【雑談】新年度の教科書改訂について勉強してきました!

みなさん、こんにちは! 進学塾ライトアップ、代表の西川です。

定期テスト前の期間ですので、教室は毎日開けております。 毎日生徒さんたちが塾に来て頑張ってくれています。学校の数学の小テストで毎回0点だった生徒さんが、勉強をしたことで満点が取れるようになったり、中3の生徒さんたちの理科のテスト範囲の単元をプチ授業したり、英語の教科書本文を一緒に確認していったりと色々なことをしています。この調子で頑張っていきましょう!

さて、今回は中1・中2、そして現小6の生徒さんたち向けのお話です。来年度から教科書が新しくなります。そこで、どういった部分が新しくなるのか・・・その勉強会に参加してきましたので、今回は私の頭の中の整理もかねて、そのお話をしてみたいと思います。(万が一、何か誤りがあれば随時訂正をしていきます。)

これまでの経緯

さて、ここは日本の教育の変遷についてのお話をしますので、興味のある方だけ読んでください。

みなさんが、小学校・中学校・高等学校で何を勉強するのかが書かれているのが「学習指導要領」というものです。これは大体10年おきに更新されています。前回の学習指導要領から、勉強時間や勉強内容が増えれば、「詰め込み教育」になったと言われますし、勉強時間や勉強内容が減らされていれば、「ゆとり教育」になったと言われます。経済で、好景気と不景気が波のようにやってくるように、教育に関しても20~30年のスパンで「詰め込み教育」と「ゆとり教育」が波のように切り替わっています。

1980年代は「詰め込み教育」で、その結果落ちこぼれが増えました。スクールウォーズ、ヤンキー文化、金八先生で言えば「俺たちは『腐ったみかん』じゃない!」の頃です。(私はその世代じゃないので、言葉として知っているだけですが・・・)

そこから、落ちこぼれを増やさないようにということで、少しずつゆとり教育へと転換していきます。その傾向がもっとも顕著になったのが、公立の学校の土曜日が毎週休みになって、勉強内容が3割ほど減らされた2002年の「ゆとり教育」です。そこから、2回の学習指導要領の改訂を経て、「脱ゆとり」(=授業時間増)、思考力が大事(=生きる力の育成)、英語をもっとちゃんとやらないと(=小学校から英語必修化)、ICT教育を頑張らないと(=GIGAスクール構想)・・・となって今に至っています。

直近で学習指導要領が改訂されたのが2020年で、今回はまだ4年しか経っていません。よって今回は学習指導要領の改訂を伴わない教科書改訂、いわゆる「小改訂」と言われているものです。新しい学習指導要領を実際に運用してみて、修正を加えた方が良いところを修正するというのが今回の教科書改訂です。つまり、教科書内容はほとんど変わりません。

改訂のポイントは「ICT機器の活用」

では、教科書の一体何が変わったのかについて、ここでは簡単にまとめていきます。また、教科書改訂とは別で尾道市の中学校の英語の教科書が「New Horizon」から「Sunshine」に代わりますので、どういったところが変わるのかについても話してみようと思います。

概要

まずは教科ごとではなく、全体的な話です。

簡単に言えば、「教科書についているQRコードを使ってサイトに飛ぶデジタルコンテンツ(以下、QRコンテンツ)が、これまで以上にたくさんつく」というのが今回のポイントです。例えば、今回の勉強会を開いてくれた教材会社さん調べによると、今年度までの尾道市内の数学の教科書であれば、中1~中3の教科書3冊で、QRコンテンツが合計52個ついていました。

それが、新教科書ではどうなるかというと・・・

・・・

・・・

なんと・・・

・・・

・・・

1,752個になります!

え??って二度見したくなりませんか?笑

何とその数は30倍以上です。他の教科も理科が390個から587個、社会に関しては地理は153個から1,705個歴史は35個から382個公民は24個から332個国語は69個から352個、英語は教科書自体が変わっていますが、430個から637個ということで、とにかくQRコンテンツだらけになっていることが分かります。

これは、きちんと使いこなせる生徒さんは、教科書だけで今まで以上に深い勉強ができるでしょうし、うまく使いこなせる学校の生徒さんたちは、勉強に対する興味関心を大きく広げられる可能性が高まります。逆に、これらをうまく使いこなせない、あるいは使いこなそうという気がない生徒さんたちは、理解力や知識という面において、周りに置いていかれる可能性があります。もしかしたら、保護者の方もお子さんと一緒に教科書を眺めて、色々なアドバイスを送るなり、一緒に学習をしていく姿勢が必要かもしれません。

では、なぜそこまでQRコンテンツを充実させるに至ったかというと、考えられるのは「GIGAスクール構想」と「全国学力調査のCBT化」でしょうか。この辺りは、私が感じたことなので、実際のところはわかりませんが、少し考えてみたいと思います。

生徒が1人1台、インターネットにつながる端末を用意し、個別最適化された学習をしていこうというのが「GIGAスクール構想」です。今後は教科書はデジタル教科書にして、重い教科書を持ち運ぶ生徒たちの負担を減らそう。学校の授業でプログラミングが必修化されたように、情報化社会についていける人材を育成しよう。などなどの狙いがあります。

また、生徒の学力を見ていくための全国学力調査という学校のテストもCBT化されます。つまり、紙ではなく端末で試験を受ける形になるということです。つまり、子供たちはタブレットやパソコンで問題を解く形式に慣れておいた方がいいから、教科書にもQRコンテンツを増やしていこうということです。

国語(光村図書)

中2の教科書に、伊坂幸太郎の書きおろし作品が掲載されます! 「重力ピエロ」「ゴールデンスランバー」「鴨とアヒルのコインロッカー」「陽気なギャングが地球を回す」・・・などなど映像化された作品も多数ある、有名な小説家の方です。

これによって「盆土産」という作品が巻末にお引越しします。単身赴任先の東京から戻る父に、電話で「お土産にエビフライを持って帰ってやる」と言われたもんだから、見たこともない謎のお土産「エビフライ」について、あれこれ妄想する田舎の少女が主人公の作品ですね。

他にも「学びへの扉」と「学びへのカギ」という課題発見能力・課題解決能力を養うためのコーナーがあったり、「国語の力試しCBT」というワークもQRコンテンツとして新たに作られていたり、「語彙ブック」という付録がついているようです。

どんな教科書なのか、くわしくはこちらの特設サイトをご覧ください。

数学(東京書籍)

中1の計算のところで習う「累乗」を教える順番が「素因数分解」を習った直後になります。これは、実際に中1に教えていない方にはイマイチピンとこないかもしれませんが、毎年教えるたびに「そっか、ここで2乗、3乗っていったらダメなのか・・・説明しちゃいたいな~」と、若干のストレスを感じていたので、本当に助かります! また、変域を中2で教えるようになりますので、数学が苦手な生徒さんたちにとっては少しやっかいかもしれませんね。

教科書の欄外に「クイックチェック」という例題がつき、ヒントや解答はQRコンテンツで見られるようになります。また計算練習をする「フラッシュカード」というQRコンテンツも新たに作られているそうです。苦手意識があるならばQRコンテンツをうまく活用すれば、それで解決できるようにもなるかもしれませんね。

どんな教科書なのか、くわしくはこちらの特設サイトをご覧ください。

英語(東京書籍→開隆堂)

尾道の英語の教科書は、新中1から現行の「New Horizon」から、現在広大三原で使われている「Sunshine」に変更されます。(中2・中3はこれまで通りのNew Horizonで学習する予定です。)Sunshineの主な変更点としては、現行の教科書では中2の終わりに登場していた現在完了や現在完了進行形という文法が中3に戻りました。

教科書の構成はScenes(導入・ポイント解説)→Tuning in(リスニング、内容補足)→Think(本文)→Review&Retell(本文の復習)→Interact(言語活動)→英語のしくみ(文法解説)という構成で、やることが分かりやすくなっています。

どんな教科書なのか、くわしくはこちらの特設サイトをご覧ください。

理科(啓林館)

重要語句や掲載されている実験に一部変更がありますが、基本的なところは変わりません。

すでに390個とたくさんあったQRコンテンツが、587個とさらに充実しました。QRコンテンツの中身を見ると、CBTのテストや3Dコンテンツも追加されたということなので楽しみですね!

どんな教科書なのか、くわしくはこちらの特設サイトをご覧ください。

社会(地理:帝国書院、歴史&公民:東京書籍)

歴史のところで「中世ヨーロッパ」を教える順番が室町時代の後から鎌倉時代の前へと大きく変わりますが、大まかな内容は地理・歴史・公民どれも変わっていません。あとは、単語では「イスラム教」という言葉を使わなくなり、代わりに「イスラーム」というようになります。すでにイスラームという言葉の中に「教」という意味が入っているため、わざわざつけなくなるそうですが、最初は教える私や学校の先生たちも、教わる皆さんも違和感を感じるかもしれませんね。

また、以前の教科書から新たに「新型コロナウイルス」や「ロシアのウクライナ侵攻」などの単語が使われるようになります。教科書に出てくるということは、もしかしたら入試でも・・・ということになりますね。

どんな教科書なのか、詳しくはこちら(地理歴史公民)の特設サイトをご覧ください。

まとめ

ということで、簡単ではありますが教科書改訂についてまとめてみました。

今のQRコードについて、理科と英語は色々と見たことがあるのですが、他の教科はきちんと見たことがありませんでした。(そもそもあまり無い教科書もありましたし・・・)

ですが、新しい教科書に関しては、生徒さんたちと一緒にQRコンテンツを見てみようと思います。新しい教科書を塾に置くのは、流通の関係でおそらく5月に入るか入らないかの頃になると思います。みなさんは私よりも一足早く4月の最初から教科書をもらえると思いますので、またぜひ感想を教えてください。

ということで、本日も勉強を頑張りましょう!

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