、授業中に問題を解かせているときに、解答をワークの下に忍ばせて、チラチラとのぞいている生徒さんも・・・。
定期テスト間際になって、一生懸命ワークの答えを写してワークを真っ赤に染め上げている生徒さん。
問題を解くと答えを確認して、間違っていたら消しゴムで消して書き直し、〇をつける生徒さん。こんな子たちもいます。
とにかく、怒られなければ答えを見ちゃう生徒たち。間違えることに強烈な嫌悪感を感じ、自分の間違いは消しゴムで消して、〇をつけないと気が済まない生徒さんが、一定数います。直した方が良いということは何度も伝えているのですが、少し時間が経つとすぐにこの「手クセ」が再発してしまう・・・。
この「答えを見ちゃう症候群」に関して、この記事を読んでくれている生徒さんの中に思い当たる人がいれば、今すぐに辞めてほしい、ということを書いていきます。
まず、なぜ答えを見てしまうのか、答えを見るメリットは何なのか。
これは「自分が出来た気分を味わえる」という、「まやかし」でちょっとだけ気分が良くなる、くらいしか思いつきません。もしくは、幼いころに「こんな問題も出来ないのか!お前は馬鹿か!」と誰かに怒られたことがトラウマになって、心の平静を保つため・・・という子もいるのかもしれません。
むしろ、答えを見ることで「デメリット」の方が大きくなります。ということで、とりあえずパッと私が思いついた、答えを写すクセがつくことで起こる、良くない点を3つ挙げてみます。
①「あきらめグセ」がつく
特に記述問題を写すクセがある子がこれにあたります。解答に書かれている正しい解答じゃないと、出来た気がしない。だから最初から書かない。答えを写すクセのある子は、記述問題は全て赤字で書くか、一言一句、句読点の位置まで全く同じ解答を書きます。消しゴムで書き直して悪戦苦闘した後なんて、一つもありません。最初の一文字目から、というより、問題を解く前から書く気がない。ですが、これは広島県の高校入試を受験する場合に、致命的な問題です。広島県の入試は、選択問題・語句問題が少なく、記述問題の多さは全国屈指です。社会と国語に関しては、記述問題がたくさん出される難易度の高い問題ですし、数学も「説明」「証明」問題が毎年3題出題されています。それなのに、普段の授業や普段の宿題で、記述問題を書こうとする努力を放棄しているようでは、受験のときにも苦労します。それがまさかの不合格につながるかもしれません。
②人の話を聞かなくなる
授業中に考えるプロセスを教えても、写しグセのある子たちの頭には何も残りません。だって、この生徒たちにとって大切なのは「模範解答」と全く同じ解答をノートに書きうつすことですから。ノートに赤字で答えを書きうつせば、もう授業は聞かなくても、やったことになります。だって、正しい答えはもうノートに書いたもん。
・・・違うでしょ。これ、そろそろわかってくれないかな? 大切なのは、問題を真剣に読んで考えること、そして先生が教える「考え方の過程」を聞いて、それが模擬テストや入試本番で再現できることです。答えを写したあとは爪いじりをして、それで本当に点数があがるの?
③出来た気になって、自分が出来ていないことに気付けない
自分が解いたノートに〇がたくさんつくと嬉しいですよね。特に、最初は出来なかった問題が、頑張って出来るようになったなら、その喜びは格別です。大きな自信につながります。
しかし、適当に〇つけをしてついた〇なら、その〇には大した意味はありません。〇にしているけれど、実は間違えているという問題は、次もまた間違えるでしょう。間違って覚えた上から、新しいことを勉強していけば、もう訳がわからなくなって、勉強が嫌いになります。自分がどこでつまずいているのかが分かりにくくなっているので、自分でどうにかしようとしても、なかなか解決できません。そうなると、どうやっても〇がつかない・・・仕方ない、答えを写すかと、なってしまいます。とんでもない悪循環です。
けどそれって、まったく出来るようになってないんですよ。何も成長していない。無意味な時間です。
何回も何回も答えを写して、それでテストでは出来なくて悪い点数がついて、課題をたくさん出されてそれも写して・・・。罪悪感があるかもしれません。そんな気まずい状態をいつまでも放っておいて、いいことがあるの??
勉強が出来ない状態にちゃんと向き合わないと、いつまで経っても状況は良くなりません。出来ることから1つ1つ始めて、「出来ない」「わからない」でごちゃごちゃにもつれた、頭の中の糸をほどいていかないといけません。それをしないと、いつまでも勉強が追いつきません。
勉強についていけないから、授業中は先生が何を説明しているのか分からなくて眠いでしょう。だから、ますますわからなくなって、どんどん勉強で置いて行かれて・・・。たぶん、そんな状態にならないと、「やばい」って気づけないんです。だって、ノートを見返せば、たくさんの「偽物の〇」があなたを出迎えてくれるから。それを見ると、なんだか自分は出来ている気になりますから。
夏期講習中に各学年に話をしました。「先生がみなさんの宿題を回収して、1つ1つチェックをするのにものすごい時間をかけているのは、皆さんが出来るようになってほしいから、それだけなんだ。」と。「だから、宿題は自力でやってほしい。いいかっこなんてしなくてもいい。分からないなら、質問に来てほしい。質問に来れるっていうのは、『自分が何を理解できていないか』が理解出来ているってことだから、それだけでも1つレベルが上がっているんだよ」、という話をしました。
どうか、この話を自分には関係のない話だと思って、聞き流さないでほしい。今は勉強内容が理解出来ていて、十分についていけていたとしても、手を抜き続けていれば、それがどんどん大きくなって、いつかはあなたも「答えを写す側」にまわってしまうかもしれないから。もしかしたら、高校に入って勉強内容が一気に難しくなったときに、この状態に突入してしまうかもしれないから。
ということで、2学期が始まったばかりですが、こんなことを書かせてもらいました。2学期は、部活での役割が変わったり、クラスの友達ともなじんできて、遊ぶことの方が楽しくなったり、夏休みにYouTubeを何時間も眺めていても、うるさく言われなかった流れのまま、勉強をせずに動画を見続けてしまったり、とにかく勉強以外のことが楽しくなってくる時期です。
いつも真面目、いつもカンペキではいられないかもしれないから、時には魔がさしたっていいと思います。ただ、それを続けているようでは、みなさんの目標に影響が出るかもしれません。
西川先生は、「こんな問題も解けないのか」というセリフは、受験直前でもたるんでいる受験生にしか言いません。ですので、とにかく質問に来てほしい。模試の解き直しをしていて、分からなかったところ、前回の授業で引っかかっているところ、〇つけをした後で見直しをしたけれど、どうしても納得できなかったところ。その「分からない」と気づけたことが、みなさんの将来の財産になります。
もちろん、特に聞きたいこともないのに無理に質問をする必要はありませんが、「せっかくライトアップに通っているんだから、西川先生を質問漬けにして使いまくってやろう!」というくらいの気持ちを持ってくれていると嬉しいです。皆さんの成績を上げる力になりたいので、自分は「答えをみちゃう症候群」かな?と思った人は、その瞬間から克服していこう!