【雑談】勉強が苦手な子は「ありがとう」が言えない?
みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップの西川です。
5/31日、6/1月はお休みです。
日々、多くの生徒たちと向き合っていると、ふとある共通点に気づくことがあります。もちろん全員に当てはまるわけではありませんが、傾向として強く感じることがあるのです。
それは、「勉強に強い苦手意識を持っている子は、素直に『ありがとう』を言うのが苦手なことが多い(反応が薄い)」ということです。
一見すると、「それは単にその子の礼儀作法や性格の問題では?」と思われるかもしれません。しかし、塾講師の視点から子供たちの心理を深く掘り下げていくと、そこには「性格」という言葉では片付けられない、切実な理由と学力への影響が見えてきます。
今回は、子供たちの「言葉(反応)」と「学力」の意外な関係性についてお話しします。
1. 「ただ、そこにいるだけ」になってしまうメカニンス
塾での反応が薄い子、あるいは「ありがとう」などのコミュニケーションが苦手な子は、勉強の場において心が完全に「受け身」になっています。
ここには、塾講師として見過ごせない学力低下の負のループが隠されています。
塾へ嫌々来ている
↓
授業に対しても、完全に受け身的になる
↓
ノートを写すだけ、ただそこに座っているだけになる
↓
【結果】 脳が働いていないため、頭に定着しにくい
実際、こうした状態の生徒さんは、授業を右から左へ聞き流してしまっていることが多く、定期テスト前になると、学校のワークや知識が「ほぼ0状態(※確認すれば思い出すので完全に0ではないですが、実質0に近い状態)」に戻ってしまっていることが多々あります。
心が閉じて「受け身」になっていると、いくら素晴らしい授業を提供しても、バケツの底に穴が空いているかのように知識が漏れていってしまうのです。
2. なぜ、心に鍵をかけてしまうのか?
では、なぜ子供たちはそんな「受け身」の状態(心に鍵をかけた状態)になってしまうのでしょうか。
理由は大きく分けて2つあります。
① 心のキャパシティ(余裕)が奪われている
勉強が苦手な子にとって、勉強の場は「常に自分の弱点や『できないこと』を突きつけられる、ストレスフルな空間」です。「また間違えたらどうしよう」「周りはできているのに……」と、頭の中が不安や自己防衛でいっぱいになっているとき、子供たちの心には1ミリの隙間もありません。 そのため、先生が親切にフォローしてくれても、それを「ありがたいもの」として受け取る心の余裕がないのです。
② 親切が「攻撃」に見えてしまう、心の歪み
失敗体験を積み重ねてきた子は、無意識のうちに周囲を警戒します。先生が純粋な親切心で間違いを指摘したとき、心が拗ねてしまっている子は「どうせ私がバカだから、哀れんで教えてるんでしょ」と、相手の親切を「攻撃」と歪んで受け取ってしまうことがあります。本人の防衛本能が働いているため、感謝の言葉(ありがとう)や素直な反応が出てこないのです。
私は生徒さんの反応が薄いクラスではたまに
「先生はみんなの敵じゃないんだよ!勉強が出来なかったとしても『こんな問題も出来んのか、ヴォケェェ』なんて言わないから。一緒に出来るようにしていこうよ。」
「みんなの成績を上げるために保護者の方からお金をいただいているんだし、教えるのが好きで先生をやっているんだから、みんなが分からないって思ったら、その責任は先生にもあるんだよ。そしてみんなは、分からなかったら質問をして、分かるようにするのは当然のことなんだよ!」
「どんどん質問していいんだよ!わからないことを責めたり絶対しないから、わからないなら素直に分からないって相談しにおいで!」
なんていう説得をしています。それでもなかなか心を開いてくれない子はいるんですけどね・・・。
3. 【事例】中3で「心の距離」が縮まった瞬間から、成績は上がり始めた
しかし、この頑なな心の鍵を開けようと色々な試みに挑戦しています。そしてその努力が実って、頑なだった心を受験期に開いてくれる生徒さんもいます。当塾で実際にあった、ある生徒さんの変化をご紹介します。
この生徒さんは、中学1・2年生のころは、こちらがいくら声をかけても、ほとんど反応がない生徒さんがいました。授業中もどこか上の空で、前述したような「受け身の学習」になってしまっていた時期もありました。
変化が訪れたのは、中学3年生になってからです。模試の結果を見て、志望校の合格判定が全然上がらないことに気づいたこの生徒さんは、 定期試験前の塾での授業時間数が一気に増えました。それもあって、接する時間が自然と増えました。
私たちは、勉強の指示を出すだけでなく、塾で少しずつ「志望校についての真面目な話」をしたり、時には「その子の趣味の話」をしたりと、雑談を交えながら少しずつコミュニケーションを重ねていきました。
「この先生たちは、自分の点数だけを見ているんじゃない。自分という人間を応援してくれているんだ」
そうやって安心感を持ってもらえたのか、徐々に生徒さん側の表情が柔らかくなり、自分の言葉でたくさん話をしてくれるようになりました。
面白いことに、その「心の距離が縮まった」と実感したタイミングと完全に比例して、その子の成績がグングンと上がり始めたのです。
授業への姿勢が「ただ座っているだけ」から「自ら吸収しよう」という能動的なものへと変わり、知識の定着率は劇的に向上。そして見事、厳しい合格判定だった模試結果を覆して、第一志望校の合格を掴み取ってくれました。
💡 ライトアップとしての答え:まずは大人が「先にギブする」
もし、子供が「ありがとう」を言えずに頑なになっていたり、塾での反応が薄かったりしたら、それは「今、私の心はピンチです。助けてください」というSOSのサインだと考えています。
ここで大人が「反応が悪い!」「ちゃんとノートを取りなさい!」と無理にコントロールしようとすることはあります。ただしそれは教室全体を引き締めたいときなどの臨時の措置で、実際のところは無理にコントロールしようとすると反発が起こって逆効果になってしまうこともあります。さらに心を閉ざし、勉強の定着率は下がってしまいます。
だからこそ、進学塾ライトアップで、より意識しようと心がけているのは「大人側から、先に、過剰なほど歩み寄ること」です。
- 「今日も時間通りに来れたじゃん!」
- 「今日は小テストあと一歩のところまで行けたじゃん。ちゃんとやってくれるようになったんだね」
- 「中1のころに比べて、大人になったねぇ!しっかりしてきてるわ」
どんなに小さなことでもいい。まずは先生の側から無条件の承認と「ありがとう」を送り続けることで、塾を「失敗しても味方でいてくれる、安全な場所なんだ」と信頼してもらう。
子供たちの心の鎧(よろい)が外れ、心に隙間ができたとき、授業の吸収率は跳ね上がります。
単にテキストの解き方を教えるだけでなく、子供たちの心をライトアップし、前を向かせること。それこそが、私たちが個別指導や地域密着の塾として、ここに存在する本当の意味だと信じています。
今日も塾生みんなの心が少しでも軽くなるように、たくさんの「ありがとう」とアプローチを用意して、教室でお待ちしています!



