【読書レビュー】白川蟻ん、六つ花えいこ『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

4/27~5/3はお休みです。5/4から中間テスト終了までは毎日教室を開けます!

さて今回はマンガの紹介です。しかも以前、『金の国 水の国』という作品を紹介させてもらいましたが、それ以来の少女漫画からのご紹介です!

【読書レビュー】岩本ナオ『金の国 水の国』

ちなみにこのブログを書いている現時点で、『金の国 水の国』のアニメ映画が、Amazonプライムで視聴できるみたいですので、こちらのブログを読み返して気になってもらえた方はぜひ観てみてください!

そして、今回ご紹介する作品はとあるランキングを見て知りました。

昨年の11月29日、この日が語呂合わせで「いい(11)ブック(29)の日」ということで、電子書籍サイト「ebookjapan」が調べた「読者が選ぶ 読んでよかったマンガ2024」というものが発表されておりました。(サイトはこちら

https://bestcalendar.jp/articles/press/18919 より引用

このランキングを見る前から私が読んでいたのは『葬送のフリーレン』、『呪術廻戦』、『ダンジョン飯』だったのですが、個人的に大好きなのは『ダンジョン飯』です。

アニメ化もされている作品で、すでに原作は完結済なのですが、ダンジョンに生息する魔物(=架空の生き物)について、見た目や習性、そしてその魔物を取り巻く生態系を含めて丁寧に作り込んでいますし、作中に登場するエルフやドワーフといった異種族の仲間たち(=もちろん架空の人類)との価値観・文化・平均寿命の違いなども、とても丁寧で面白いです。 これだけの設定を作り上げるのに、作者の方はいったいどれだけの年月をかけたんだろう?作者の頭の中はどうなっているんだろう?と感心させられっぱなしでした。

魔物大好き、魔物オタクの変人が主人公のライオスで、ドラゴンに食べられた妹を救出するという目的のために、仲間とともにダンジョンに潜っていくという、RPGゲームのような流れの作品です。物語の序盤は、何としても魔物を食べたいという変人の主人公を仲間たちがたしなめることが中心で、コメディ要素が多々あります。ですが、上でも述べたような魔物の習性や異種族とのやり取りが伏線となって、中盤以降は予想もつかないどんでん返しと怒涛の展開、最後はお話もきれいにまとまっていって、読後感は非常に良かったです。

そして、「人の欲望とは?」という深いテーマを扱っている作品でもあるので、とても考えさせられる作品でもありました。

ということで、今回の読書レビューは以上! いや~今回も楽しかった!

・・・な訳がありませんね?笑 そうなってくると完全なタイトル詐欺になってしまいます。

白川蟻ん、六つ花えいこ『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』

何度でも君に会いにいく。気が遠くなるほどの時を超えて、何度でも――。

魔法学校に通う17歳のオリアナは、ある日恋人のヴィンセントと共に原因不明の死を迎える。
死ぬ前の記憶を持ったまま、7歳の姿に死に戻ったオリアナ。
愛しい恋人との再会を夢見ながら幾年を過ごし、やっと再会するも、
彼はオリアナのことを何も覚えていなくて……。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322112000523/ より引用

こちらは魔法のあるファンタジー世界のお話です。

登場人物たちが13歳から17歳までの5年間通うことになる魔法学校がお話の舞台で、主人公のオリアナは恋人のヴィンセントとラブラブ。

卒業まであと数か月のある日、オリアナはヴィンセントに放課後に談話室へと呼び出されますが、そこで待っていたのは冷たくなった(=死んでしまった)ヴィンセント、そしてオリアナもその場で意識を失い、そのまま死んでしまいます。

そして、気づくとオリアナは7歳のころに「死に戻り」をしてしまっていました。

そこから再び魔法学校に入学し、生前恋人だったヴィンセントと感動の再開を果たす

・・・はずでしたが、ヴィンセントの方は死に戻った訳ではありませんでした。突然なれなれしてくる知らない女子に戸惑い、逆に距離を置かれてしまいます。

オリアナは、(出来れば付き合いたいけど)たとえヴィンセントに嫌われてもいいから、どうにか彼の命を守りたいという一途な思いで彼に付きまといます。最初は迷惑がっていたヴィンセントもそのうち心境の変化が・・・というここから先は、ぜひ本編を確認してみてください!

言葉足らずで思いが伝わらずにすれ違ってしまう2人のやりとりを見ると読者の私たちはむずむずしますし、そもそも前世でオリアナとヴィンセントの2人を殺したのは誰なのかというミステリー要素も非常に重要で、どこかに伏線が張られていないかと注意深く読み進めたくもなります。個人的には1巻の時点でかなり大きな伏線があるのを見つけているので、それがどうなるか・・・今後の楽しみにしています。

また、オリアナにとっては2度目の人生なのと、ヴィンセントを守るために、ヴィンセントと同じ一番賢いクラスにいたいという執念のため、1度目の人生のときとは違うクラスにいます。だからこそ、学校の中で付き合う人間関係もかなり変わっていて、そのあたりは数年前に流行したドラマ「ブラッシュアップライフ」を見ているような楽しさがあります。

このブログを書いている現在、単行本は5巻まで発売されていますが、今はオリアナとヴィンセントの2人の関係よりも、オリアナのルームメイトのヤナとその付き人のアズラクの2人の関係が気になります・・・。

また、個人的に一番印象に残っているのは、ヴィンセントがオリアナから「真相」を打ち明けられたときのシーンです。ヴィンセントからしたら、入学して間もないころから、初対面のはずのオリアナに執拗に追いかけられ、ずっと好き好き言い続けられてきた訳ですが、オリアナが好きなのは今の自分じゃなくて、前世の自分だと分かったときに、「オリアナが本当に好きなのは、頭の中にある名前と顔が同じ別物であって、本当の『自分』ではない・・・」とショックを受けてしまうんですよね。

ここが個人的には意外に思ったシーンです。私がもしヴィンセントだったとすると、「そこまで命がけで自分のことを大切思ってくれていて嬉しい!」となるように思います。ですが、作中のヴィンセントは逆にショックを受けるんですよね。

マンガも小説もドラマもそうですが、登場人物に感情移入をしてみると、より作品の世界に没入できます。そして、自分の感じ方とは違う感情を登場人物が抱いたのなら、「そう感じる人もいるんだ!」となります。作品を楽しんでいるだけで、自分とは違う他人というものがいるんだと深く理解する能力が身につくかもしれません。

そんな作品は狙って簡単に出会えるものではありません。だから、こういった「ズレ」との出会いも大切にしていきたいですね。

私もヴィンセントの気持ちに精一杯共感しようと色々と想像をしてみました。もしかしたら一般人と付き合うことになった大人気アイドルの人とかも、相手が好きなのは「アイドルである自分」であって、本当の自分ではない・・・なんて、ショックを受けてしまうかもしれないし、その感じに似ているのかな?なんてことを考えました。

ということで、気になった方はぜひチェックしてみてください!(2025年5月8日までは1巻は無料で読めるみたいです!)

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