【雑談】部活動は「地域クラブ」移行か?今後の学習塾のあり方を考える
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
シルバーウィークの19(土)は10時から、20(日)~23(水)は14時から教室を開けています。頑張りましょう!
現在、日本の教育現場やスポーツ・文化活動のあり方が大きな転換期を迎えています。その中心にあるのが、「公立中学校の部活動の地域展開(地域クラブへの移行)」です。
広島県内でもこの動きは本格化しており、公立中学校部活動の地域展開等の取組 | 広島県教育委員会のホームページでは、今後の方向性について詳しく紹介されています。少子化の進行によって学校規模が縮小し、生徒たちが選べる部活動の選択肢が減少している現状を受け、将来にわたって子供たちのスポーツや文化芸術活動の機会を確保するため、これまで学校内で運営されてきた部活動を広く地域に開き、「地域クラブ活動」として進めていくという方針が示されています。
全国で進む「地域クラブ」への移行事例
全国を見渡すと、すでにこの動きは先行して始まっています。山口県の防府市をはじめ、兵庫県神戸市、そして京都市などの導入事例を見てみると、休日の部活動から段階的に地域のスポーツクラブや民間団体、文化組織へと運営主体を移行する取り組みが進められています。
これまでの部活動は、どうしても大会での成果や競技で勝つことを求める傾向が強い側面がありました。しかし、地域クラブへの移行後は、競技性のみに偏重するのではなく「生涯にわたってスポーツや文化芸術活動を楽しむための資質・能力を育てること」へと主な目的がシフトしようとしています。さらに、学校の先生以外の多様な大人と関わることで、これまでの学校の部活動にはなかった新しいジャンルの活動を体験できる機会が増えることも期待されています。
また、今は生徒数の減少や夏の暑さの深刻化によって、サッカーや野球などの人数の必要な団体競技は、中学校から少しずつ消えつつあるように思います。地域のクラブであれば、人数の確保が出来て、「サッカーをやりたいのに、中学校で11人そろわないからできない…」といった悩みはなくなるかもしれません。
それに、もしかしたら、地域のお祭りなどの伝統を継承していくという意味では、この変化によって縦のつながりが出来ることは、地域にとって良いものになるかもしれません。以前、福山市加茂町にある「かんがる~塾」という塾にお邪魔した際にも、同様のことを感じました。その塾では、生徒たちは勉強を教わりながら、地域の人たちとボードゲームをやって、つながりを深めていました。もっともっと地元のことが好きになってくれたり、地域の行事に積極的に参加できるようになることは良いことのように思います。
地域移行がもたらす「部活動の夜間化」問題
一見するとメリットの多い地域展開ですが、子どもたちの「放課後のライフスタイル」には劇的な変化をもたらします。その中で最も大きな影響が予想されるのが、「活動時間の夜間化」です。
従来の部活動は、放課後の16時から18時頃まで、学校のグラウンドや体育館を使って行われるのが一般的でした。しかし、地域クラブの運営主体となるのは、学校とは異なるスポーツ団体や文化芸術団体などです。実際の指導にあたるのは、日中に別の仕事を持っている地域の社会人や民間インストラクターが中心となります。
指導者が集まれる時間、そして地域の公共施設(体育館や公民館など)が確保できる時間を考慮すると、どうしても活動開始時間が遅くなり、「19時から21時」といった夜の時間帯にクラブ活動が行われるケースが増加するのです。 また、活動場所が学校から地域のスポーツセンターなどに変わることで、保護者の方による夜間の送迎負担が増加することも懸念されています。
今後の学習塾はどう変わるべきか?
ここで大きな課題となるのが、私たち「学習塾」との時間のバッティングです。
中学生にとって、夜の19時〜21時といえば、夕食や入浴を済ませて「塾で勉強する時間」として定着しています。地域クラブの活動時間が夜にスライドすれば、これまで通り夜間に集団授業を行う学習塾に通うことは、物理的に難しくなってしまいます。
このような環境の変化が訪れたとき、学習塾のあり方も抜本的な変革を迫られることになります。今後、地域クラブへの移行が本格化した場合、塾は以下のような形態へと柔軟に変化していく必要があると考えています。
1. 放課後から夜までの「すき間時間」への展開
地域クラブが始まる前の時間帯、つまり学校が終わってから夕方の「16時半〜18時半頃」に学習指導を展開するスタイルです。生徒は学校から一度塾へ直行(または帰宅後に通塾)し、勉強を終わらせてから夜のクラブ活動へ向かうという新しいルーティンが生まれるかもしれません。
2. 個別指導や「通い放題」など柔軟な学習システムへの移行
クラブ活動の曜日や時間、さらには活動場所が生徒によってバラバラになるため、あらかじめ決まった曜日・時間に全員が集まる「一斉集団授業」はスケジュール調整が非常に困難になります。
そのため、生徒一人ひとりの予定に合わせて通塾日時を選べる「個別指導」や、自分の空いている日にいつでも来て学習できる「通い放題(サブスクリプション型の自立学習)」といった、自由度の高いシステムが今後の主流になっていくでしょう。
特に「通い放題」のような形態であれば、部活がない日にはたっぷり時間をとって学習し、クラブが忙しい時期には通塾時間を調整するなど、子ども自身のペースで文武両道を実践しやすくなります。
まとめ:今後の学校や行政の動きを見守りながら
部活動の地域展開は、子どもたちの多様な経験を広げる素晴らしい取り組みです。しかし、それに伴う生活リズムの変化は、家庭での過ごし方や学習環境に確実な変化をもたらします。
各自治体によって、まずは休日の活動だけを移行するのか、平日も一気に移行を進めるのかなど、導入のスピードや形態は大きく異なります。今後、私たちの地域の学校がどのようなペースで地域展開を進めていくのか、教育委員会や学校側の動きをしっかりと見守っていく必要があります。
時代が変わっても、「子どもたちが好きなことに打ち込みながら、志望校合格や目標達成に向けてしっかり学習もできる環境」を提供することが、学習塾の最大の使命です。私たちも、今後の動向を注視しながら、生徒たちが最も学びやすい新しい学習塾の形を模索し、常に最適なサポート体制へとアップデートしていきたいと考えています。
今すぐに起こる変化ではないかもしれませんが、地域クラブに通われる生徒さんたちからの要望が増えてきたときに対応できるように、対策は考えていきたいと思います。


