【さかた塾リブート】「塾講師」という職業に向き合った、原点となる2つの体験

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップの西川です。

 今回は、私の教育観の土台を作った、東京時代の2つの強烈なエピソードを振り返ります。

1つ目は、経営者の方から教わった「教育者のあり方」。 2つ目は、現場で流した涙と「犬のう〇こ」のお話です。

もとになった記事はこちら(原点1原点2)です。


原点1:「先生、あなたは今、幸せですか?」

私が東京の大手個別指導塾で働いていた頃、英語力を高めようと「外国人パーティー」なる謎のパーティーに何度か参加したことがあります。

インターネットで申し込んで、都内のバーで外国人たちと飲んで、英語で楽しく語らう・・・はずだったのですが、外国人は基本おじさんばかり、そしておじさんは基本男子には興味ありません。笑 日本人の女の子を必死で口説いている外国人おじさんを見ながら、その場で知り合った日本人と親睦を深める・・・なんていう悲しいことになっていました。

とはいえ、色々と楽しい経験も出来ました。

日本に来て間もない、レストランの開業準備ををしているイタリア人のおじさんと仲良くなったり・・・、

国際線でバリバリ働く日本人のCAさんとお話をしたり・・・、

スウェーデン語を一切知らなかったのに、その教材を使って1か月練習してから現地に嫁いだら問題なく生活できるという、ものすごい外国語教材を教えてもらったり・・・、

深夜の六本木のバーに行ってありえないほど散財したり・・・

本来の目的とは違いますが、なかなか刺激的な経験が出来ました。

そんな中、一緒に飲んで仲良くなった同い年くらいの日本人に、「ぜひ会ってほしい人がいる」「その方は〇〇さんと言って、レストランをいくつか経営している社長さんだよ」「本当に尊敬していて、彼と会えば何か気づきをもらえると思う」と言われました。

「これってもしかして宗教の勧誘かな・・・なんだか怖いな・・・」と思いながらも、当時は失恋したてで自暴自棄になっていたこともあり(笑)、思い切って会ってみることにしました。

ホテルのロビーで待ち合わせをして、いよいよその方とご対面! その方の運転する外車に乗せられ、「ちょっとドライブしませんか?」という誘いを受け、夜の東京を2人でドライブに出かけました。これがラブラブなカップルの2人ならロマンチックですが、初対面のおっさん(とはいえ、当時は私も若かった)2人ですからね・・・怪しい!怪しすぎますよね?笑

少しだけ、東京湾に沈められる覚悟をしましたよ。みなさんはこんな怪しいお誘い、受けない方がいいと思います!

ところが、それが自分にとってはなかなか貴重な体験でした。当時は、塾の仕事がしんどくて、別の業種へと転職しようかと迷っていた時でもありました。自分の会社の愚痴や不満を混ぜながら話していた時、その社長から投げかけられた質問が、私のその後の人生を大きく変えることになります。

「西川さん。生徒たちは、何のために塾に来ていると思いますか?」

私は「成績を上げて、志望校に合格するためです」と答えました。塾講師として、当然の回答だと思っていました。しかし、社長の答えは全く違うものでした。

「違うと思いますよ。生徒たちはね、『幸せになる方法』を教えてもらいに塾に来ているんですよ」

社長は続けました。

「勉強ができるようになることも、合格することも、すべてはその子が将来幸せになるための手段に過ぎません。だからね、西川さん。教えている先生自身が幸せじゃないと、生徒に幸せになる方法なんて教えられるわけないですよ。いくら点数が上がるとしても、幸せになれないんだったら、僕はそんな授業を受けたくないな。

当時の私は、仕事の忙しさに追われ、心は荒みつつあり、日々「しんどいな~」と思いながら仕事に向き合っていましたが、この言葉にハッとさせられました。「自分が眉間にシワを寄せて苦しそうに授業をしていたら、生徒たちは勉強の先に幸せがあるなんて思えるはずがない」と。

この日から、私は「まず自分自身が、この仕事と人生を最高に楽しみ、幸せな背中を見せること」「勉強を頑張った先にある未来になれること」を教育の第一歩に置きたいと思うようになりました。おかげ様で、私は毎日幸せをかみしめながら、時に生徒さんたちにその幸せをおすそ分けしながら、授業を頑張っているつもりです。今の塾名「ライトアップ」には、生徒の未来を照らすだけでなく、私たち自身も光り輝く存在でありたいという願いも込められています。


原点2:東京の個別指導塾での猛省、そして「犬のう〇こ」と3度の号泣

自分自身のあり方を学びつつも、現場は常に真剣勝負です。 2つ目の原点は、講師になって4年目の、ある泥臭いエピソードです。

その塾では、中3の直前期になると志望校合格のための「入試特訓(オプション講座)」を提案していました。決して安くない費用がかかるためご家庭への負担も大きいのですが、ある保護者の方から「金銭的に厳しいけれど、なんとか工面して払います」とご相談をいただきました。

その対象の生徒さんは、都立の商業高校(当時の偏差値36)を第一志望とする、とても大人しい女の子でした。

忘れもしない、都立受験の2日前。 授業の中で、私はその子に基本中の基本である質問を投げました。

「鎌倉幕府は何年に成立した?」

……彼女は答えられませんでした。小学生でも知っているはずの「1185年(いい箱)つくろう鎌倉幕府」(※今は1192年(いいくに)ではなく1185年(いい箱)です!)が出てこなかったのです。

その入試対策が終わった後、一人で教室の片づけをしていると、突然激しい悔しさと情けなさがこみ上げてきました。

「保護者の方が、あんなに苦労して塾代を工面してくださったのに、自分は入試2日前になって、こんな簡単なことすら覚えさせてあげられていないのか。塾講師としてなんて無能なんだ……」

誰もいない教室で、自分の不甲斐なさに一人、涙が止まりませんでした。

運命の合格発表日

私は原付にのって、近隣の高校の合格発表を見て回っていました。当時の都立高校は、ホームページに合格者の受験番号を記載する・・・といった気の利いたことはしてくれず、当日校舎に張り出すだけでした。だから、合否の報告をすぐにくれる生徒さんなら問題ないのですが、連絡をくれなさそうな生徒のいる高校や、心配な生徒がいて、いち早く合否を知りたい高校は、分担して先生たちで1校1校回っていました。

私が行った1校目は倍率がとても高い人気の都立高校、うちの塾からは2名の生徒が受験していましたが、1人の番号はあったのに・・・もう1人の番号がない!手堅いと思ってた子が落ちてしまった! 後に、こちらの受験番号の写し間違いが発覚し、受験した生徒2名とも合格していたことが分かるのですが、この時の私には知る由もありません。

「あの子が不合格なら、今年の受験生は全員不合格かもしれない、全員受からせられないなら指導法を間違えたのかもしれない、せっかく塾に通ってくれていたみんなに申し訳ない……」と絶望のどん底へ。

その後、他の生徒たちの合格が次々と分かります。中には、小学生のころからずっと通ってくれていた子の合格の知らせもあり、嬉しさのあまり事務さんからの電話越しに1回目の号泣。

そして、いよいよ例の女の子が受ける商業高校へ向かいました。 祈るように校門をくぐり、掲示板を目で追うと……

番号が、あった。

合格でした! 良かった、本当につなぎ止められた……。 安堵と喜びが爆発し、校庭の隅で2回目の号泣。教室に戻る途中、泣きながら事務さんに電話で報告を入れました。

「〇〇さん、受かってました……!涙」

「よかったー!西川先生、おめでとうございます!」

感動のピーク。……とその瞬間、足元でズルッと何かが滑りました。 靴の裏を見ると、そこにはベッタリと「犬のう〇こ」が。

「今、高校の近くで犬のう〇こ踏んじゃいました……泣」と泣き笑い状態で報告すると、事務さんから「きっと『運(うん)』が、西川先生にも彼女にもついていたんですよ!」という、絶妙な(?)励ましをもらいました。

その後、教室に戻り、しばらくすると本人と保護者の方が来塾してくれ、直接合格の報告を受けた際、本人はあっけらかんとしているのに、私一人だけがまたもや大号泣(本日3回目)。生徒と保護者は何が起こったのか分からず、「この人なんで泣いてるの??」と思いっきり引かれましたが、涙が止まりませんでした。

この日、しみじみと思いました。

「うれし涙を1日に3回も流せる仕事なんて他にある??やっぱり、塾の先生っていいわ~!」


さいごに:進学塾ライトアップとしての誓い

「先生自身が幸せであること」という社長の教え。 そして、「一人の生徒の人生を背負う重み」を知った号泣と犬のう〇この日。後半の話なんて特に、う〇ちを踏んだ汚い話ですし、私の指導力不足を露呈した話なので、決して誇れるエピソードではありません。

しかし、「1日に3回号泣し、犬のう〇こをがっつり踏んだあの日」こそが、私の塾講師としての本当の原点です。

「塾の先生になって本当に良かった」

「この1年間の苦労は、この瞬間のためにあったんだ」

ということで、合格発表という最高の快楽を味わうために、私は1年、また1年・・・と、

時にこちらの言うことを無視し・・・、

時に知らないのに知っている風を装い・・・、

時に宿題を自力でやっていないのにやっていたと嘘をつき・・・、

時に親と塾に平気でうそをつく・・・、

そんな「生意気な」生徒たちと戦い続けています。(もちろん、素晴らしい生徒たちもたくさんいます!)

この2つが、私の塾講師としての原点です。 生徒に幸せな未来を見せるために、まずは私たちが情熱を持って仕事を楽しみ、そして、二度と入試直前にヒヤヒヤさせるようなことがないよう、徹底的に、確実に、学力を引き上げる。

勤め先も塾の名前も少し変わりましたが、あの日の靴の裏の感触(笑)と、胸に刻んだ熱い想いは、今も何一つ変わっていません。

これからも、生徒たちの未来を明るく照らす(ライトアップする)ために、最高の授業とサポートを届けていきます。

一緒に頑張っていきましょう!

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