【入試情報】親子で学ぶ教育セミナー2025
みなさん、、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。
テスト対策期間中です! どんどん塾を利用しましょう!
今年度に入って校長先生が替わられ、尾道北の先生がよくポスターなどを塾に持ってきてくださるようになりました。
明日は尾道北の文化祭ということで、興味のある生徒さんはぜひのぞいてみてください!(尾道東や総合技術も明日みたいですね!総合技術の食・デザインコースの生徒さんたちが作ったご飯は、朝9時から並ばないとチケットが売り切れてしまうと思うので、興味のある方はぜひ!)
さて、少し前になりますが、教育ネット21が主催する教育セミナーに行ってきました! うちの塾からの参加者は・・・残念ながら少なかったので、今回はオフレコの情報ではないところを少し話してみたいと思います。
会場は銀河学院! 最近は駅伝部女子の活躍が目立ちます。岡山の駅伝常連校だった興譲館高校の監督さんがやってきて、寮のごはんもその先生が作ってくださるみたいですね。長距離走を頑張りたい女子のみなさんは候補にいれてもいいんじゃないでしょうか?
この銀河学院の「コスモホール」と呼ばれる会議室のようなところが、今回の講演会の会場でした。ちなみに、7月に実施予定の中3生用の特訓講座「英単語トレーニングジム」の会場もこちらの予定です。
講演会は3部構成で、色々なお話を聞くことが出来ました。今回は第1部でご登壇された銀河学院の吉岡校長先生のお話と、第3部でご登壇されたベネッセの森下さんのお話を紹介したいと思います。
尚、私がとったメモを参考に話をしておりますので、万が一こちらで紹介する情報が間違っていたとしても、ご登壇された先生方に直接問い合わせたり、クレームを入れたりすることはお控えください。
ではいきます!
どうなる?私学教育のこれから
まず高校授業料無償化に関して、お話をしておくと「まだ正式発表はされていないものの自民・公明・維新の三党合意が出来ており、6月中に必ず発表されるだろう」という状態のようです。最近はちょうど塾対象説明会のシーズンなので、色々な学校にお邪魔しておりますが、どの学校の先生方もほぼほぼそのようなお話をされます。
これまでも「就学支援金」という制度があり、所得制限はありますが、ある程度の支援がなされておりました。県や国の補助によって、年間最低でも118,800円(=公立高校の授業料)、世帯年収590万円未満のご家庭であれば年間最大で396,000円の補助が出ておりました。
しかし、それが新年度より、所得制限なく年間最大で457,000円の給付がなされることになりそうです。月額にするとおよそ38,000円ということなので、この周辺の地域であれば、今のところほとんどの私学の授業料が無料、もしくは数千円だけ足が出ているような状態で通えるようになります。
え?数千円足が出るって・・・無償ではなくない?
こちらを勘違いされている方がいらっしゃるかもしれないので、改めて説明しておくと、その通りです。「無償化」という言葉が独り歩きしているような状態ですが、無償ではない場合もそれなりにあります。つまり、無償になるかどうかはその学校の授業料次第です。
それに、「教育充実費」「施設整備費」「修学旅行積立金」といった授業料以外の費用は当然かかります。ですので、実際のところいくらかかるの?という話は、個別相談会などの機会を利用して、ぜひ行きたい私立高校の先生に問い合わせてみてください。いずれにせよ、公立高校と私立高校の費用の差は確実に小さくなりますので、今までよりも私立を選びやすくなるのは事実なのではないかと思います。
そして、今回の無償化というものを私立高校の先生はどのようにとらえているのか・・・というのが今回のお話でした。吉岡先生は、今まで私学が志望校として選ばれない理由として「親に負担がかかる」「授業料が安い公立の方がいい」といった理由があったが、今回の無償化によってそれが無くなるか限りなく減るため、生徒たちの選択の幅が広がるので良いことだ、というお考えのようです。
私立はそれぞれ「建学の精神」や「独自性」を打ち出しています。「水の如くなくてはならない人になれ」の如水館、「カトリックの女子校」である暁の星、「生徒には授業よりも課外活動という『桃』を優先してもらう」という英数学館、「読書が人間を創る」の盈進など、各学校に特徴があります。金銭的な負担が大幅に減ることで、自分たちの学校理念を純粋に選んでもらえるのが嬉しい、ここからの競争は望むところだ、というお話をされていました。
また、公立とは違って私立高校は先生の異動や退職が少ないため、同じ先生に継続して何年も指導してもらえるという点も、魅力の1つかもしれません。実際、私の母校の私立高校も、私を指導してくれた先生がまだ何人も残っていらっしゃるようです。
逆に言えば、今回の「無償化」以降に人気を落とすような学校というのは、魅力が足りないか、そのアピールが足りないということになりますね。そして、普段から自分たちの魅力をアピールしていた私立高校に対して、今までは学費の安さだけで人を集めていたような公立高校は(そんな学校がもしあればですが)、ここからさらに人気を下げて、定員割れ、廃校となるような学校が出てくるかもしれません。特に、交通の便が悪い公立高校というのは、より選ばれなくなる傾向にあるかもしれません。
実際、福山の方々からして尾道北というのは「遠くて通いづらい」学校のようです。近くに同程度の費用で通える魅力的な私立高校があるのなら、今後ますます福山市内の生徒さんたちからは選ばれない学校になるかもしれませんね。
吉岡先生は最後に、「生徒の皆さんにはお金の問題だけではなく、『自分の特性』が伸びる、『理想の生き方』に近づける、そんな『学び』を与えてくれる学校を選んでほしい」というお話をされていました。もちろん、すでに触れたように、かかる費用が完全にゼロになるという訳ではないので、費用面についての慎重な検討はまだ必要と考える方もいらっしゃると思いますが、生徒・保護者の皆さんが、今まで以上に色々な角度から学校選びが出来て、結果として、将来につながる充実した高校生活が送れるようになるといいですね。
通知表の付き方
教育業界最大手であるベネッセの方をお招きして、ベネッセが集めた膨大なデータを参考にした、貴重なお話が聞けました。学校の通知表、つまり内申点がどうやってつくのか、生徒さんはどういったところを意識すればよいのかというお話でした。
まず、内申点の重要性について改めて少しお話をしておきます。
内申点は皆さんの日頃の努力を計るための非常に重要な指標です。私立高校の場合は、近大東広島や暁の星など出願資格や特待の出る基準が内申によって決まることもあります。また、呉高専は当日の入試得点500点満点に対して、内申点は405点なので、ほぼ1:1に近いくらい内申点が重視されています。呉高専に限らず、弓削商船や広島商船も含めた国立高専の推薦入試は、内申点と面接による点だけで合否が決まりますから、当然のごとく内申は重要です。
そして、多くの生徒たちが受験するであろう広島県の公立高校入試では、3年前から入試得点:内申点(調査書):自己表現の割合が「6:2:2」となり、内申の比重はこれまでよりもだいぶ下がりましたが、それでも入試得点の2割を占めている重要な要素です。
そして、尾道北、尾道東、県立広島、福山明王台のように「特色枠」で、内申を当日の入試得点と同じか、それよりも重視してみる学校もそれなりにあります。昨年度までだと、尾道北は「3:5:2」、尾道東は「3:4:3」、県広は「4:4:2」、福山明王台は「2:6:2」という特色枠の割合でした。学校の授業を真面目にしっかりと受けてくれれば、オレたちが成績を上げてやるぜ!という高校側の誠意と熱い意志を感じますね! 今年度の割合もだいたいは例年通りになるはずですが、実際のところどうなるのかは、9月ごろに正式発表されます。
ということで、そんな内申点ですが、各教科の内申点は3つの観点によって決定されます。それが「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3つです。
みなさんが各学期の終わりや、学年の終わりに返却される通知表の中で、1~5まで数字が書かれている欄がありますね。これが上で述べた、高校受験においてとても大切な調査書の点数に関係します。そして、その数字の横に、上記の3つの項目が書かれており、それぞれA・B・Cのどれかがついているはずです。
この3つの項目について、もう少しだけ詳しく説明します。
「知識・技能」…教科書の知識を覚えているか、公式をうまく使えるかどうか。定期テストや単語テスト・小テストなどで判断。
「思考・判断・表現」…教科書で学んだ知識を使って、応用的な問題に活かせているかどうか。定期テストの応用的な問題や探求学習などで判断。
「主体的に学習に取り組む態度」…教師側から教わるだけでなく、きちんと自ら行動できるかどうか。授業中の発表、提出物、振り返りシートなどで判断。
定期テスト、小テスト、レポート、振り返りシート、ノート提出、グループワークなど、授業中にやるさまざまな活動があります。そしてそれらは、授業担当の先生によって、点数化されています。例えば、定期テストであれば「知識・技能」に該当する問題が70点分、「思考・判断・表現」に該当する問題が30点分あって、振り返りシートで「主体的に学習に取り組む態度」が50点満点で評価されるとすると、そこでついた点数が3つの観点に振り分けられていきます。そして、それぞれの観点において、何点満点のうち何点をとったのか、その達成率によって80%以上がA、50%以上がB、50%未満がCといった形でランク付けされていきます。
そこからは、各学校の校長先生の判断です。ですので、実際にここから内申がいくつになるのかは、学校ごとに少し異なる場合があります。
3つの観点の達成率の平均を見る校長先生であれば、「知識・技能」が80%、「思考・判断・表現」が70%、「主体的学習に取り組む態度」が60%であれば、平均は70%ということになり、それが生徒さんの持ち点です。90%以上が5、80~90%が4,50~80%が3、20~50%が2、20%以下が1という基準が一般的なようですが、その基準で判断をすると、この生徒さんの内申点は「3」ということになります。
校長先生によっては、3つの観点をポイント換算する場合もあります。それぞれの観点別評価に関して、A〇、A、B、C〇、Cと、同じAの中でも点数によってA〇と無印のA、同じCの中でもC〇と無印のCという形でさらに上下に分けます。そうして、全部で5段階の評価にし、上から順に5,4,3,2,1ポイントをつけて、3つの観点の合計15点満点で評価をする方式です。この場合は、14,15ポイントなら内申は「5」,11~13ポイントなら内申は「4」・・・といった感じでポイントによって内申を決定していくようです。
これ以外にも、AAAなら5か4、AABなら4、ABBなら4か3、BBBなら3・・・といった形で、それぞれの観点別評価が、どういう組み合わせならどの内申点かという「組み合わせ表」をつかって(他の評価方法と比べるとややおおざっぱに)内申点を決めていく方法もあるそうです。
・・・すごいですよね。ここまで具体的に色々と教えてくれるなんて。私もこのお話を聞く前から、A〇、A、B、C〇、Cといった評価があることは何となくは知っていましたが、他の評価方法もあるというのは勉強不足でした。
さて、ここまでの話は大丈夫でしょうか? そして、この評価方法であるということを踏まえて、皆さんに知っておいてほしいポイントがさらに2つあります。
①技能科目(音・美・保体・技家)は「技能」だけでは決まらない!
例えば、運動神経が悪くて、「自分は足が遅いから、どう頑張っても良い成績がつくはずがない」と半ばあきらめてしまっている生徒さん。それは違います! 技能科目であっても「技能」自体は全体の16%にすぎません。だって、運動神経抜群な子が保体で「4」や「3」、それ以下の成績がついていることだってありますよね? 言い換えれば、他の84%は「技能」以外の部分で決まっているんです。それは定期テストだったり、授業の参加状況だったり、提出物を期限内に出すことだったり、授業中に危険な行為をしないかどうかだったり・・・色々なポイントがある訳です。
確かに「技能」があるならそれに越したことはないのですが、足りないなら足りないで、他で必死に補う努力をすれば挽回は十分に可能であるということです。だからこそ、自分は3つの観点の何が足りていないから成績が上がらないのかというのは、しっかりと考えた方がいいですね。
②「振り返りシート」をあなどるな!!
私は学生時代にこういったものを書いた記憶がないのですが、今の中学生さんたちは、各教科で各単元が終わった後に「振り返りシート」というものを書くことになっています。この振り返りシートをテキトーに書くのか、しっかりと書くのかが成績に大きく関わりますし、もっと話を広げると、皆さんの人生に関わってくる!・・・と言えるかもしれません。
振り返りシートはアンケート形式で色々なことを書くことになっていますが、その項目は大きく分けて3つに分かれます。
「自己評価」…わかったこと、できたこと、できなかったこと
「相互評価」…参考になった友達のアドバイス、みんなにアドバイスをもらって考えたこと
「学習の調整」…この後自分の学習をどのようにしていきたいか
特に最後の「学習の調整」について、テキトーに書いている生徒さんが意外に多いのではないかと思います。私もこのお話を聞きながら、数名・・・生徒さんたちの顔が浮かんできました。苦笑
この項目でただ単に「がんばる」と書くだけなのか、「私は長文を読むのが遅く、その原因は分からない単語が多すぎて、止まってしまうことが多くあるせいだと考えました。だから、単語をきちんと勉強することでもっと長文を速く読めるようになりたいです。」と書くのかで、「主体的に学習に取り組む態度」の点数が変わってきます。授業は中学生の皆さんにとって、大切な生活の一部です。どうかその振り返りを面倒くさいから、友達とおしゃべりしていたいから、という理由でテキトーに書くのではなく、しっかりと考えて書いてみてほしいです。
少し上で、この振り返りシートが皆さんの人生に関わってくるかもしれないと書かせてもらったのは、日常生活において「振り返り」ってめちゃくちゃ大事ですよね。部活動で結果を残すのだって、自分のやりたいことをやりつつ家の手伝いをするのだって、友達を傷つけてしまわないように言葉選びをするのだって、工夫が必要で、自分が工夫したことに対する「振り返り」はとても大切です。
次はもっとこういうところを直していこうと考えることで、皆さんの人生はもっともっと充実したものになるはずです。単に成績をあげるため、受験のためということではなく、もっともっと応用力をきかせて、勉強内容以上に、皆さんの人生において大事なものを学校の勉強から学んでください!
まとめ
今、公立高校併願入試制度なども導入が検討されています。第一志望は尾道北、第二志望は尾道東・・・という形で学校を選ぶことが出来れば、学力の高い学校や人気のある学校は毎年定員いっぱいの人数が集まり、逆に不人気な学校や偏差値の低い学校は今まで以上に生徒が集まらなくなるかもしれません。
大学入試関係では、最近は「年内入試」というワードがトレンドのようです。受験を速く終わらせたい受験生と、定員を早く集めたい私立大学がマッチする形で、「専願」合格を早めに出す学校が増えているそうですが、その流れは高校受験にもやってくるかもしれません。
少子化時代、私立高校も生き残りをかけて、生徒を増やすために色々な手を打っている状況ですので、今回の授業料無償化という制度変更がどういった変化をもたらすのか、そして今後どういった制度変更が起こりうるのか・・・、中学生以下のお子さんをおもちの保護者の皆さんは、ぜひ一緒に情報収集していきましょう!
また、学校でしっかりと評価をされることって、種類は違いますが、皆さんが将来社会に出たときに、会社や周りの人からどういう評価を受けるのかにも関わってくると思います。また、勉強だけ出来ていれば授業中におしゃべりをしていたって構わないのかと言われれば、そんなことはありません。そんな自己中な人間は、良くも悪くも集団の中で浮いてしまいます。
社会に出て、色々な人との関わりながら生活していかなければならないし、自分の生活をより充実したものに出来る人の方が幸せな人生を送れると思うので、ぜひ勉強だけではなく色々なことを学校で学んでください!
ということで、気づけば7000字を超えてしまいましたが、それだけ勉強になるセミナーでした。このセミナーが無料で受けられるというのは、非常にありがたい機会だと思います。来年度以降実施されるかどうかはまだ分かりませんが、引き続き教育ネット21でも、私個人としても、有益な情報は何かしらの形で発信していくつもりです。
とはいえ、ブログの中身が長すぎるので、一度できちんとは読み切れない、理解しきれないかもしれませんが、ぜひ学校の成績について考えたいときに、必要な部分だけでも構いませんので、改めてこのブログを読み返してみてください。
今はまさに定期テスト直前期。皆さんの1学期の成績が決まる重要な時期なので、目の前のテストに全力で挑みましょう!明日もお待ちしています!