【入試情報】公立高校の入学者数が過去最低に。私立無償化がもたらす「公立淘汰」の現実。

みなさん、こんにちは! 進学塾ライトアップ、代表の西川です。

5/24日は模試、5/25月はお休みです。

さて、前回のブログに引き続き、広島県の入試情報に関してです。 先日、ニュースで「広島県の公立高校への入学者数が過去最低になった」という報道を目にしました。

【ニュースの概要】

  • 広島県内の公立高校(全日制)の入学者数が、過去20年で最も少ない1万2,806人に減少。

  • 全体で2,334人の定員割れとなり、入学割合は84.6%まで低下。

  • 県内84校のうち、なんと64校が定員割れ(前年度から9校増加)。

(参考:県内の公立高校 入学者数が過去最低、定員割れ広がる 私立高校の実質無償化など影響か 広島

背景にはもちろん「少子化」がありますが、理由はそれだけではありません。実際、公立高校はその地域の中学校3年生の人数を把握していて、それによって募集定員の増減が行われますので、それだけが理由ではないんです。

もう一つの大きな要因として挙げられるのが、今年度から始まった「私立高校の授業料実質無償化(拡充)」です。

私立高校の「実質無償化」がもたらした変化

今年度から、世帯年収に関わらず私立高校に通う生徒に対して年間約45万円の補助が出るようになりました。これにより、多くの私立高校に「かつてないほど費用を抑えて」通うことが可能になったのです。

この制度の影響について、私自身、各私立高校の先生方から直接お話を伺う機会がたくさんありました。すると、どの学校からも驚くようなリアルな声が聞こえてきます。

  • 「生徒が集まりすぎて教室が足りない!今まで物置にしていた部屋を急遽片付けて教室にしている」

  • 「先生の数がまったく足りない。どこかに理科や家庭科の先生はいませんか……?」

これが1校や2校の話ではなく、ほぼ全ての私立高校がこのような「うれしい悲鳴」をあげている状態なのです。

明確になった「公立高校の悲しい現実」

この結果から浮き彫りになったのは、非常に切ない現実です。

これまで公立高校の最大の強みであった「学費が安い」というメリットが薄れた結果、「それ以外の魅力」を提示できない公立高校には生徒が集まらなくなってきているのです。

かつて、一部の公立高校がいわゆる「受け皿」としての役割を担っていた側面もありましたが、その役割は急速に私立高校へと移り変わっています。

結果として、今後はさらに公立高校の削減や統廃合が進んでいく可能性が高まっています。これは、私が以前のブログでお伝えしていた懸念が、まさに現実の形となって現れてしまったと言えます。

実はこの流れ、私が以前に参加したセミナーのレポートや過去のブログでもお伝えしていた懸念そのものです。

▼ 関連記事:今回の無償化の仕組みや、私立の先生方がどう捉えていたかはこちら

【入試情報】親子で学ぶ教育セミナー2025

当時、私学の先生は「学費の負担が減ることで生徒の選択肢が広がる」と歓迎されていました。裏を返せば、学費の安さだけで人を集めていた公立高校は、ここからさらに人気を下げていくことになります。

▼ 関連記事:「公立が消滅する」という予測の裏付け背景はこちら

【雑談】やはり消滅してしまうのか公立学校・・・

とある私立の先生は、「公立を維持するより私立に補助金を出す方が、国や自治体にとっては安上がりだ」とも仰っていました。いま保育園や幼稚園で起きている「私立化・民営化」の流れは、近い将来、高校でも間違いなく起こります。公立は過疎地の救済措置的な位置づけになり、大半の受け皿は私立になっていくかもしれません。 

「統廃合反対」と叫ぶ前に、いま卒業生ができること

さてここからは、今までの話に加えて、大人の皆さんに対する「提言」です。

学校の統廃合というニュースが出ると、決まって各学校のOBやOGの方々が「統合反対」の署名活動などを始められます。母校を守りたいという気持ちは痛いほど分かります。

しかし、もし本当に自分の母校の存続を願うのであれば、統廃合の話が具体化してしまう前に、積極的に高校の同窓会に関わり、学校を内側から盛り上げていくべきではないでしょうか。

これまでは「何もしなくても公立高校は存続するもの」でしたが、これからはそんな時代ではありません。もしかすると将来的には、「各地域に公立高校は1つだけ、そこに入れない多くの生徒の受け皿は私立高校」という未来が待っているかもしれません。

学校を守る「同窓会の強さ」:西条農業高校の例

私が昨年度見学をさせていただいた広島県立西条農業高等学校では、まさにその「同窓会の強さ」を肌で感じました。

私が昨年度見学をさせていただいた広島県立西条農業高等学校では、まさにその「同窓会の強さ」を肌で感じました。

▼ 関連記事:西条農業高校の見学レポート(全3回)はこちら

【高校紹介】広島県立西条農業高等学校(その①)

西条農業高校は、地元の企業や農家さんから本当に深く応援されている学校です。敷地内には立派な同窓会館があり、企業とのコラボ商品開発や、農業廃棄物を再利用したSDGs的な取り組みを生徒たちが行っています。同窓会報のスポンサー企業だけでも、50社を超える地元企業が出資しているほど結束が固いのです。

学校説明会の際も、先生方の言葉の端々に、

「この建物はOB・OGの寄付で建てられたものです」

「うちは同窓会の組織や結束が本当に強いんです」

というエピソードが自然と溢れ出ていたのが非常に印象的でした。

これからの公立高校が生き残るためには、このように卒業生たちが在校生を支え、学校をアピールするための動きを主体的に起こしていくことが必要不可欠なのだと感じます。

……と、偉そうなことを書いてしまいましたが、私自身も自分の母校に対して何か具体的な行動を起こせているかと言われると、まだまだできていないのが現状です。まずは小さな関心を持つことから、始めていかなければいけませんね。

これからの高校選びは、「公立だから安心」「私立だから高い」という固定観念を捨て、学校ごとの「独自の魅力」をしっかり見極めることがますます重要になってきます。当塾でも、最新の受験情報とともに、お子様に最適な進路提案を続けてまいります。

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