【高校紹介】弓削商船高等専門学校(その①)(前半)

みなさん、こんにちは!進学塾ライトアップ、代表の西川です。

教室は毎日開いております。中間テストの反省も踏まえつつ、しっかりと勉強を頑張りましょう!

さて、今回は今までずっと気になっていて、それでも中々説明会に足を運べていなかった学校の紹介です。

塾の近隣で、まだ学校見学や説明会に参加出来ていない学校は何校かあります。学校説明会の日程が合わなかったり、遠くてなかなか足を運べなかったり、名刺を渡して「ご連絡をお待ちしております。」と伝えても連絡をいただけなかったり、志望する生徒さんがほぼいなかったり、そもそもかなり特殊な学校だったりと、色々な理由で行けていないのですが、その中の1つの学校の説明会に、塾開校6年目にしてようやく伺うことが出来ました!

ではなぜその学校の説明会に参加することになったのかというと、それは学校の先生方の「熱意」によるものだと思います。

今年度に入り、生徒さんたちが突如として模試の志望校調査の「第3志望」あたりに書き始めた学校があります。それが1人ではなく、複数人が同様に「第3志望」にある学校の名前を書き続けているんです。(実は福山の生徒さんにも同様の現象が見られているようです。)

「中学校で説明会があって、それでなんか気になった」

「遠いから実際に行くかどうかは分からないけど、ちょっと面白そうだなって思った」

生徒たちに話を聞いてみると、そんな話をチラホラと聞きます。愛媛県の学校で、しかもフェリーに乗らないと行けない学校なのに、それでも中学生たちに「気になる」と言わせる学校・・・そんな「熱意」のこもったプレゼンをされていて、生徒たちが気になっている学校のことを、何も知らないではいけない!・・・ということで、尾道で開かれる説明会に行って参りました!

それが、今回紹介する弓削商船です!

今回の説明会の会場はびんご運動公園でしたが、雨が降っていましたし、終わったらすぐに進学情報フェスタに向かわないとということで、バタバタしていて完全に写真を撮り忘れてしまいました苦笑 ですので、学校紹介の記事には珍しく写真ゼロでお届けしていきます! もちろん、今回の説明会の会場と学校は全く別の場所ですので、気になる方はぜひどんなところにあるのか調べてみてください。

弓削商船高等専門学校

HP: https://www.yuge.ac.jp

男女: 共学

アクセス:因島の土生港からフェリーで弓削島の弓削港へ行きそこから徒歩15分、因島の土生港か三原港からフェリーで生名島の立石港へ行きそこから車で10分など

学科・コース:商船学科、電子機械工学科、情報工学科

育伸模試合格基準偏差値(合格可能性80%):48(※全県模試に換算すると50~52くらい)

R6卒業生の就職・進学実績:

(商船学科)日本郵船(※業界最大手)、商船三井、NSユナイテッド海運、川崎近海汽船など

(電子機械工学科)コニカミノルタ、関西電力、住友化学、出光興産、千葉大学など

(情報工学科)LIXIL、JFEスチール、NTT東日本、関西電力、富士通、九州大学など

就職先に関しては、私が不勉強のため、一覧の中から名前を聞いたことがある企業を中心に挙げさせていただきました。1つ言えることとしては、みなさんがテレビのコマーシャルで見る企業って、それだけで広告費として数百万~数千万円、全国放送なら数億円単位のお金を支払っているので、巨大企業の場合が多いです。

そんな企業に就職している人もいる学校、それが高専です。高専という学校に対する私が抱いた印象に関して、気になる方は過去のこちらの記事も読んでみてください。

【高校紹介】塾の先生から見た高専

では、実際にどんな学校なのか、入試制度はどのようになっているのか。今回が初めての記事ですので、私が説明会で伺ったことを中心にゆっくりじっくりとお話をしていきたいと思います!

ちなみに、これから学校紹介をさせていただきますが、あくまでも私目線で感じたことですので、細かなところで少しずれがあるかもしれません。ですので、興味をもった学科がある方は、ぜひ弓削商船のホームページの紹介動画もご覧ください!

弓削商船へのアクセス

上でも書かせて頂きましたが、弓削商船は瀬戸内海の弓削(ゆげ)島という島にある高専です。因島の土生(はぶ)港からフェリーで行くか、三原・もしくは土生港からフェリーで生名島(いきなじま)の立石港まで行って、そこからバスや自家用車で橋を渡って、学校に行くことも出来ます。

生名島、岩城(いわぎ)島、佐島、弓削島の4つの島は「ゆめしま海道」と呼ばれる橋でつながっており、通行料は無料のようです。

土生港からのフェリーは基本的には1時間に3本出ているようですが、朝の通勤・通学の時間帯には一時間に6本に増便されるそうです。

実際に弓削商船に在学している生徒さんたちはどれくらいの頻度で帰省をしているのか、ゆめしま海道を使って他の島に遊びに行ったりするのか、・・・気になる方は7月にオープンキャンパスも実施されますので、ぜひ学生さんたちに直接聞いてみましょう!

尾道市出身者の割合は全体の約25%(4分の1)

弓削商船には尾道市内の中学出身の生徒さんもたくさんいらっしゃるようです。高専に在籍する1年生から5年生、それに加えて、専攻科という高専卒業後に進学できる上のコースの生徒さんたちも含めると、学校の全校生徒が約600名です。そしてそのうちの約半数が広島県出身者で、さらにその約半数の144名が尾道市出身者だそうです。

尾道市といっても、距離的に考えれば、因島や向島、生口島などの島出身の生徒さんも多いとは思いますが、パンフレットの2023年度入学者の出身中学一覧を見ていると、久保・高西・日比崎・美木など、本州の方からも通っている生徒さんがいるようです。

高専は大学と同じ、高等教育機関

これは他の高専にも共通する特徴ですが、高専は、大学と同じ「高等教育機関」という種類の学校です。(中学校・高等学校は「中等教育機関」)

だからこその、一般的な高校とは異なる特徴があります。

まず高専の授業は90分授業で、1日最大4コマです。昼休みも80分と長いです。

大型休みは夏休み約50日、春休み約60日と大学と同じように長くて、この休みの期間はアルバイトも可能です。(成績不振で進級が危ない場合は、補習や単位認定試験のために春休みが半分になるそうです。)

そして、ここが最大の特徴だと思うのですが、高専の先生たちは大学の先生たちと同じように博士論文を書いたことのある研究職の先生たちです。そして、先生たち自身が希望しない限りは、先生たちの異動はありません。つまり、1年生から卒業する5年生まで、同じ先生がじっくりと見てくれて、その生徒の性格や強みに合わせた就職先や進路を一緒に考えてもらえるということです。

寮生活にかかる費用は格安!

もちろん、通学するとなるとなかなか大変ですが、「白砂寮」と呼ばれる学生寮が併設されており、1年生の8割以上が寮生活をしています。1,2年生は2人部屋で3年生以上は原則1人部屋になるようです。2020年の3月には女子寮が新たに作られた(改築した?)そうなので、きっとまだピカピカでしょうね!

寄宿料は何と驚愕の1人月800円!ここに水道光熱費と1日3食の食費が加わって、月々かかる費用が約45,000円です。もちろん、エアコンも完備。食費込み、税込でこのお値段は相当安いですね。

さらに興味深かったのが、令和6年6月より、弓削商船のある上島町では、町の条例で22歳までの学生の医療費は無償化されるそうです! 町全体が学校を歓迎してくれているし、学生さんたちに少しでも過ごしやすくて安心・安全な環境を提供しようとしてくれていることがよく分かります。

部活動について

部活動は全部で体育系16、文化系8、同好会4の部活動があります。1~3年生は愛媛県の高体連の大会に出場可能です。高専連合会という全国51校の高専で戦う大会では、四国の6校で地方大会を戦って、勝てば全国大会なので、旅行感覚で色々なところに行けるかもしれません。

運動部には他の学校には無いような、「ヨット部」や「カッター部」といった船に乗る部活動があります。野球部は文化系の中では、NHKで放送されるロボコンの全国大会への出場を目指す「ロボット研究部」や、プログラミングを競う「マイコン部」があります。同好会には、「3Dデザイン同好会」「eスポーツ同好会」といった面白そうな部活動もあります。

気になるモノがあれば、ぜひオープンキャンパスで見学をしたり、話を聞いてみてください!

そして、ここからは各学科の説明をしていきます。

商船学科について

商船学科について詳しく説明・・・をする前に、クイズを出します!

日本国内では、毎日多くの人やモノが運ばれています。飛行機・船・電車・車などありますが、ではモノを運ぶお仕事である「物流」というお仕事の中で、船の占める割合はだいたい何%くらいでしょうか?

貨物列車も毎日かなりの量のものを運んでいますよね?

私たちの家にモノを届けてくれるのはトラックなどの車ですよね。これもかなりの割合になりそうですね。

授業では飛行機は高価で小さなものを運ぶのに使うと言う話もしました。

さて、それでは船はいったいどれくらいのモノを運んでいるでしょう??

・・・

・・・

・・・

答えを発表します!

答えはなんと・・・「99%以上」です!

え、そんなに!?とびっくりしませんか?

食料品も石油などの燃料も、自動車や電化製品も私たちは船で運びます。日本は、食料もエネルギーも海外からの輸入に頼りまくっているし、電化製品をはじめとする色々な製品も、海外で作られたものを日本に輸入していることが多いです。ということは、船が無ければ食べ物も届かないし、電気も作れないし、今の生活が成り立たなくなるということです。

つまり、船に関わる「海運業界」というのは、実は日本人の生活を支えている、ものすごく重要な業界ということですね。

商船学科は、5年6カ月という他の高専よりも半年長い期間で、そんな「海運業界」で活躍をする船乗りになるための学科です。

1、2年生の間は同じカリキュラムの授業を受け、3年生からは、船を操縦する「航海コース」か、船のエンジンや電気系統を管理する「機関コース」の2つのコースに分かれて勉強をしていきます。2年生で1か月、4年生で5か月、5年生で6か月という長期にわたって大型船実習を行い、卒業をする際には「3級海技士」の資格が取得できます。東京海洋大学や神戸大学にも海技士の資格が取れる学科があるようですが、それと全く同じ資格が、大学生よりも早く取得できるのも魅力だそうです。

さらに学科試験の勉強もしっかりとやっておけば在学中に2級・1級の資格も取得できるようです。

合計1年にもわたる大型船実習をする、商船学科の生徒さんにとっては欠かせない「仲間」ともいえるような存在が、練習船「弓削丸」です。この「弓削丸」に関しては、従来よりも1.5倍大きくなってより生活がしやすくなった新型の4代目が、今年の3月に竣工されたばかりのようです。

弓削丸にのらない時も、海上でオールを漕ぎながら自習をする「漕艇通信」や、電子航海図を使ってパソコンモニターを眺めながらやる実習もあるようです。自動車の免許を取る際に高速道路にのった様子を体幹するためのシミュレーターに乗った記憶がありますが、それの船版・・・ということでしょうかね?

船乗りを育成する商船学科がある高専は全国に5つあるそうですが、その中でも弓削商船が船員として就職する割合がトップなのだそうです。瀬戸内海は波も他の海よりは比較的穏やかですから、訓練をという意味では理想的な環境なのかもしれませんね。

就職も業界最大手の日本郵船をはじめとして、有名企業に船員として就職できるようです。海外へ行くことになれば、船上で1~2か月生活をすることもあるようですし、大変なお仕事です。ですがその分、お給料もかなり良さそうです。

説明会では実際に船員が初任給でいくらもらっているのか、具体的な額も教えてもらえますが、・・・とっても素敵な額でしたよ笑

今回はここまで!

さて、次は電子機械工学科と情報工学科の説明を・・・と考えましたが、一旦はここまでにしたいと思います!

既に5000字を超えており、ここからさらに入試制度などを書こうとすると、いつものことといえばそうですが、今書いている量の倍以上に長くなりそうなので、ここで区切りたいと思います。

また後半もすぐに書きたいと思いますが、興味がある方はぜひ7月のオープンキャンパスにも参加してみましょう!

ということで、後編へ続きます。

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