【社会】授業で映画を鑑賞しました!

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

9/8日、9/9月はお休みです。ご注意ください。

9/1日は社会暗記トレーニングジムに希望者の生徒さんに参加してもらいました。朝9時から17時までで、社会単語600個を暗記してもらうイベントだったのですが、うちの塾から参加してくれた生徒さんは、集中してものすごく頑張ってくれていたと思います。こちらに関しては、また後日紹介させていただきます。

また、8月の後半はロクログとオンライン教材のレースを静かに行っておりましたが、オンライン教材をうまく利用して自分の学年よりも上の級の勉強を先取りしてくれる生徒さんが頑張ってくれていました。こちらもまた機会があればご紹介します。

9月は高校の塾対象入試説明会だけでも福山の高校を中心に6校にお邪魔する予定です。それ以外にもオンラインセミナー、新しい企画の打ち合わせもあり、相変わらずバタバタしておりますが、「ブログを見てます!」とお声かけをいただくこともありますし、ブログへのアクセス数が、更新が滞っている期間も毎日150件ほどあるようですので、なんとか更新をしていきたいと思います。

ということで、今回は先日台風が接近していた日におこなった社会の授業に関してご紹介したいと思います。

昨年度の夏、うちの塾ではプロジェクターを導入して、それを授業に活用する機会も増えてきました。また、パソコンも新調しましたので、これらを利用して、かねてよりやってみようかと考えていた映画観賞会を実践してみました。

『なぜ君は総理大臣になれないのか』とは・・・

今回の授業では、2020年に公開された『なぜ君は総理大臣になれないのか』というドキュメンタリー映画を上映しました。

DVDの裏の紹介の文章がこちらです。

「ただ社会を良くしたい」———愚直な政治家が歩んだ希望と挫折の17年。

2020年、最も世間を騒がせた傑作ドキュメンタリー‼

衆議院議員・小川淳也。2019年の国会で統計不正を質し、SNSで“統計王子” “こんな政治家がいたのか”と騒がれて注目を浴びた。監督の大島新が彼と出会ったのは03年10月10日、衆議院解散の日。民主党から初出馬する小川にカメラを向けた。以来、その無私な姿勢に惹かれた大島は、事あるごとに小川の姿を撮影するようになる。地盤・看板・カバン——後援会・知名度・選挙資金なしで始めた選挙戦、05年の初当選、安倍政権下での我慢の時期、移籍への苦悩…。17年間、小川を見つけ続けてきた大島の目に映ったのは、日本政治の希望か絶望か。

とある国会議員さんが、どんな想いで国会議員になって戦っているのかや、選挙に当選するためにどんな風に頑張っているのかを17年間追いかけたドキュメンタリー映画です。(ホームページはこちら

こちらの映画をただ流すだけでは、よくわからないまま時間を無駄に使ってしまうことになりかねないので、事前学習のためのレジュメを作成しました。そして、上映前に少し時間をとって、この映画を見る目的や背景知識、語句の確認を行いました。

鑑賞会の狙いは、

  1. 選挙に行ったことのないみなさんにとって、選挙とはどんなものか、選挙に立候補する人はどんな想いで立候補しているのかを知ってもらい、選挙に興味を持ってもらうこと
  2. 政治に関連したニュースの知識を得ることで、普段は聞き流していた政治のニュースにも関心を持ってもらい、周囲の人と話してもらうこと
  3. 選挙制度や与党・野党などの仕組みを理解してもらい、2学期の定期テストや高校受験にいかしてもらうこと

の3つでした。

うちの塾では例年、政治分野は7月の夏期講習中に行うのですが、10月の定期試験までに少し期間が開いてしまうので、それまでに、せっかく学習した政治分野の知識が抜けてしまう生徒さんもいます。その復習もかねて、この時期に鑑賞会を行いました。

劇中で登場する用語に関しては、生徒さんたちがわかりにくいと感じそうな言葉に関しては事前に「用語解説集」を作りました。また、2000年代初めごろの小泉旋風、消えた年金問題からの民主党への政権交代、再び与党に返り咲いた自民党の一強時代についての流れもおおまかに確認をしていきました。

ここまで準備をして鑑賞会をしたのも、生徒の皆さんが経験したことがない「選挙」というものが、どういう形で行われているのかをしっかりと理解してもらうことで、中学校での学習の手助けをしたいし、将来選挙権を得たときに、前向きに選挙に行けるようなきっかけづくりをしてほしいという気持ちがありました。

鑑賞会に至った経緯

それでも、ただテキストを使ってもう一度同じような授業を行うのではなく、わざわざ映画観賞をしようとまでは踏み切れていなかったのですが、最終的に映画観賞の授業をしようという思いが強まったきっかけが2つあります。

まず1つは、この映画をとある高校の世界史の授業で上映した先生が、「政治的中立性」に欠けるということで、問題視されてしまったという事件です。

「小川氏主役」の映画を上映 県教委、「不適切」と謝罪 高3生の世界史授業で

高松市内の県立高校の30代男性教諭が7~9月、立憲民主党の小川淳也衆院議員(比例四国)を取り上げた映画を、3年生の世界史の授業中に見せていたことが6日分かった。(中略)同映画は、映画監督自らが「小川氏が主人公」と話し、教育基本法が定める政治的中立を逸脱する不適切な教材に当たるとして、県教委は事態を重視。生徒だけでなく、5日には保護者説明会を開いて直接謝罪する異例の対応を取ったほか、男性教諭への処分を検討している。

教育基本法では、教員自らの言動が生徒に与える影響が極めて大きいことから、教員が個人的な主義主張を述べることは避け、中立かつ公正な立場で生徒を指導することが求められている。文科省や総務省は、政治に関する授業に関して、「特定の政党の情報だけを生徒に配ると、公職選挙法に違反する恐れがある」と指摘している。

https://www.shikoku-np.co.jp/local_news/article.aspx?id=20211006000443より引用

この記事で問題があったとされている先生は、劇中に登場する国会議員さんが立候補する選挙区の、しかも選挙権を得ている高校3年生の生徒たちにこの映画を見せたということですので、この映画によって投票行動に直接的な影響が及ぶ可能性があります。その部分がより問題を大きくしてしまったのかもしれませんが、この記事を見る限りは、具体的な選挙の様子を学校の教材として見せることは、学校教育という現場では、不適切である可能性が高そうです。

ただ、私が今回の鑑賞会で生徒さんたちに伝えたかったのは、「〇〇党は良くて、□□党はダメだから、みんな先生の言う通りに投票しようね。」なんていう主義主張を押し付けるような話ではありません。

「政治は100対0で、勝った方が全てという風に語られがちだけれど、実際のところは51対49。勝ち負けはギリギリのところで決まる。ただ、今の日本の政治は選挙に勝った51の側がその51のためだけの政治をしている。自分が立候補して、負けた49をいかに拾うのかを考えながら政治をしていきたい。」

そんな風に、日本の将来のことを真剣に考えながら戦う政治家の方々が、きっと与党・野党問わずそこら中にいるはずなんです。尾道を含んだ広島6区から小選挙区で立候補している、自由民主党の小島敏文さんだって、立憲民主党の佐藤公治さんだって同じ気持ちのはずなんです。そんな、大人が本気の本気になって、日本の将来のために戦っているのが選挙なんだと、学校では教えられないところから伝えたいという思いがあります。

そして、2つめのきっかけとなったのが、先月の福山市長選挙です。8月におとなりの福山市で、市長選挙が行われましたが、その選挙の投票率の低さにびっくりしてしまいました。

福山市長選投票率23・43%、過去3番目の低さ

現職の市長が新人の候補者を大差で破って当選したのですが、投票率を見る限り、福山市の有権者のうち4人に1人しか選挙に行っていないんですよね。7月に行われた東京都知事選挙の投票率が60%を超えていたことや、前回の尾道市長選挙の投票率が56%だったことと比較すると、ずいぶん盛り上がらなかったようです。

「興味ない」「よくわからない」「どうせ自分が行っても行かなくても結果は変わらない」そんな気持ちで、有権者のみなさんが選挙というイベントを楽しめなかったのなら、それはもったいないことです。

仕事を始めてみるとわかりますが、一生懸命働いて得た収入から、税金がどんどん引かれていくんです。例えば、「年収1000万円」のサラリーマンの人がいたとします。その人は、お給料としてもらえる1000万円全額を好きなことに使えるわけではありません。

まず所得税として、お給料のうちの33%、およそ330万円がお給料から引かれます。他にも、住んでいる地方公共団体から取られる「住民税」、土地や家などにかかる「固定資産税」、車を所有しているだけでかかってくる「自動車税」、さらに何か商品を買えば「消費税」「酒税」「たばこ税」「揮発油(ガソリン)税」「ゴルフ場利用税」もかかってきますし、お年寄りの方の年金に充てられる「国民健康保険料」もあります。

つまり何十万円、人によっては何百万円、何千万円もの税金を納めないといけないわけです。そのようにして集められたお金がどのように使われるかは、地方自治や財政のお話の中で勉強をしていったのですが、集めた税金の一部は、市長や知事や国会議員の給料になります。

みなさんが毎年、それだけ多額のお金をかける相手であり、その多額のお金の使い道を決める張本人であるのが、知事や市長などの「首長」であり、地方議会の「議員」たちであり、「国会議員」の方々です。そんな私たちの代表者を選ぶために重要なのが「選挙」です。

大金をかける相手を決めるんですから・・・真剣に考えないともったいないと思いませんか? だれに投票するかを興味・関心をもって決めていかないと、お金が無駄だと感じてしまいませんか?

そんな思いがあって、今回の授業を組み立てていきました。

資料を作るにあたって、私自身も知識があやふやなところがあったので、Chat GPTに色々と質問をしながら、資料を作成していきました。今更人には聞きづらいことや、そもそも自分が何をわかっていて何をわかっていないのかがわからない事柄について、ある程度きちんと質問が出来れば、Chat GPTがこちらが聞きたいことをかなり適格に、ポイントをまとめて解答をしてくれるので、本当に便利です。おかげで、資料を作っている私自身が一番勉強になったかもしれません。笑

【社会】今こそ政治について語り合おう!

【雑談】もうすぐ衆議院選挙!

今までも、政治に関するお話を授業でしたり、ブログでまとめたりしてきましたが、新たな試みとして踏み切った映画観賞・・・。退屈で居眠りをしてしまう生徒さんがたくさんいるかもしれないと恐れていましたが、生徒さん(ほぼ)全員が最後までしっかりと映画を鑑賞してくれました。

鑑賞後の生徒たちの感想

「良かった、つまらなかった、よく分かった、よくわからなかった・・・なんでもいいから率直に感想を書いてほしい。別に変な気を使わなくていいからね。みんなの感想を参考にして、来年も同じような授業をしようか決めようと思っているから、思ってることを書いてみてね。」

こんな風に話をして、皆さんから感想を集めてみたところ、以下のような感想をもらいました。一部の生徒さんの意見を紹介します。

政治家は常にマジメなイメージがあったけど、少し楽しんでやっていてイメージが変わりました。ささえてくれる人が多くいるからこそ、ずっとがんばれているんだと思いました。思っていたより難しい場面が少なくて、仕事だけでなく家の中の話まで分かったので良かったです。もう少し誰がどの立場の人なのか分かると良いです。

国会議員さんって、平日は国会や勉強会に参加して、週末は地元に帰って地元の方々から意見を聞いたり、イベントに参加したりと忙しくしているんですよね。全員の希望をかなえてあげることは不可能なので、大変なお仕事です。そして、時にはお酒を飲みながら、普段はなかなか話せないようなところまで踏み込んで、笑顔で語り合うこともあるみたいですね。

最後の意見は確かにそうですね、貴重な意見をありがとう! 来年度以降やるとしたら、次は紹介のところに顔写真でもいれてみようかな・・・。

今まで車に乗って町をまわったり、町を歩いて地域の人と交流したりしているのを見たことはあるけれど、夜でも自分の名前を広めようとしていたり、家族までもが協力をしたりしていたのは初めて知ったし、選挙に対する熱がすごいなと思いました。立候補をした人たちは投票日まで日比自分に投票してもらおうとたくさんの人に協力してもらいながら努力していることを知り、立候補者のこの町を変えたい守りたいという強い思いを感じました。

特に意識をしなければ、選挙中にスピーカーで大声で名前を連呼して手を振っていて、「うるさい!」と感じるだけのおじさんおばさんかもしれませんが、必死で名前を覚えてもらって、わざわざ投票所に行ってもらって、そこで自分の名前を書いてもらわないといけないんですよね。選挙について、今までとは違った側面からも見られるようになったのなら、先生もとてもうれしいです!

・結局当選しないと何も始まらないことが分かった。

・本気で政治を変えるっていう強い気持ちが伝わった。

・いろんな事情があるにもかかわらず、街頭演説などのときにひどい言葉をかけられていて大変なんだなと思った。

政治家の人って本当に大変だと思います。何をするにしても必ず誰かに嫌われます。例えば消費税を減税すれば、多くの人が喜ぶかもしれませんが、その分他の税金を上げてしまえば、それによって嫌な思いをする人がいます。消費税を減税した分、社会保障費を減らせば、生活に困る高齢者の方が増えるかもしれません。だから、全員に好かれるということは不可能です。だから、みんなの前に立てば、絶対に誰かから非難されたり、心無い悪口を言われたりします。そこに気づけば、どの政策によって誰が得をして、誰が損をするのかを考えることができると思います。

選挙をしたことがなかったので、イメージがわかなかったけど、この映画を見て、選挙についてなんとなく分かった。けど、話の内容がむずかしかったので、よくわからないところも何個かあった。小川さんが努力して批判されてもがんばってすごいと思ったし、選挙ではおしくも選ばれなかったけど、今まで圧勝していた平井さんと良い勝負をしていてすごいと思った。

途中の民進党が解党して希望の党に合流しようか・・・というところは、解説にも少し書いたんですが、確かにわかりにくいですよね。それでも、選挙というものがイメージしやすくなってくれたなら、そこが一番伝えたいところだったので良かったです!

2017年は自分はまだ7歳だったし、政治のことも選挙のことも興味がなかったけど、見てみると政治のことが良く分かった。2025年の常会は少しみてみようと思った。

1月後半から通常国会(常会)が始まり、その様子はNHKで国会中継されているので、3月ごろ、受験が落ち着いて春休みになってから見てみると良いと思います! そのころはどんなテーマが話題に取り上げられているでしょうね。

選挙に当選するのは、そう簡単ではないなと思いました。小川さんは政治家に向いていないと言われていてもそれをあきらめられない気持ちはすごいなと思いました。毎日、当選するために努力していたのに努力をしてもしてもしても報われないことが現実にあり、それを観ることができてとても良かったです。政治の大変さもわかるけど、それ以上に夢をかなえる大変さもわかる映画だなと思いました。またこの映画を見ることであまり想像しにくい、政治のくわしい部分も少しはわかることが出来ました。

「日本を良くしたい」という熱い思いが感じられて、見ていてかっこいいですよね。そんな熱い思いの政治家の人が増えれば、特に若い人がどんどん立ち上がっていけば、日本はまだまだここから良くなっていくんじゃないかと思います。ぜひ、そんな熱い思いを感じる人を選挙で選ぶようにしましょう!

政治のことだけでなく「夢をかなえる大変さ」についても考えてくれているのは素晴らしいですね! 自分がかなえたい夢って、きっと同じ夢を持つ人が他にもたくさんいるはずです。だからこそ、かなえるためには相手に勝つための努力も戦略も大事です。ぜひ、この映画で感じたことを自分にも生かして、夢をかなえてください!

今まで、政治のことに対してあまり興味がなく、知らないことばっかりだったけど、小川さんやその家族、仲間などたくさんの人に応援されながら辛くても選挙で戦っている姿を見て、あきらめないところがすごいなと思ったし、かっこいいなと思いました。また、このような一生懸命な人に私は18歳になったら投票してみたいなと思いました。

努力をしている人って、かっこいいですよね。勉強で必死に努力をしている皆さんのことを見ていて、先生もかっこいいなと思いますし、応援したくなります。きっとこれは政治・勉強に限らず、スポーツでも学校でも、あらゆることに共通することだと思います。ぜひ自分にも生かしてくださいね!

また、選挙に興味を持ってくれたというのはとてもうれしいです。ぜひ、18歳になったら選挙に行ってください!3年後にその報告をくれるのを待っています!

まとめ

紹介していない感想もありますが、皆さんの感想を一通り見させてもらって、とりあえずは一安心しました。来年度も同じような授業をやる場合には、皆さんの意見も参考にしながら、そもそも何を鑑賞するのかも含めて、検討してみたいと思います。

私も政治についてはわからないこともたくさんあります。それでも今は政治についてわかりやすく教えてくれるインフルエンサーやYouTuber、ネット配信の番組があるので、そこから(メディアリテラシーに気を付けつつ)情報を得ています。

最近面白かったと感じたのは、このブログでは良く紹介させてもらっている中田敦彦さんの、「政治とカネ」の問題に関するお話です。お時間のある方はぜひご覧になってください。そして、この問題はまだ解決していないと思うのですが・・・みなさんはどう思いますか?

また、次期自民党総裁選への出馬を見送った現内閣総理大臣の岸田首相について、側近である総理補佐官の矢田さんという方がお話されていた番組も印象的でした。世間からは、「増税メガネ」などと批判されることもある岸田首相の真面目で誠実な一面が分かります。

人間はロボットではないので、単純に「有能」「無能」「良い」「悪い」「全肯定」「全否定」という一言では語れない部分がありますよね。ある人の1つの側面だけで、その人を「全否定」してしまうような薄っぺらい人間にはなりたくないものです。

ということで、生徒さんにとって何かを心に残せるような印象的な授業を目指して、日々努力を重ねていきます。

気づけば2学期中間テストまであと1か月ほどですから、生徒の皆さんも周りを引き付けるような努力をしてください!一緒に頑張りましょう!

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