【あっちこっち鳥取】水木しげるロード
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ代表の西川です。
8/16日, 8/17月はお休みです。
先日のブログでお伝えした通り、お休み中に家族で鳥取旅行に行ってきました!今回から複数回に分けて、その様子をお届けしようと思います。

どこから書こうか迷ったのですが、本日は終戦の日。そして明日にはNHKで水木しげるさん原作の『白い旗』がアニメ放送されるということで、まずは境港市の「水木しげるロード」を取り上げることにしました。
教科書で教えていた場所に、ついに足を踏み入れる!
現在、中学生が使っている地理の教科書には、このような記述があります。
鳥取県には、日本最大級の砂丘が広がる鳥取砂丘やなしの観光農園など、さまざまな観光資源があります。なかでも境港市は、マンガのキャラクターを活用した地域おこしに取り組んできた結果、多くの人々が訪れる鳥取県有数の観光地となりました。
境港駅から商店街へと整備された「水木しげるロード」には、キャラクターの銅像や記念館、マンガ関連の商品を販売する店がつくられ、人々の注目を集めています。 境港市の観光客が増加した背景の一つには、周辺の地域での交通網の整備があります。境港市は米子空港から近かったことに加え、周辺の高速道路が開通したことによって、遠くからも観光客が訪れるようになりました。また、境港市は漁業も盛んで、新鮮な魚介類や水産加工品も観光客をひきつける理由の一つとなっています。こうした境港市の取り組みは、産業の活性化に役立っており、全国から注目を集めています。
『社会科 中学生の地理 世界の姿と日本の国土』(帝国書院)より引用
普段、授業で生徒たちに「水木しげるロード」の話を解説している私ですが、正直なところ「境港市=美味しいお魚が獲れる漁港」というイメージが強かったんです。
ですが、実際に現地を訪れてみてびっくり。まさかここまで『ゲゲゲの鬼太郎』一色だとは……!想像を遥かに超えるスケールでした。
街全体が「鬼太郎」一色!全力の地域おこし


鉄道で境港に到着した瞬間から、妖怪たちの世界が始まります。 電車には鬼太郎たちのイラストがラッピングされ、駅を出ると目の前には水木しげる先生と鬼太郎の銅像がお出迎え。それだけではありません。

ポストの上にも鬼太郎

街灯は「目玉のおやじ」の形

駅の目の前の建物も向かいの公園もぜ~んぶ鬼太郎!
まさに街全体が全力で水木しげるさんをリスペクトし、地域おこしに取り組んでいる熱量がひしひしと伝わってきました。
駅前の観光案内所「みなとさかい交流館」で『妖怪ガイドブック』(600円)を購入し、さっそく散策を開始! このガイドブック、妖怪の情報が載っているだけでなく、駅から商店街にかけて設置された全35か所のスタンプラリー台帳にもなっています。家族でスタンプポイントを探しながら「水木しげるロード」を歩くのは、宝探し感覚で本当に楽しかったです。



「水木しげる記念館」で知る、波乱万丈な激動の半生

ロードを進んだ先にある「水木しげる記念館」にも足を運びました。ここでは、水木先生の人間味あふれる半生が詳しく紹介されています。

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幼少期: 近所のおばあさん(のんのんばあ)から妖怪の言い伝えを聞き、原体験を育んだ話
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青年期(太平洋戦争): 1943年、21歳で徴兵。ラッパ吹きが下手だったという理由から南方の戦地(ラバウル)へ送られ、激しい戦況の中で左腕を失うという壮絶な体験

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終戦と交流: 現地の現地民(トライ族)の人々と心を通わせ、家族のような絆を育んだ話
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戦後: 復員後、大学に通いながらさまざまな職を転々とし、紙芝居作家から漫画家へ。下積み時代を経て売れっ子作家へと昇りつめた話
死と隣り合わせの戦地を生き抜き、片腕を失いながらも前を向いて表現を続けたその歩みは、まさに「激動の半生」という言葉がぴったりでした。
また、館内に展示されていた水木先生の名言コーナーも非常に味わい深く、心に響くものがたくさんありました。

「みんな子供の時は妖怪です」
「戦争を賛美するのは戦地に行かない人間ですよ」
「あわてずゆっくりやれ」
「なんでもいい。自分の好きなことを自分の中に発見しそれをなせば良い」
「けんかはよせ 腹が減るぞ」
戦争や過度な競争を好まない、水木先生のお人柄がにじみ出た言葉ばかりです。 過酷な戦地での体験を思うと、『ゲゲゲの鬼太郎』の作中で描かれる不気味な妖怪や愚かな人間たちの描写には、先生が戦場で実際に目撃した人間のおぞましい姿や切実なリアルが影を落としていたのかもしれない……と、深く考えさせられました。


夜のロードと「民俗学」という学びの視点
記念館を後にし、ホテルで食事を済ませて一息ついてから夜の街に繰り出してみると、昼間とは全く違う表情の「水木しげるロード」が広がっていました。


街灯の影がマンガのキャラクターのようになっていたり、手を叩くと灯りがついたり消えたり揺らめくような演出があったり……。夜になりお店が閉まっていても、ついつい散策したくなるような仕掛けが本当に素敵でした。

また今回、水木先生が近所のおばあさんから妖怪の伝承話を聞いていたというエピソードから、私は社会科の授業でも登場する「民俗学」の存在を思い出しました。
💡【塾長コラム】民俗学ってどんな学問? 民俗学とは、庶民の日常生活や地域に伝わる言い伝え・年中行事・昔話などを集め、その土地の歴史や人々の暮らしの歩みを明らかにしていく学問です。第一人者としては教科書にも登場する柳田国男が有名ですね。 名もない人々が語り継いできた妖怪や怪異の伝承は、単なるお化け話ではなく、昔の人々が自然の怖さや地域のルールを子供たちに教えるための大切な「生活の知恵」だったとも言えます。
ただ妖怪を楽しむだけでなく、「伝承から地域の歴史を探る」という学問的な視点で見つめ直すと、旅の深みがぐっと増すように感じます。
おわりに

今回の旅は、地域おこしの情熱、戦争の悲惨さと平和への思い、地域に残る言い伝えの価値、そして美味しい港町の魚介類など、ゆったりと多くのことに思いを巡らせる素晴らしい機会となりました。
皆さんも鳥取を訪れる機会があれば、ぜひ境港に足を運んでみてください!私自身も、今回の経験を通して「もっと色々な地域の歴史や魅力を知りたい!」と強く思いました。
鳥取旅行記の続編もどうぞお楽しみに!


