【雑談】AIと深掘りする「これからの時代に求められる教育と塾」
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
8/29土~31月はお休みです。みなさん、充実した夏休みを送れましたか??
突然ですが、みなさんは日頃のちょっとした疑問や勉強の疑問を解決するとき、AIを使ったりしますか?
最近のAI(人工知能)の進化は目覚ましく、単に言葉の意味を調べるだけでなく、複雑なニュースの背景や経済の仕組みについて質問しても、驚くほど的確でわかりやすい答えを返してくれます。
先日、ふとしたきっかけからAIと「お金と経済」についての対話(チャット)を始めました。最初は「中学校の公民で習う知識」の確認程度だったのですが、対話が中盤から後半に進むにつれて話は深く発展し、最終的には「これからの時代、塾という場所は子どもたちに何を提供するべきなのか?」という、私たち塾の根幹に関わる大きな気づきへとつながっていきました。
今回は、そのAIとの対話の様子をご紹介しながら、私が考えた「これからの教育と塾のあり方」について、たっぷりとお話しさせてください。
始まりは「日銀の金融政策」と「今の日本の景気」への疑問
AIとのやり取りの中盤で話題に上がったのは、ニュースでも報じられている日銀(日本銀行)の金融政策や、円安と景気変動についてでした。
中学校の公民の教科書を開くと、日本銀行の役割として「公開市場操作(オペレーション)」について詳しい説明があります。私たちが中学生の頃に学習した「公定歩合の操作」は実質無くなってしまい、今は「預金準備率操作」と言うんですね。色々と知った気になっていましたが、このあたりの知識もアップデートしないとと感じます。
しかし、現実のニュースを見ていると「ゼロ金利政策」や「マイナス金利政策」といった言葉が躍り、さらには「2024年にマイナス金利が解除され、金利のある世界へ戻った」といった動きが続いています。
「こうした歴史的背景や、過去の公定歩合と現代の政策金利の違いはどう整理すれば子どもたちに伝わりやすいだろうか?」
そんな問いをAIに投げかけ、知識の整理を行っていました。さらに話題は一歩深まり、「現在の円安と企業業績、そして国民の体感景気」というリアルな経済問題へと移っていきました。
「大手企業が儲かっている=好景気」と言えない理由
ニュースでは「輸出系の大手企業が円安の追い風を受けて過去最高益を出した」「TOYOTAの会長の役員報酬が21億円!」などといった明るい話が流れる一方で、街のスーパーに行くと食料品や日用品の値上がりに頭を悩ませる毎日です。これは一体なぜなのでしょうか?
AIにこの違和感をぶつけてみると、非常にクリアな解説が返ってきました。
教科書が定義する「本当の好景気(好況)」とは、単に一部の大企業が儲かることではありません。
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企業の利益が増える
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そこで働く人たちの給料(賃金)が上がる
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物価の上昇を上回るペースでお給料が増えるため、家庭の懐に余裕ができる
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人々が国内で買い物をしたり旅行に行ったりして消費が活発になる
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その消費によって、国内の他のお店や中小企業の業績も上がっていく
という「社会全体をぐるぐると回る良い循環(好循環スパイラル)」が起きて初めて、誰もが「今は景気がいいね!」と実感できる好景気と言えます。
しかし今の日本は、輸入コストの上昇(物価高)に対して、国民全体のお給料が増えるスピードがまだ追い付いていません。日本の企業の約99%を占める中小企業や内需型の産業にとって、円安によるコスト高はむしろ打撃になります。
この対話を通じて、「複雑なニュースの背景を正しく読み解き、本質を見抜く力」がいかに大切かを再認識させられました。そして、議論はここから「労働市場とこれからの人材」というテーマへとシフトしていったのです。
輸出系企業の求人と「エンジニア×AI」の現実
「では、業績の好調な輸出系企業やIT企業を目指せば、これからの時代は安泰なのだろうか?」
そんな疑問から、今後の求人動向や職種の変化についてAIと議論を重ねました。特に興味深かったのが、現在も就職市場で大人気の「ITエンジニア」とAIの関係性です。
「AIがコードを書けるようになったら、エンジニアという仕事はなくなるのではないか?」
そんな不安の声を耳にすることがあります。しかし、AIの回答は非常に示唆に富むものでした。結論から言うと、「エンジニアという仕事はなくならないが、求められる人材の二極化が激しく進む」というのです。
「AIに使われる側」と「AIを使いこなす側」
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AIに代替されてしまう人材: 誰かに指示された通りにプログラムを書くだけの作業(コーディング)や、定型的なテスト作業だけを行う「作業者としてのエンジニア」。これらはAIが圧倒的なスピードと精度でこなしてしまうため、今後需要も給与も厳しくなっていきます。
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AI時代にますます評価される人材: 「そもそもどんなシステムを作れば世の中の課題が解決するのか?」という設計(要件定義)ができる人。AIが出してきたアウトプットが正しいかどうかを検証し、組み合わせて新しい価値を生み出せる人。つまり、AIを便利な道具として使いこなし、全体を監督・指揮できる人材です。
これはエンジニアという職種に限った話ではありません。これからの時代、あらゆる職業において「AIに代替される作業者」になるか、「AIを相棒にして成果を出す監督者」になるかの分岐点に、私たちは立たされているのです。
議論の終盤:これからの時代、教育や塾は何をすべきなのか?
対話が終盤に差し掛かったとき、私の思考は自然と自分たちのフィールドである「教育」へと向かっていました。
「AIを使いこなす側になれる子どもたちを育てるために、学校や塾、そして家庭はどうあるべきなのか?」
この問いに対し、非常に深い議論が展開されました。
デジタル機器は「消費」ではなく「生産」のために使う
まず家庭での環境づくりとして、子どもにパソコンやタブレット機器(ペンタブレットなど)を自由に触らせることは非常に有効です。ただし、注意すべき点があります。
動画を見たりゲームで遊んだりするだけの「受動的な消費」で終わってしまうと、単なる「便利な機械のユーザー」で終わってしまいます。 そうではなく、プログラミングでアプリを作ってみる、デジタルでイラストを描いてみる、動画を編集してみる、3Dモデルを組んでみるなど、「自分の頭の中にあるものを形にする(能動的な生産)」ために機器を使う体験が、子どものクリエイティビティを爆発させます。
そして、その生産活動の相棒としてAIを活用する(「AIに質問してアイデアを出してもらう」「AIの描いた絵の変なところを探す」など)経験を重ねることが、「AIを使いこなす感覚」を身につける近道になります。
「探究学習」という新しい学びの潮流
学校や塾などの教育現場に目を向けると、近年急速に注目を集めているのが「探究学習」です。
従来の教育は「あらかじめ用意された正解を、いかに早く正確に覚えるか(インプット&暗記)」が中心でした。しかし、正解を検索したりまとめたりすることにかけては、人間はAIに逆立ちしても勝てません。
これからの時代に求められるのは、以下の3つの力です。
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問いを立てる力:「そもそも何が問題なんだろう?」と自ら課題を発見する力
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試行錯誤する力:正解のない問いに対して、仮説を立てて何度も失敗しながら検証する力
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言語化・コミュニケーション力:自分の考えを論理的な言葉で伝え、他者やAIと協力して解決する力
実際に世の中には、こうした「答えのない問い」をテーマに、子どもたちがプロジェクトを組んでプレゼンを行うような「探究専門の塾」や「STEAM教育に特化したスクール」が登場し、成果を上げています。また、高校受験や大学受験でも「思考力」を問う問題というものがどんどん増えています。
大学入試共通テストなんてその最たる例で、知識は大切ですが、それだけではダメなんです。「センター試験に毛の生えたようなもの」という認識では、太刀打ちできないのは、大学入試をメインで担当していない私でさえ理解できます。読解力が備わっている子ならいいが、それを自分の塾でどうやって育てていけばいいのか、これはなかなか難しい問いのように思っています。
「塾=知識のインプット現場」と割り切る考え方はアリか?
AIと探究学習の重要性について語り合う中で、私の中でひとつの疑問が浮かび上がりました。
「探究学習やAI活用が大切なのはよく分かる。しかし、だからと言ってすべての塾が探究学習を取り入れるべきなのだろうか?」
「むしろ、塾は『知識を徹底的に詰め込み、解法テクニックを磨き、テストの点数を上げる場所』として割り切り、探究や実体験のような役割は学校や家庭、あるいは専門の習い事に任せるという『役割分担』の方が、現実的で効果的なのではないか?」
この投げかけに対して、AIも「それは非常に合理的な選択肢です」と同意してくれました。
教育のすべてを一つの場所(塾)で完結させようとすると、教える側も学ぶ側も焦点がブレてしまうリスクがあります。
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塾の役割:入試や定期テストに必要な基礎知識を体系化し、計算力や読解力のトレーニングを行い、確実に成果(点数・合格)を出すこと。
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学校の役割:集団生活の中で多様な価値観に触れ、行事や部活動、教科横断的な学びを通じて社会性や協働性を育むこと。
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家庭の役割:デジタル機器や本などの環境を整え、日常の対話を通じて子どもの興味関心を肯定し、安心して失敗できる場を作ること。
このように役割をシンプルに分業(メリハリをつける)することで、子どもにとっても「今はテスト勉強に集中する時間」「今は自分の好きな探究をする時間」と気持ちの切り替えがつきやすくなります。
「なるほど、塾は愚直に『知識と解法の習得』に特化するのも一つの正解なんだな」
そう納得しかけた時、私の胸の中にまた新たな問いが浮かんできました。
それでも思考を止めない。「うちの塾を選んでくれた子どもたち」のために
AIとの長いチャットを通じて、日銀の金融政策から始まり、経済の仕組み、AI時代の生き残り策、そして教育の役割分担に至るまで、思考の大冒険をしたような感覚でした。非常にクリアな整理ができ、頭の中がすっきりと整理されたのは間違いありません。
「塾はテスト対策や知識の習得に特割り切り、探究学習は家庭や学校に任せる」
これは理論としては非常に美しく、経営的にも効率的な「一つの結論」です。
ですが――。 パソコンの画面を閉じ、今日塾にやってくる生徒たちの顔を思い浮かべたとき、私はその「きれいにまとまった結論」だけで満足してしまっていいのだろうか、と考え直しました。
時代は恐ろしいスピードで変化しています。 私たちが教えている目の前の子どもたちが大人になる頃には、今ある仕事の多くが形を変え、AIとともに生きることが当たり前になっているはずです。
もし私たちが「塾はテストの点数だけを上げる場所だから」と割り切りすぎて、テストの先にある「社会で生き抜く力」や「自ら考える面白さ」から完全に目を背けてしまったらどうでしょうか。 逆に、「これからは探究の時代だ!」と流行りに飛びついてテスト対策を疎かにし、目前の成績や志望校合格という子どもたちの夢を叶えられなくなってしまったらどうでしょうか。
どちらか一方に極端に振り切る(決め打つ)ことは、簡単でわかりやすいかもしれません。しかし、教育に「これさえやっておけば100点満点」という簡単な答え(シルバーバレット)は存在しないのです。
だからこそ、自分が学生時代にはやってこなかった「オンライン英会話」なるものにも手を出していますし、試行錯誤は続けていくつもりです。
最優先に考えたいのは、目の前の生徒たちの笑顔
今回、AIとのやり取りを通して私が出した本当の結論は、「簡単に決めつけないこと」それ自体です。
私たちが何よりも最優先に考えなければならないのは、流行りの教育理論でも、きれいな役割分担のモデルでもありません。
「今、この塾の門をくぐり、汗をかきながら机に向かってくれている生徒さんたちにとって、うちの塾を選んだことが人生最高の選択になること」
ただそれだけです。
ある生徒にとっては、泥臭く知識を詰め込んで定期テストで過去最高点を取ることが、自信を得るための最高の経験(最良の選択)になるかもしれません。 また別の生徒にとっては、勉強の合間に講師と交わした「なぜ円安になると物価が上がるのか?」という雑談や、自分の意見を言葉にする経験が、将来の夢を見つけるきっかけ(最良の選択)になるかもしれません。
だからこそ、私たちは「塾とはこうあるべきだ」という固定観念に固執するのをやめようと思います。
時代の変化、AIの進化、社会のニーズを鋭く見つめ続けながら、同時に目の前で悩む生徒一人ひとりの表情をしっかりと見つめる。
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知識のインプットやテスト対策という「圧倒的な基礎力・出力を鍛える場」としての質の高さ。
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問いを立て、自分で考え、学ぶ楽しさを実感できるような「知的好奇心を刺激する場の仕掛け」。
この両者の絶妙なバランスを、時代の変化に合わせて柔軟に変化させ続けていくこと。 「うちの塾に通って本当によかった!」「ここで学んだことが、大人になった今でも役に立っている!」と生徒たちに胸を張って言ってもらえるように。
一つの「答え」に安心することなく、これからも子どもたちにとっての「最良の選択」とは何かを、愚直に、そして貪欲に考え続けていきたいと思います。
みなさんは、これからの時代、子どもたちにどんな力を身につけてほしいと思いますか? ぜひ教室にお越しの際は、保護者様のお考えやご家庭でのご様子も聞かせてくださいね。一緒に子どもたちの最高の未来を作っていきましょう!


