【雑談】「偏差値」だけで選んでない?wakatte.TVの炎上から考える、後悔しない大学選び
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
9/14(日)、9/15(月)はお休みです。シルバーウィークは教室を開ける予定です!
さて、皆さんは最近SNSやニュースで話題になった「wakatte.TV」の炎上騒動をご存じでしょうか?
1. 今回の炎上騒動の概要
「wakatte.TV」は、全国の街頭で学生や通行人に学歴を尋ねたり、各大学のネタを扱ったりすることで人気を集めているYouTubeチャンネルです。日頃から「学歴至上主義」を前面に出した極端なキャラクターで知られていますが、先日公開された福島大学でのキャンパス調査動画が大きな炎上へと発展しました。
問題となったのは、大学の魅力として放射線や復興に関する研究を挙げた学生に対し、出演者が「放射能や原子力といった超重要な問題を福島大には触らせたくない」といった趣旨の発言をした場面です。入試の偏差値という一面的な指標だけで、大学が担う地域貢献や重要な研究機関としての価値まで否定・侮蔑するかのような発言に対し、ネット上では「東日本大震災からの復興や原発事故に向き合ってきた研究者や学生の志を侮辱している」「単なる学歴イジリを越えた差別だ」と強い批判が殺到しました。これを受けて福島大学が公式に声明を発表する事態となり、チャンネル側は動画を削除して謝罪文を掲載するに至りました。
世の中には、企業が採用活動の際に大学名だけで応募者を振り分ける、いわゆる「学歴フィルター」のような仕組みが非公式に存在するのは事実です。一定の学習成果や努力の証として高学歴を得ることには当然大きなメリットがあり、そうした現実を現実として捉える視点自体は否定できません。しかし今回の件は、企業の採用で使われるような「学歴(偏差値)」という基準をあらゆる場面に無理やり当てはめ、大学本来の価値や個々の研究成果まで決めつけることの危険性と不適切さを改めて浮き彫りにしたと言えます。
2. 偏差値だけでは測れない!魅力的な大学の取り組み
大学を選ぶとき、「偏差値」や「知名度」だけで決めてしまうのは少しもったいないかもしれません。
大学にはそれぞれ、「この分野ならでは」という特色があります。
たとえば、教育学を深く学びたい人に向いている大学、医学・歯学などの医療系に強い大学、農業や獣医学を実践的に学べる大学、恐竜や古生物を専門的に研究できる大学、工学やものづくりに力を入れている大学など、特徴はさまざまです。
ここでは、特に特色のある7大学について、「どんなことが学べるのか」「どんな高校生に向いているのか」という視点から紹介します。
1.広島大学――教育学と医療系に強く、国際的な学びもできる総合大学
広島大学は、幅広い学問分野を持つ総合研究大学ですが、その中でも特に注目したいのが教育学と医療系分野です。
教育学を幅広く学べる
広島大学教育学部には、初等教育、特別支援教育、理科、数学、技術・情報、社会、国語、英語、日本語・日本文化、健康・スポーツ、音楽、美術など、非常に幅広いプログラムがあります。
そのため、「学校の先生になりたい」という人だけでなく、「教育そのものを研究したい」「子どもの心理について学びたい」「国際的な教育について考えたい」という人にも学びの選択肢があります。
さらに2025年度には、「多文化・グローバル教育学プログラム」が新設されました。
ここでは、多文化共生教育、平和教育、国際開発教育を体系的に学びます。国際バカロレア認定校やインターナショナルスクール、国際協力機関などでの実習・インターンシップ、海外留学などの機会も設けられています。
広島という土地の歴史を背景に、教育を通して平和な社会をつくることを考えられる点も、このプログラムならではの特色でしょう。
医療系分野にも強み
広島大学には医学部、歯学部、薬学部などの医療系分野があり、医療に関する複数の専門分野を大学内で学べることも魅力です。
医学・歯学・薬学など異なる専門分野を学ぶ学生が連携して学ぶ「多職種連携」の考え方にも触れられるため、将来のチーム医療を意識した学びにもつながります。
こんな人におすすめ
「先生になりたい」「教育について幅広く学びたい」という人はもちろん、多文化共生、平和教育、国際協力などに関心がある人、教育や医療を通じて社会に貢献したい人におすすめの大学です。
2.岡山大学――医学・歯学から理系の先端研究まで幅広く学べる
岡山大学は、医学・歯学をはじめとする医療系分野に加えて、農学、植物科学、地球科学、環境・エネルギーなど、幅広い理系分野を持つ総合研究大学です。
医学部・歯学部では、それぞれの専門分野を学ぶだけでなく、他の医療分野やさまざまな学問領域との連携を生かした教育・研究が行われています。
また、理系分野では、植物や農業、地球環境、エネルギーなど、現代社会が抱える課題につながる研究も行われています。
特に、人工光合成などの先端的な研究に取り組んでいることも特徴の一つです。
「医学部に行きたいけれど、大学では医学以外の研究分野にも触れてみたい」「将来、環境やエネルギー問題の解決に関わる研究がしたい」という人にとっても、幅広い選択肢があります。
こんな人におすすめ
医学・歯学などの医療系を目指している人、あるいは農学・植物科学・地球科学・環境・エネルギーなど、理系の幅広い分野に興味がある人におすすめです。
3.宮崎大学――南九州の産業を生かして農学・畜産・獣医学を学ぶ
宮崎大学の大きな魅力の一つは、宮崎県という地域そのものを生かした教育・研究です。
宮崎県は畜産が盛んな地域として知られており、宮崎大学では、その地域的な特色を生かして、畜産や獣医学などに関する教育・研究が行われています。
獣医学では、産業動物の診療や家畜衛生、人獣共通感染症など、動物の健康だけでなく、農業や人間の健康にも関係するテーマを学ぶことができます。
大学で学んだことを、実際の農業や畜産の現場と結びつけて考えやすいことは、地方にある大学ならではの魅力の一つです。
こんな人におすすめ
動物が好きで獣医師を目指している人、畜産や農業に興味がある人、食料問題や人と動物の健康について学びたい人におすすめです。
4.鹿児島大学――農林業とAI・ICTなどを組み合わせる「スマート農学」
鹿児島大学も、南九州という地域の特色を生かした農学・畜産などの教育研究に強みを持っています。
その中でも注目したいのが、**農林業と先端技術を組み合わせる「スマート農学」**です。
農業や林業にICT、AI、IoT、ロボットなどを取り入れることで、人手不足や生産性の向上、気候変動など、これからの一次産業が抱える課題を解決しようとしています。
「農業=昔ながらの仕事」というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、これからの農業では、データ分析やAI、ロボットなどの技術がますます重要になっていきます。
農学と情報・工学系の技術を組み合わせて学べることは、鹿児島大学の大きな魅力です。
こんな人におすすめ
農業や林業に興味があるけれど、同時にAI・ICT・ロボットなどの先端技術も学びたい人、未来の農業や食料問題について考えたい人におすすめです。
5.福井県立大学――「恐竜を大学で専門的に学ぶ」という選択肢
「恐竜が好き」という高校生にとって、非常に気になる大学が福井県立大学です。
福井県は日本を代表する恐竜化石の産地として知られています。その地域的な強みを生かし、福井県立大学には2025年4月に恐竜学部が開設されました。
恐竜学部では、単に恐竜について学ぶだけではありません。
古生物学、地質学、古環境学、デジタル科学など、地球科学を幅広く学び、現場での調査や実践を重視した研究にも取り組みます。
つまり、「恐竜が好き」という興味を入り口にして、地球の歴史や生命の進化、地質、環境などを科学的に研究していくことができます。
「好きなことを大学で本格的に研究したい」という人には、とても魅力的な選択肢です。
こんな人におすすめ
恐竜・化石が大好きな人はもちろん、古生物学、地質学、地球環境、生命の進化などに興味があり、フィールドワークを重視した科学研究をしたい人におすすめです。
6.尾道市立大学――経済・情報と芸術文化を学べるユニークな公立大学
尾道市立大学は、経済情報学部と芸術文化学部という、特色の異なる二つの学部を持つ公立大学です。
経済情報学部では、経済・経営・情報を組み合わせて学ぶことができます。
現代の企業や社会では、経済や経営の知識だけでなく、情報技術やデータを活用する力も重要になっています。そのため、「経済も情報も勉強したい」という人には興味深い学びができるでしょう。
一方、芸術文化学部では、日本文学や美術など、芸術・文化について専門的に学ぶことができます。
また、留学生との交流や国際交流、海外留学などの機会もあります。
「大都市の大規模大学で学ぶ」というタイプとは少し違い、地域に根ざした公立大学で、自分の専門分野をじっくり学びたい人に向いています。
こんな人におすすめ
経済・経営と情報の両方に興味がある人、文学や美術などの芸術文化を深く学びたい人、落ち着いた環境で専門分野をじっくり学びたい人におすすめです。
7.富山県立大学――ものづくりや技術開発を実践的に学ぶ
富山県立大学は、工学・情報・生物工学などの理工系分野に強みを持つ大学です。
富山県は製造業などのものづくり産業が盛んな地域でもあり、大学での教育・研究と地域産業とのつながりを生かした学びができます。
工学では、社会や産業を支えるさまざまな技術について学ぶことができ、生物工学では生命科学と工学を組み合わせた研究に取り組むことができます。
「数学や理科が好き」というだけでなく、**「科学や技術を使って実際にモノをつくりたい」「企業や社会で役立つ技術を研究したい」**という人に向いている大学です。
理論を学ぶだけで終わらず、実際の産業や技術開発とのつながりを意識しながら学べることが大きな魅力です。
こんな人におすすめ
ものづくりが好きな人、工学・情報・生物工学などの理系分野を実践的に学びたい人、将来は技術者や研究者として産業や社会を支えたい人におすすめです。
大学選びでは「偏差値」だけでなく「何を学びたいか」を考えよう
ここまで紹介してきた大学を見ても分かるように、大学にはそれぞれ異なる個性があります。
- 教育・国際教育・平和教育なら広島大学
- 医学・歯学をはじめ幅広い理系研究なら岡山大学
- 獣医学・畜産などを地域と結びつけて学ぶなら宮崎大学
- 農学とAI・ICTなどを組み合わせるなら鹿児島大学
- 恐竜・古生物・地球科学なら福井県立大学
- 経済情報や芸術文化を学ぶなら尾道市立大学
- 工学・情報・生物工学とものづくりなら富山県立大学
もちろん、「この大学はこの分野だけ」という意味ではありません。どの大学にもさまざまな学部・研究分野があります。
大切なのは、「大学名」から選ぶのではなく、「大学で何を学びたいのか」から逆算して大学を探すことです。
高校生の段階では、「将来何になりたいか」がまだ決まっていなくても構いません。
「動物が好き」「恐竜が好き」「先生になりたい」「農業に興味がある」「AIを使って何かを作ってみたい」「医療に関わりたい」――そんな興味から大学を探してみると、自分に合った進学先が見つかることがあります。
そして保護者の方にとっても、偏差値や就職実績だけではなく、**「その大学で、子どもが何を学び、どんな経験ができるのか」**という視点で大学を見てみることは、進路を考えるうえで大切なポイントになるでしょう。
3. 今回の炎上について思うこと
冒頭で紹介したwakatte.TVですが、実は昨年うちの塾の卒業生が出演したことがあります。 また、別の特集では色々な大学や高校の素晴らしい取り組みを紹介しており、中高生たちの進路選択の役に立っている側面があるのも事実です。私自身も動画をいくつか見たことがあり、楽しませてもらったことがあります。だからこそ、このチャンネル自体を全否定してしまうのは少しやりすぎではないか、とも感じています。
YouTuberという職業は、アクセス数を稼いで収益を上げなければ成り立ちません。そのため、時に毒舌や過激な演出で注目を集めようとする傾向があります。真面目でクリーンなだけでは再生数が伸びにくいという現実があるからです。コンプライアンス重視で控えめになったテレビよりも、「良くも悪くもギリギリのラインを攻める面白さ」があるからこそ支持されているのでしょう。そして、テレビとYouTubeの大きな違いは「嫌なら見なければいい」という選択が視聴者側にある点です。
そういった意味で、自分が見るかどうかは別として、こうした多様なコンテンツや表現の場を残しておかないと、言論統制のような窮屈な社会になってしまうのではないかとも考えています。
4. まとめ:これからの大学選びに必要な視点
今回の騒動を通じて私たちが学ぶべきなのは、他人の評価やネットの情報、単なる偏差値の数値だけに惑わされないということです。
もちろん、希望する進路や将来の選択肢を広げるために「より高い偏差値を目指して勉強すること」は素晴らしいですし、塾としても全力でサポートします。しかしそれと同時に、「自分が本当に興味を持てる研究ができるか」「どんな環境で成長したいか」という視点を持つことが、後悔のない大学選びにつながります。
受験生の皆さんも、ぜひ偏差値という基準から一歩踏み出し、自分だけの「学んでみたいこと」を見つけてみてください。進学塾ライトアップは、皆さんの挑戦と夢を全力で応援しています!


